第6波のピーク時を上回るPCR陽性率なんですけど

熊本県の新型コロナ新規感染者数が、1週間ぶりに1000人を切りましたが、喜んでいる人は誰もいませんよね。

月曜日には見かけ上、感染報告数がいちばん少なくなることは、いまや小学生でも知ってますから(多分)。

毎週日曜日にも発熱外来をやっている当院は、最近の日曜の午後は、ほぼほぼコロナ専用の時間帯となります。

当院で昨日行ったPCR検査は47件でした。本日判明した陽性数は38件。陽性率はなんと81%。

1月・2月ごろにも経験しなかった異常な陽性率です。

駐車場に車が10台停まっていたら、そのうち8台には感染者がいるという、昨日はそんな状況だったのです。

こんなことばかり書いてたら、「あの医院に行ったらコロナうつされると思われるぞ」と心配する方がいます。

ご心配はごもっともですが、動線分離はしっかりやっています。各部署の感染防御は完璧だと思っています。

現にこのコロナ禍でずっと発熱外来をやってきて、当院職員の誰一人コロナには罹っていません。

とはいえ、近隣の学校や保育園などでは、あちこちでクラスターが発生しています。

子どもがコロナを家庭に持ち帰り、親や兄弟が感染して発症する、というパターンはいまも続いています。

最近は高熱が続く方が目立ちますね。そのかわり強い咽頭痛は減りました。とはいえ、個人差は大きいです。

熱が出てないからコロナじゃない、という考え方は今でも間違っています。油断禁物。

というわけで、当院の昨日の状況を踏まえて、明日発表の熊本県の新規感染者数は2千人超えと予測します。

発熱外来が目一杯なら、保健所も手一杯

「第7波」を肌で感じる今日の発熱外来でしたが、なにしろ受診予約の電話が引っ切りなしにかかってきます。

固定電話2回線+携帯電話2回線を駆使しても、常時話し中の状態になり、クレームも出ます。

朝のうちに夕方までの予約枠が埋まり、今日も「コロナ相談窓口」からの紹介を止めてもらうことにしました。

が、その相談窓口の電話もつながりません。何度かけても、延々とパッヘルベルのカノンを聞かされるばかり。

しょうがないので保健所に電話したら、関係部署に連絡して折り返します、ということになりました。

が、その折り返しもかかってこない。ていうか多分、当院の電話がつながらないのです。

PCR検査の結果は明日になりますが、抗原検査陽性分は、すぐに発生届等をFAXしました。

確認のために保健所に電話するルールですが、これがまたつながらない。でもかけ直しませんでした。

そもそも必要性をあまり感じない連絡だし、保健所の仕事を増やすだけでしょうから(夕方連絡しました)。

当院ホームページから問い合わせメールを送信してくる方もいますが、残念ながら読むヒマがありません。

電話がつながらず、しびれを切らして直接院内に入ってこられる方もいますが、それがいちばん困ります。

本日のPCR検査の結果は、明日の夕方から夜に判明します。先週は22時過ぎに結果報告のFAXが届きました。

すぐに患者さんに連絡し、保健所に発生届をFAXしますが、保健所が処理を始めるのは翌日(火曜)です。

そんな経緯で、日曜の検査結果が火曜の「新規感染者数」に反映されることは、前にも書いてきた通りです。

なお、発生届を受理した保健所が感染者に電話連絡をするまでに、現在2〜3日程度を要しているようです。

なので本日当院で検査を受けた方が万一PCR陽性だった場合、保健所からの連絡は木曜か金曜になります。

この件では当院にもたびたび問い合わせがありますが、以上のような事情ですのでご理解のほどお願いします。

「痛恨の極み」

安倍元総理大臣の悲報に接しては、多くの方が口にするように「痛恨の極み」としか言いようがありません。

どんな悪党の凶行であっても許されませんが、こんな素人が易々と遂行できたことがとくに悔やまれます。

どんな政治的理由があっても暴力は認められませんが、単なる個人的恨みによる犯行だったとは悲しすぎます。

この事件がどうして防げなかったのか、メディアが力を入れて報じています。更なる詳細な分析に期待します。

しかしそれ以上に、安倍氏の功績や人物像、思い出についても、今日の番組は時間を割いています。

山口県出身の私は以前から、安倍晋三氏の父親である安倍晋太郎氏の代から、応援していました。

私の母校(山口高校)の同窓会長は、晋太郎氏でした。同窓会名簿の題字は、岸信介氏によるものでした。

その晋太郎氏が総理に選ばれなれなかった、いわゆる「中曽根裁定」では、とても悔しい思いをしました。

たぶん、竹下氏よりも「大物」の晋太郎氏の本格政権を後に回したのだろうと、そう考えて納得していました。

実際、ポスト竹下は晋太郎氏と目されていたのですが、病に倒れ、総理の椅子に座ることが叶いませんでした。

それから15年後。晋三氏の総理就任は本当に嬉しかった。のですが病に倒れ、しかし見事に復活。

ついに、史上最長政権を樹立した大総理となりました。功罪ありますが、歴史に残る人物と言えるでしょう。

だからこそ、今回「小物」に「恨み」で殺害されたことが、本当に悔しいのです。

享年は奇しくも、父晋太郎氏と同じ67歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

安倍元総理大臣が撃たれて死亡

安倍元総理大臣が、奈良市で白昼、演説中に銃で撃たれて亡くなりました。

今後さまざまな分析や論評が行われるのでしょうけど、「あっけなさすぎ」というのが私の第一印象です。

良かれ悪しかれ、安倍氏は今後も日本の政治に大きな影響を及ぼし続けると考えられていた大人物でした。

「令和の妖怪」にさえなりかねないと私は思ってました。それがこんな形で潰えるとは、なんともあっけない。

容疑者の背後関係は不明ですが、おそらくテロでもプロでもない。素人の凶行とするならよけいにあっけない。

どうしてその程度の犯行を、SPや県警の警察官らは防げなかったのでしょう。警護するにも油断しすぎです。

いかにも一般人だから警戒していなかったのか、飛び道具を持って近づくこと自体を想定していなかったのか。

手を尽くしても救命不能だった致命傷を与えたのは、手製の銃による2発。それがいかにもあっけない。

心臓(左心室)を損傷していたのであれば、多量に出血するし、何をやっても有効な心拍は再開できません。

大量の輸血で救命しようとするうちに、全身の血管や臓器が悲鳴を上げ始めたらもう、打つ手なしです。

スマホに「安倍氏が撃たれた」との衝撃的な速報が入ったと思ったら、すぐに「心肺停止」、やがて「死亡」。

今日は展開が早すぎて、咀嚼する時間もありませんでした。ご冥福をお祈りいたします。

痛くない予防接種のために

「次からココで打ちたい!」

当院で初めてワクチン接種を受けたお子さんが、今日このように言ってくれました。最高の褒め言葉です。

つまり、思っていたほど痛くなかったのです。恐怖のために固かった表情が、一転して明るくなりました。

とは言え、どこの医療機関でも皮下注射の方法(手技)に大差はなく、痛くないように打っているはずです。

(1)腕を消毒したらなるべく早く注射する(恐怖の時間を最小限にする)

(2)針を刺入したら間髪を入れず注入する(逆流の確認などやらない)

(3)可能な限り素早く注入する(そのために針をシリンジに強くしっかりと装着しておく)

よく知られている「常識的な」方法ではありますが、私はそれを強く意識しています。

「(注射する時間は)3秒と5秒と10秒のどれがいい?」と尋ね、「3秒」と答えさせておき1秒で注射します。

「じゃあ、注射するよ〜」と言いながら、「よ〜」の途中で打ち終わるぐらいがベストです。

シリンジの持ち方も重要です。私は押し子が薬指で押せるような指の配置で、シリンジを把持します。

この方法だと、もっとも迅速に片手で(2)が実現できるからです。他の先生方の手技はいかがでしょうか。

警察車両に「AirTag」ストーキング

愛知県警の捜査車両に、Appleの「AirTag」が取り付けられていた件。起きるべくして起きた事件です。

AirTagは、キーホルダーに付けたりカバンに入れたりしておけば、iPhoneでその場所を探し出せる機器です。

500円玉を一回り大きくしたサイズの、白い碁石に似た形状で、通常は専用のホルダーに入れて使います。

私も1個、銀行の物理的トークンと同じキーホルダーにつなげて、常用しているカバンの中に入れています。

これはつまり、使った後のトークンの置き忘れを関知することと、カバン自体の紛失・盗難に備えたものです。

しかし本来の使い方ではなくストーキング等の目的で悪用できることが、発売当初から問題視されていました。

他人の衣類やカバンや車などにこっそり入れておけば、その位置を追跡できるからです。

「AirTagは、不要な追跡に使われないように設計されています」とAppleは言いますが、完璧とは言えません。

(1)一定時間以上近くにある他人のAirTagは、iPhoneが自動検出して警告を表示し、AirTagが音を鳴らす

(2)このアラートは、そのAirTagが持ち主から離れた時だけ有効になる

自分がiPhoneなら良いですが、Androidでは特定のアプリを使って能動的にAirTagを探す必要があります。

なのでAndroidユーザーは、悪用に気付きにくいわけです。さて県警捜査員はどっちを使っていたのでしょう。

千人超えは予測していたけど、1,500人超えとは

流石にここまで増えるとコメントせざるを得ませんが、コロナ増えてますね、全国で。

今日の熊本の1,589人は思いもよらない数字でしたが、しかし千人を超えるであろうことは予測していました。

それは2日前の日曜日の、当院の発熱外来の状況が、尋常ではなかったからです。

この日はまず、朝から暑く、蝉時雨も激しく、それでいて天気が崩れそうな暗雲も立ち込めていました。

ネット予約枠はすぐに埋まり、8時半の電話受付開始とともに、予約の電話がじゃんじゃんかかって来ます。

予約外の方が玄関に現れたら、感染対策の観点から駐車場に戻っていただき、電話連絡をするよう説明します。

予約済の来院者が駐車場に着いた場合も、まずは電話連絡が入るので、そのまま電話問診に移ります。

このように当院の発熱外来は電話を駆使しているので、auの通信障害には余計な苦労をさせられました。

夕方までの診療予約枠が朝のうちに全て埋まったのは、おそらく2カ月ぶりぐらいです。

当院への紹介をストップしてもらおうと「新型コロナ相談センター」に電話するのですが、つながりません。

そのような勢いの中で、行ったPCR検査は42件。日曜日としてもやはり、5月以来の多さです。

PCRの結果判明と届出は月曜の夕方以降となるため、新規感染者数としては火曜日のカウントに入ります。

なので私は、火曜日には千人超えだと思ったわけですが、それも全く甘い予測でした。

陽性者は26人(62%)。18歳以上の陽性者14人のうち、ワクチン3回接種済が9人もいたのもショックです。

電子カルテと診療予約システムと通信障害

KDDIの通信障害は、auの通話にとどまらず、さまざまな分野の通信に影響を及ぼしたようです。

一部銀行のATMとか、気象庁のアメダスとか、ヤマトの配送管理システムとか、JALの従業員用無線とか。

トヨタ自動車の「つながる車」サービス「T-Connect」も影響を受け、「つながらない車」になりました。

実はトヨタではありませんが私の車にも、「ConnectedDrive」というサービスが装備されています。

スマホを使って、車をロックしたりライトを点けたりと遠隔操作ができるそうですが、私は未経験です。

しかしそのような便利機能はともかく、自動運転にかかわる通信となると、もしも障害が起きたら大問題です。

電子カルテは、そのネットワーク様式によって、「オンプレミス型」と「クラウド型」に大別できます。

前者は、当院のように院内で完結したLANに、サーバーとクライアントが接続して運用するものです。

後者は、外部のサーバーに対してインターネットを介して院内のクライアントが繋がっているものです。

それぞれ一長一短あるのですが、クラウド型の欠点はセキュリティ面と、通信障害に弱いことでしょう。

一方で、当院が導入している診療予約システム「アイチケット」は現在、クラウドにサーバーがあります。

以前は、自院内にサーバーを起き、ネットに繋げて、予約受付を行っていました。

しかしそのPCにトラブルが起きたり、ネット接続に障害があると、予約システム自体が使えなくなります。

今回のKDDIのような問題が起きると、クラウド型の電子カルテには致命的な影響が出ます。

逆に、予約システムはクラウド型の方が通信障害に強く、安心です。

当院で現在採用しているシステムは偶然にも、通信障害にはもっとも強い組み合わせになっているようです。

クマゼミシャワー始まる

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3589.html" target="_blank" title="クマゼミの鳴き声">クマゼミの鳴き声</a>を聞いたのは、今シーズンは昨日が最初でした。

昨日の朝、クリニック周辺の掃除をしていたとき、建物の壁にしがみついている抜け殻を2つ見つけました。

土から出てきてとりあえず登ったら壁面だったのはガッカリでしょうけど、無事羽化して飛び去ったようです。

と思いを馳せながら抜け殻を手に取った、まさにその瞬間、近隣のどこかでセミが鳴き始めました。

よく聞くと2匹の重唱のようです。間違いなく、その2つの殻から出たヤツらでしょう。

1日経って今朝の掃除中には、すでに多数のクマゼミがジュワジュワ鳴いてます。急激に増えましたね。

今日もまた、壁面やブロック塀に絡んだ抜け殻を、数個見つけました。

ケヤキの幹の下のアスファルトの上に1匹、木から落ちたのか、羽化できずに力尽きた青白い幼虫がいました。

まだ脚がモゾモゾ動いていましたが、翅は広がりきれず、すでにアリがたくさん群がってきています。

そっと植込の根元の土の上に移してやりました。セミもアリも、それぞれ自然の摂理の中で生きています。

KDDIの大規模通信障害は、発熱外来にも影響しています

「予約をしていない方へ 院内に入る前に必ず電話でご連絡ください」

このような掲示物をカラー印刷して、当院の玄関口に何枚も貼り出しています。

受診者がどんな病状かにもよりけりですが、予約外の方は念の為、いったん自家用車内でお待ちいただきます。

発熱外来受診者ならなおのこと。駐車場に着いたらまず電話連絡をしていただき、その後は電話で問診します。

検査等は対面で行いますが、結果説明や会計のご案内など、電話でできることは電話でやり取りします。

このような携帯電話を駆使した感染対策の工夫が、今日はauの通話障害によって少々面倒なことになりました。

KDDIの通信障害は、携帯電話の通話に限らず、さまざまな領域に甚大な影響を及ぼし続けています。

auスマホを使っている家人に、仕事の合間に電話してみましたが、確かにつながりません。

ところが、「電話はどうか」とメッセージを送るとすぐに、「普通に使える」と返答がありました。

不思議に思い、私に電話をかけさせてみると、「通じない」とのメッセージあり。

「そういえば(今日は)電話がかかってこなかった」だと。

電話って、自分からかけようとしない限り、通話障害には気が付かないものなんですね。

たとえ通話障害があっても、家庭内のWi-Fi環境下では、メールやメッセージなどには支障がありません。

そのことをもって、「電話機(=スマホ)が普通に使える」と判断するのは、確かにその通りなのでしょう。

「電話はどうか」という、私の尋ね方が間違っていました。「通話はどうか」と問うべきでした。

明日は日曜日。発熱外来受診者が多く、電話問診や電話連絡は必須です。明朝までの通信復旧を願います。