新型コロナ感染者への熊本市の対応は、「重症化リスクのある方に集中した対応」に切り替えられています。
以前は、医療機関が「発生届」を出すと保健所が感染者全員に電話連絡を入れていましたが、今は違います。
原則としてSMS送信によって今後の流れが通知され、電話連絡は高齢者等に限定して行われます。
高齢者の他に、重症化リスク因子を複数持っている方や妊婦等の特別に連絡が必要な方に、電話がかかります。
酸素飽和度を測定するための「パルスオキシメーター」の貸し出しも、今は重症化リスクの高い方限定です。
感染者全員を一律にフォローする従来の態勢が破綻しつつあるので、このような方針転換は理解できます。
重症化因子のなさそうな感染者が重症化してしまう可能性はあるとしても、やむを得ない対応です。
しかし、これによって保健所の仕事量は減るかもしれませんが、医療機関の仕事量はあまり変わりません。
保健所がポイントをしぼってフォローするというのに、医療機関には全例報告する義務があるからです。
事ここに至れば、医療機関に対しても、一律に発生届の提出を求めるのをやめてもらえませんかね。
国が感染者の数やプロフィールの把握をしたいのであれば、HER-SYSの入力項目はもっと減らして欲しい。
氏名・性別・生年月日・電話番号・診断日。それだけにしてくれませんか。
そのかわり、重症化リスク因子をもっていると判断したケースについては詳細な報告をしますから。
発熱外来では診療に集中させていただきたい。国の統計解析や疫学調査の手伝いで疲弊するのは御免です。