「感染した後の子どもと比べて抗体の値は高く、発熱などの副反応が出る割合は大人より低かった」
5〜11歳の子どもへの新型コロナワクチン接種について、そんな有効性と副反応のデータが公表されました。
メリット(抗体値の上昇)>デメリット(副反応の頻度)、なのだから「接種の意義はある」という結論です。
ところが、いかんせん、接種率が低すぎます。2回目の接種率は、昨日の発表では14.9%とのこと。
努力義務が課されていないこの年齢層に対して、国や自治体は「積極的勧奨」もできず、もどかしいところ。
なので今回のデータ公表は、科学的な有益情報による「間接的勧奨」を目論むものかもしれません。
ですが世の中の親御さんの不安はおそらく、「発熱などの副反応」だけではないはずです。
もっと後になってわかるかもしれない重大な副反応など、将来への未知の影響があれこれ心配なのです。
小児では罹患してもたいてい軽症なので、不安を感じたままでワクチン接種をする気になれないのです。
私は発熱外来で子どもの感染者を何人も見てきたので、ワクチン接種に対しては積極的に準備してきました。
これまでに、500人分以上のワクチンを確保(予約)しました。ですが、実際に接種したのは約50人です。
この50人の親御さんの多くは、前々から接種の意思を表示され、予約開始を待ち望んでいたような方々でした。
そのような「積極派」の接種がひととおり終わってしまうと、その後の新規予約者がほとんどいません。
ぽつんぽつんと小児の接種希望者が現れますが、人数がまとまらなければ接種予定が組めない問題もあります。
今では私も、小児への接種は「時機を待つ」ことにしました。とりあえず高齢者への4回目接種に全集中です。