HPVワクチンの勧奨接種再開はたぶん、コロナのおかげです

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の積極的勧奨が差し控えられて9年。もうそんなにたちますか。

世界中で幅広く、粛々と、平然と接種が行われているこのワクチンを、日本人だけが忌避し続けてきました。

最近になってようやく<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3820.html" target="_blank" title="勧奨再開">勧奨再開</a>となりましたが、現時点では、接種希望者が急増している雰囲気はありません。

それでも、キャッチアップ接種の希望者はそこそこいます。これからだんだん増えていくのでしょう。

日本人は、理屈よりも情緒の国民性。科学的事実よりも、衝撃的な映像などメディアの影響を強く受けます。

メディアは、そんな国民や各種団体に「ウケ」の良い報道を垂れ流し、あるいは扇動します。

国は、メディアや団体から叩かれるのを嫌い、また過去の判例にとらわれ、事なかれ主義の無策に徹します。

女性を子宮頸がんから守らなければならないことの重要性は、昨今どうしても無視できなくなってきました。

根拠をもって勧奨を止めたワクチンの接種を、一転して推し進めるためには、何かきっかけが必要です。

しかし、ワクチンの成分も有効性も安全性も9年前と同じ。何か新事実が出てくるとも思えない。

そんな時に、突如として現れたのが、新型コロナウイルス感染症であり、新型コロナワクチンなわけです。

日本人は、たとえ副作用があっても有用ならと争うようにワクチンを接種しました。筋肉注射にも慣れました。

この新型コロナワクチンの登場は、HPVワクチンの再開に向けての、追い風どころか神風に近いものでした。