ワクチン+自然感染で、コロナ免疫を長期間維持する作戦

新型コロナワクチン接種後の、自分の血液中の「抗体価」を調べてみました。

当院で4回目接種を受けた、私を含む2名の「SARS-CoV-2 スパイク蛋白(IgG)」を測定しました。

4回目接種のちょうど2週間後において、2人とも抗体価は約13,000 AU/mlでした。十分高い数値です。

新型コロナウイルスは、表面の「スパイク」という構造物がヒトの細胞表面と結合して、感染が成立します。

「mRNAワクチン」は、スパイク蛋白の設計図を接種することにより、人体内でスパイク蛋白を作らせます。

すると免疫反応によりスパイク蛋白に対する抗体が体内で製造され、これがウイルス防御の武器となります。

ワクチンの接種によって抗体価が上昇しても、残念ながらやがて徐々に低下していきます。

一説では、3カ月で半減し、4か月後には30%程度に下がるとも言われています。

そのようなワクチン効果の減弱によって、いま日本で感染再拡大が起きているという考え方もあります。

私が今、かなり強い免疫を持っているとしても、数カ月後には貧弱な免疫状態になってしまうのでしょう。

ではこれからも、何度も何度もワクチンの接種を繰り返さなければ、免疫は維持できないのでしょうか。

いや、自然感染による免疫の再強化、すなわち「ブースター効果」を期待する手もあります。

免疫力の強いうちに、発熱外来で感染者の飛沫を適度に浴びて刺激を受け続け、免疫を維持する手法です。

現状の感染防護態勢を敢えて緩めるという、少々危険な香りのする作戦ですが、上手に試したい気もします。

今からでも、ワクチン打ちましょう

「もしや感染者数が増加に転じてませんか」と書いたのは9日前のこと。いやはや、確実に増えてますね。

「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」は、熊本県は沖縄県に次いで全国2位じゃないですか。

たしかに発熱外来多いです。とくに子どもの感染者が増えています。

近隣の小学校では、学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいます。

その学校の生徒はしかし、学年が違うと学級閉鎖のことなど知らない子もいます。

クラスの誰かが休んでも、その子がコロナなのか何なのか、「個人情報」を理由に明らかにはされません。

担任の先生がコロナで休んでも、子どもたちには明確には伝えられない有り様です。

集計するには1日早いですが、今月当院でPCRまたは抗原検査で陽性と診断した109人の内訳を調べると、

10歳未満29人(27%)、10代18人(17%)、20代9人(8%)と、ここまでで50%を超えました。

一方で、60歳以上はわずかに7人(6%)、65歳以上に限るとたったの3人でした。

感染者は圧倒的に小学生や未就学児に多く、彼らは最初は高熱が出ますが、すぐに解熱して元気になります。

大人の症状は2パターン。微熱のまま経過する方と、高熱が2,3日続く方。ほぼ、ワクチン接種歴の違いです。

18歳以上で今月PCR陽性になった60人のうち、ワクチン3回接種済の方は29人もいました。

ワクチン接種は、感染予防効果はゼロじゃないけど弱い。しかし言われている通り、症状は軽くなるようです。

今からでも決して遅くはないでしょう。3回目接種は、やっぱりオススメですね。

OSをダウングレードする

現在、院内で電子カルテのクライアント端末として使っているMacのOSは、どれも古いものばかりです。

電カル用ソフトウェアの現バージョンが古く、したがって端末の動作環境にも古いOSが要求されるからです。

本当は、電カルを新バージョンにしたいのですが、そうすると今度は、新しいOS環境が必要になります。

その新しいOSを快適に走らせるためには、ハード(Mac)も新しくなければなりません。

「ソフト更新→そのためにOS更新→そのためにハード更新」という連鎖は、昔からよく経験することです。

調べてみると、新バージョンに必要なMacOSは10.13以上。一方で旧バージョンが走るOSは10.14まで。

てことは、MacOS 10.13か10.14が入ったMacであれば、新旧両方の電カルソフトを稼働できますね。

1台のMacで新旧の電カルが両方走れば、切り替えの過渡期を乗り切るのがとても楽になるはず。

さっそく、昨年購入したiMacに白羽の矢を立てましたが、確認してみるとOSは10.15じゃないですか。

購入時のOSは10.14だったのに、何かの拍子に私がうっかり10.15に上げてしまっていたようです。

でも大丈夫。MacはOSを更新したあとでも、購入時のOSバージョンにダウングレードすることができます。

そのための魔法のキーは、「shift + option + command + R」を押しながら再起動すること。

だいぶ時間がかかりましたが、新旧ソフトの両方が稼働できる(はずの)、電カル端末の誕生です。

今回の件で得た教訓は、「必要もないのに不用意にOSを更新しないこと」ですね。

誕生日にちなんだ「917便」で飛んでみる(案)

コロナ禍が明けたら、「リベンジ旅行」に行くしかありません。

ちょうど私の誕生日(9月17日)ごろには、そうなっているはず。

思い起こせば、2018年も2019年も、誕生日には「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3628.html" target="_blank" title="バースデーフライト">バースデーフライト</a>」をしたものです。

今年は3年ぶりなので、普通のバースデーフライトにはしたくない。何か、特別の趣向を凝らしたい。

で、思い付いたんですが、私の誕生日にちなんで「917便」に搭乗する、ってのはかいかがか。

早速、「ANA917便」を検索しましたが、残念。存在しません。

次に、「JAL917便」を調べると、ありました。羽田-那覇便ですね。打って付けじゃないですか。

羽田13:35発–那覇16:15着。では、その前後をつないでいきましょうか。これは私の好きなANAで。

熊本から羽田まで行く便はいくつか選べますが、熊本10:45–羽田12:25、あたりが良いでしょう。

問題は、那覇から熊本まで帰る方法です。那覇–熊本の直行便は15:20発なので、今回は使えません。

ANAで羽田経由だと、16:40の便に乗らなければなりませんが、那覇空港でJAL-ANA乗り継ぎ25分は厳しい。

那覇空港の場合、乗り継ぎ自体は同じフロアで簡単なのですが、規定されている乗り継ぎ時間は30分です。

そこを、アクロバティックに乗り継ぐのも航空旅行の醍醐味ではあります。でも乗り遅れるとややこしい。

ここは安全を考慮して、帰りは伊丹経由にしました。ということで、9/17の旅程(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3632.html" target="_blank" title="脳内旅行">脳内旅行</a>案)は次の通り。

熊本10:45–羽田12:25、羽田13:35–那覇16:15、那覇17:00–伊丹18:55、伊丹19:40–熊本20:50。

さて次は、シンガポール航空の「SQ917便」(マニラ–シンガポール)で妄想してみましょう。

揺れが来れば思い出す

新型コロナ。日本各地の新規感染者数が、前の週よりも増え続けています。肌感覚でも、増えてます。

発熱外来の予約の勢いが衰えていません。今日も、だいぶお断りしたほどです。陽性率もまだ高い。

などと書いている時に、久々に揺れましたね。地震。我が家の近辺は震度3ですか。そんなものですか。

このように地震が起きたり、あるいは雷鳴を聞いた時に思い出すのは、私の場合、停電の恐怖です。

電子カルテ用端末の停電対策として、開院時には定石通り「無停電電源装置(UPS)」を数台導入しました。

でも考えてみると、院内の重要な機器には、通常のUPSでは補助できないものがたくさんあります。

例えば、大型複合機やワクチン保管用の保冷庫は、消費電力が大きくてバックアップは無理です。

熊本地震の本震の翌朝、クリニックに駆けつけて最初に確認したのは、保冷庫の庫内温度でした。

その時には電源は入っており、温度表示は4度でしたが、夜中に停電が起きていた可能性はあります。

さいわい当時の気温・室温なら、数時間程度の停電があったとしても、庫内温度は許容範囲だったはずです。

ですがより大容量の、本格的な蓄電または発電設備が必要だと、その時には痛感しました。

最近取り組んでいる<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3913.html" target="_blank" title="「院内ネットワーク」の整備">「院内ネットワーク」の整備</a>をしながら、同時に停電対策の再整備も始めたところです。

電子カルテ端末だけでなく、ハブにも電源バックアップが必要なことに、今更のように気付きました。

サーバーをノートPC(MacBook Pro)に切り替えたのは、いま思えば停電対策としても理にかなっています。

それはクライアントも同じこと。危機管理としては、ノート型を見直すべきなのかもしれません。

今年はインフルが流行するはず(3度目の正直)

「今年はインフルエンザが流行する」

昨日今日の話題は、なんと言ってもコレでしょう。現に、流行の兆しは出始めています。

東京の(横田基地に程近い)小学校では学年閉鎖ですか。オーストラリアでは3年ぶりの大流行だとか。

2年前、コロナとインフルが同時流行しては大変と、インフルワクチンの接種は例年以上の盛り上がりでした。

しかしインフルは、まったく流行しませんでした。ウイルス干渉とか、いろんな説明がなされました。

昨年、前年にインフルが流行しなかった翌年は大流行になる、という話もあり、ワクチン接種者は多数。

しかしインフルは、まったく流行しませんでした。マスクなどのコロナ対策が奏功していると考えられました。

さて今年、世界中がポストコロナへと意識を転換しつつあり、街は3年前のような活況を呈してきました。

そこへ付け入るようにインフルが大流行するのも、やむを得ません。何しろ皆んなに免疫がないのですから。

インフル大流行を迎えた際に困るのは、2年前と同じく、インフルとコロナの区別がつかないことです。

2年前は実質的にインフルはいませんでしたが、今シーズンはインフルとコロナとの同時流行もあり得ます。

まずは、インフルワクチンの接種に力を入れる必要がありそうですが、果たして希望者は例年程度いるのか。

「コロナとインフルが同時に流行るぞ」と2年間言われ続けたのに、結果的にはコロナ単独の流行でした。

その2年連続の空振りが「オオカミ少年効果」にならなければ良いがと、心配しているところです。

イルカショー終了へ

「しながわ水族館」が、5年後のリニューアルに伴って人気のイルカショーを終了すると報じられました。

施設の老朽化や競合施設の台頭のほか、動物保護の観点もあるようです。時代の流れでしょうか。

残酷だとされる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1325.html" target="_blank" title="追い込み漁">追い込み漁</a>」によるイルカの捕獲が国際的に問題視されている中で、ショーですからね。

イルカショーは、福岡の「マリンワールド」や高松の「屋島水族館(当時)」などで私は見たことがあります。

よく訓練されているなぁという印象を持ちましたが、動物虐待の発想はその時にはまったくありませんでした。

このような知能の高い動物を、残酷な方法で捕獲・展示し、しかも訓練することは、今後困難になるでしょう。

もっと知能の低いチンアナゴなら、どのような方法で捕獲して見せ物にしても、問題はないのでしょうけどね。

ちなみに動物園については、「新明解国語辞典」の記載が有名です。手元の第3版と第4版を見比べてみると、

【動物園】(第3版)鳥獣・魚類などを(自然に近い状態で)飼い、観覧者に見せる公園風の施設。

【動物園】(第4版)生態を公衆に見せ、かたわらに保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。

何があったんでしょう、新明解。それにしても「人間中心」とは痛いですね。

「ごぼうの党」があるのなら、「サル党」があってもいい

「サル痘」のニュースを聞いててずっと気になるのは、その主な症状である「発疹」の読み方です。

NHKなど、メディアはみな「はっしん」と読んでいますが、医療従事者が言うときは普通「ほっしん」です。

このように、国語辞典に出ている読み方と、医学用語としての読み方が異なる言葉は、よくあります。

例えば「腹腔」を、メディアは「ふくこう」と言いますが、医療現場では「ふっくう」です。

歴史的な観点からどちらが「元祖」なのかはともかくとして、医学用語の読み方の方が私はしっくりきます。

なぜなら、「はっしん」には同音異義語が多い一方で、「ほっしん」にはそれが比較的少ないからです。

日国を引くと、前者は「八神・発信・発振・発疹・発軫・発進・発震」、後者は「法身・発信・発心・発疹」。

とくに前者の「発信・発振・発進」は日常的によく使う言葉ですが、後者でよく使うのは「発疹」だけです。

これは「腹腔」でも同じで、その意味では、医学用語は同音異義語を嫌う傾向があるとも言えます。

「発足」とか「発端」のように、「発」を「ほつ」と読む言葉には、何か「こなれた」印象がありますね。

でも手元の「新明解第3版」では、「ほっしん」は「『はっしん』の老人語」となっていてガッカリします。

第6版からは「『はっしん』の古風な表現」に改善していますが、古風だとしても、業界標準なんですけどね。

「HER-SYS」ここらで見直しましょうか

新型コロナ感染者情報管理システム「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3797.html" target="_blank" title="HER-SYS">HER-SYS</a>」について、昨夜のNHKが詳しく取り上げてくれました。

その入力項目が多すぎる問題に対して、昨日の田中アナの素直な驚き方はなかなか良かったですね。

今からでも決して遅くないので、HER-SYSは撤廃してシステムをまるっと取り替えていただきたいものです。

かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3352.html" target="_blank" title="HER-SYSが登場した頃">HER-SYSが登場した頃</a>、「彼女のシス(HER-SITH)? 暗黒面?」などと書いたことがあります。

じつはその時、もう一つ連想していた言葉がありました。不謹慎ながら敢えて書きますが、「はー死す」です。

山口弁では、「はー」はよく使う言葉です。「もう」の意味の副詞です。

「はーやれんいね」(もう、やってられませんよ)のような使い方が一般的です。

なので「はーしす」は、まるでHER-SYSの入力作業の辛さを訴えた「もう死ぬ」に聞こえるのです。

何年も前に、自転車(販売)業界が、「ハース」というキャンペーンを張っていたことがあります。

「Heart(ハート)」+「Earth(アース)」=「Hearth(ハース)」という造語なんだそうです。

ですがCMで流れる音声は、「Hearth」ではなく「Hearse」に聞こえました。これは「霊柩車」の意味です。

思わず、業界の事務局に電話してしまいました。

私「ハース、ハースと宣伝してますけど、ハースって霊柩車の意味です。自転車に使うのはいかがなものか」

業「ハースはハートとアースから作った言葉です」

私「しかしそれなら、語尾は『th』の発音でなければなりませんが、聞いてると『se』の発音ですよ」

業「はぁ?」

てな具合に、噛み合いませんでした。でもその後、いつのまにか「Hearth」は姿を消したようですね。

ケーブルとハブは新しい方が良い

MacBook Proを電子カルテの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3911.html" target="_blank" title="新サーバー(新鯖)">新サーバー(新鯖)</a>」とし、明日のデビューを前に最終チェックをしました。

クライアントを全て立ち上げて動作確認。これは速いっ!快適!素敵!画期的!ビフテキ!あと何かある?

一回全部立ち下げてから、もう一回起動。よし、速…くない…ていうか立ち上がらない。なんで?

院長室に駆け上がり、鯖見てみたらグースカ寝てるじゃん。しまった、スリープ機能はオフにしとかなきゃ。

気を取り直して全ての機器を再起動。ん、やっぱりクライアントが立ち上がらない。気分は暗いアント。

エラーメッセージから考えると、ネットワーク障害の可能性、これあり。

鯖に接続しているケーブルとハブの老朽化(開院時から使っている!)かも。よし、新品に交換じゃぁ!

新品のハブなんて準備してるのかと問われれば、イエス、アイハブ。近鉄、じゃなくてBuffaloのやつね。

Ethernetケーブルも、オーバースペックな「カテゴリー7」の高級品を惜しげもなく豆乳(←誤変換のママ)。

さて、まずは受付のクライアントをおそるおそる立ち上げると、これが、ダメ。ネットワークがダメっぽい。

念のため診察室のクライアントを立ち上げてみたらこれがなんと、勢い良く立ち上がる!直立エンジン全開!

となると問題は、受付のハブじゃなかろうか。ならばこのハブも交換じゃ。もちろんアイハブ。しかも近鉄。

そんなこんなでついに、安定して全クライアントが稼働することを確認し、今日の作業を終えたら夕方でした。

今後の有事に備えて、ハブ2台とケーブルを長短10本ほどAmazonに発注したことは、言うまでもありません。