「ゲームチェンジャー」たるBEV、続々登場

トヨタが、LEXUSブランド初のバッテリーEV(BEV)専用モデル「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3851.html" target="_blank" title="RZ">RZ</a>」の詳細を発表しました。

先行する欧州車に比べるとあと一歩ですが、「1番バッター」として登場しただけのインパクトはあります。

ハンドルがいいですね。戦闘機の操縦桿を思わせるような異形。「ステアバイワイヤ」ってヤツですね。

グルッと回す必要がなく、少し傾けただけで電気信号によって車輪の向きが変わる、未来的な仕組みです。

F1マシンのステアリングも似ていますが、あれは小さな操作で大きな操舵角が得られるだけの従来型機構。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1627.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、車輪を電気的に操舵するのであれば、ハンドルの形状なんてどうでもいいわけです。

それこそ、ジョイスティックでも、矢印キーでも、音声による命令でもかまわないはず。

で、レスポンスの良いダイレクトなハンドリングを追求すると、戦闘機スタイルということなんでしょうかね。

一方で昨日は、日産が軽自動車のBEV「サクラ」を発表しました。レクサス「RZ」とは真逆の方向性です。

キビキビ走るクリーンで静かでコンパクトな街乗り車というカテゴリーは、BEVの得意分野かもしれません。

いくらクリーンと言っても、その電気はどこでどうやって発電したのかと言う人がいますが、それはそれ。

街中に排気ガスをまき散らさないだけでも、十分に有意義です。発電のことは別に考えましょう。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3682.html" target="_blank" title="先日の試乗">先日の試乗</a>後から、BEVが自動車の主役に置き換わる「ゲームチェンジャー」だと、私は確信しています。

あとは「いつ買うか」です。真っ先に手を出すか、少しだけ様子を見るか、機が熟すのを待つか。

デジタル機器(得にApple製品)だと私は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1260.html" target="_blank" title="イノベーター">イノベーター</a>」ですが、BEVは「アーリーアダプター」かな。

「4回目接種」も、当院分は市のサイトからは予約できません

新型コロナワクチンの「4回目接種」は、当院での接種を希望する方の予約がずいぶん集まってきました。

ワクチンの供給量が少ないので、当院で3回目を行った方に限定して、来院の都度、予約を受け付けています。

4回目接種の対象は、60歳以上か18歳以上の基礎疾患のある方なので、毎月通院されている方がほとんどです。

熊本市から昨日、市のサイトの「4回目接種実施医療機関一覧」に掲載するかどうかを尋ねる文書が来ました。

実は3回目までは、当院は掲載をしていませんでした。かかりつけ限定接種なので掲載の必要がないからです。

ただ、1回目のとき、「先生のところは接種されないんですね」と尋ねる、かかりつけの方がいました。

あるいは、「先生のところで接種できないので、別のところで予約を入れました」という方もいました。

市のサイトに掲載していないと、当院が接種自体をしていないように見えてしまうんですね。

かかりつけの方に接種する旨を院内に掲示していても、それだけではなかなか周知できないようです。

おそらく、患者さんのお子さん方(=若い方)が、気を利かせてネット検索などをするのでしょう。

ということで、誤解を防ぐために、4回目接種は熊本市のサイトの一覧に掲載することにしました。

ただし市のサイトからは予約できません。あくまで、当院が接種を行っていることを周知するための掲載です。

「魔が差す」には十分な金額だったのかも

「魔が差す」と言うことがあります。

山口県阿武町の「4,630万円誤給付事件」で逮捕された24歳の若者の身に起きたのは、まさにコレでしょう。

本件は、最初から若者が仕組んだ計画的犯行ではありません。ある意味、そそのかされて起こした犯行です。

彼が犯罪を犯したことは間違いないとしても、他人に人生を狂わされた被害者でもあります。

若者の態度は、「お金はすでに動かした。もう戻せない」という以前の発言の頃よりは、変化しています。

いまでは、「少しずつでも返していきたい」と謝罪しています。

「目の前の大金を見て、魔が差しました」とまで言ってくれてもいいんですよ。その方が、納得できますから。

若者をそそのかした「加害者」である阿武町はしかし、若者に謝罪した様子は(私の知る限り)ありません。

いやたしかに、誤って振り込んだこと自体には、町は若者の自宅を訪れて謝罪し、返金を求めています。

しかし、犯行をそそのかしてしまったことについては、謝罪するどころか被害者面をしています。

若者は顔写真が晒されたのだから、ミスをした町役場の担当者の顔と名前も晒すべきだ、とは思いません。

ですが誤給付をしてしまったことは猛省し、何らかの形で、若者の更生を手助けしてほしいですね。

「接種しますか?」→「接種した方が良いですか?」問答

新型コロナワクチンの「4回目接種」の、熊本市から医療機関への6月〜7月のワクチン供給量が決まりました。

当院への配分の上限は、ファイザー7本(42人分)、モデルナ14本(210人分)、合計で252人分です。

接種可能人数の比率は、ファイザー対モデルナが、ちょうど1対5です。

配分ワクチンが少ないので、当院での接種対象は、当院で3回目接種を受けた方に限定する予定です。

そのうち、60歳以上、または18歳以上で基礎疾患を有する方の総数は約300人です。

さらにそのうち、2月までに3回目接種を受けた方、つまり7月中に4回目接種の対象となるのは約200人です。

その、200人が全員4回目接種を希望するとしても、配給が決まったワクチン本数で足りる計算です。

ただし、ファイザーを接種できるのは最大で42人。あとは全員、モデルナを接種することになります。

患者さんに尋ねてみると、年齢によって考え方が異なる傾向がありました。

60歳以上では、接種できるのならモデルナでも良い、できれば早く接種したい、と言う方が圧倒的でした。

ところが60歳未満では、モデルナでも仕方ないという方と、モデルナなら接種しないという方に分かれます。

このワクチンの、しかも4回目接種については、私も無理に接種をオススメするようなことはしません。

「ワクチンは準備できますけど、接種しますか?」といった、やや消極的なヒアリングにとどめています。

するとしばしば、「やっぱり、接種した方がいいですかね」という質問で返されます。

ここで「3回目接種の時と同じです」と禅問答的な回答をすると、「では、接種します」となります。

命名(読み仮名)には、最大限の自由度を求む

法制審議会の戸籍法部会で、戸籍の氏名に読み仮名を付ける検討が進められています。

まあたしかに、読み仮名がない漢字だけだと、検索も困難ですね。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-678.html" target="_blank" title="キラキラネーム">キラキラネーム</a>」などをどの程度認めるかについては、3つの中間試案が提示されました。

・案1:権利乱用や公序良俗に反しなければ認める

・案2:漢字の意味との関連があれば認める

・案3:正当な理由があれば認める

認められる範囲が最も「狭い」案2でも、当てた字が納得できるキラキラネームなら、認められるようですね。

「大空(すかい)」や「海(まりん)」は、漢字の意味との関連があることから、認められるといいます。

ところが、「一郎」と書いて「たろう」と読ませるのは認められないというのが、私にはわかりません。

現状では、「一郎」と書いて「さぶろう」、「二郎」と書いて「ごえもん」と読ませてもOKです。

さすがにそれは今後は認められなくなるとしても、「一郎」で「たろう」もダメだというのは解せません。

大事なことは、その漢字でその読みが「ピンとくる」か、「腑に落ちる」かどうかでしょう?

姓(名字)だって、けっこうな当て字や難読漢字があるんだから、命名の自由度は保ってほしいですね。

自由度や個性を追求する時代の流れは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1835.html" target="_blank" title="女性の名前に「子」">女性の名前に「子」</a>が付かなくなってきたことにも表れています。

今月下旬からパブリックコメント(意見公募)が実施されるようなので、私も意見を述べてみましょうかね。

禁煙外来広告企画の顛末

「5月31日は『世界禁煙デー』 禁煙外来で禁煙しましょう!」

そのようなタイトルの、某新聞社の広告企画の案内(広告依頼)が届いたのは、先月のことでした。

毎年この時期に行われる広告企画ですが、私が新聞広告を出したのはたぶん、禁煙外来を始めた頃だけです。

広告のおかげか受診者もそこそこ現れるようになり、以来、コンスタントに禁煙外来を続けてきました。

その「施設基準」を満たすために、呼気一酸化炭素濃度測定器を購入し、敷地内禁煙の掲示も出しました。

治療の主役は、ファイザー製の禁煙補助薬「チャンピックス」です。この内服を12週間ほど続ける治療です。

ところがその、禁煙外来必須アイテムである「チャンピックス」が、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3551.html" target="_blank" title="1年前に突然、出荷停止">1年前に突然、出荷停止</a>となりました。

特定ロットで発がん物質の一種「ニトロソアミン」が検出されたためで、いまなお全世界的に販売停止中です。

その後ファイザーも何かと忙しいのか、チャンピックスの製造・販売再開にはまだ、メドが立っていません。

現在、禁煙外来は完全に止まっています。受診希望者の受付をお断りし続けて、すでに1年たちました。

そんな折りに某新聞社は、「禁煙外来で禁煙しましょう!」という広告を打とうというのです。

担当者はチャンピックスの製造中止騒ぎを知らず、漫然と、年1回の企画を繰り返そうとしていたわけです。

私はすぐに担当者に電話して、日本のどこで禁煙外来やってるの。そんなアホなことするなと、忠告しました。

そしたら今日になって、件の広告は取りやめる旨の連絡が来ました。間に合ってよかったです。

「抗原定性検査」を、以前よりも使うようになっています

日曜日は相変わらず、市内一円、市外からも発熱外来受診者が訪れますが、今日もあまり減ってない印象です。

そんな中で、少し考え方を変えたことがあります。それは「抗原定性検査」の割合を増やしたことです。

PCR検査に比べて感度が低いことが分かっているので、これまで私はあまり行ってきませんでした。

唾液が溜めきれない幼小児とか、あるいは高齢者に限定して行っていました。

しかし今は、やや症状の重い方に対して、早く白黒をつけるために、時々抗原検査を行うことがあります。

今日もそのような理由(等)で、一部の方に抗原検査を行ったところ、2名が陽性でした。

PCR検査とは異なり、その場ですぐに結果が出るので、保健所への届出がすぐにできることはメリットです。

そうすれば、入院の必要があればすぐに動き出すことができます。必要なら「特効薬」の処方も可能です。

抗原定性検査は、発症からの期間や検体採取法が適切かどうかによって、偽陰性率が変わってきます。

当院では原則として、患者さん本人や保護者の方に検体採取をしていただくので、その点がいちばん問題です。

「自分でやるの?」とか「深さ2cmでいいの?」と聞かれることもありますが、規定ではそうなっています。

なので良い検体採取をしていただくため、そばに立って「指導」します。

その際に大事なのは、たとえ防護具を着けていても、患者さんの正面には立たないことです。

クシャミの「しぶき」だけは絶対に浴びないようにするのが、発熱外来の基本中の基本なのです。

「オンキヨー」が経営破綻

音響(オーディオ)機器メーカーの「オンキヨー」が、経営破綻しました。

7年前に「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1246.html" target="_blank" title="オンキヨー&パイオニア株式会社">オンキヨー&パイオニア株式会社</a>」発足の件を書きましたが、あれからも色々あったようですね。

この会社の沿革(とくに今世紀の)や経営状況や資本関係はじつにめまぐるしく推移し、複雑です。

その概略を本稿に書くことはほぼ不可能(スペース的にも、私の能力的にも)、なので割愛します。

1970年代から80年代初頭、私の中学〜大学生時代前半はちょうど、オーディオ全盛期でした。

いまなら「AV機器」と言うところを、当時はビジュアルのないオーディオのみの、言うなれば「A機器」です。

それらの機器を、役割ごとに組み合わせる「システムコンポ」が大流行だったのです。

以前、その当時のことを<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-954.html" target="_blank" title="次のように書きました">次のように書きました</a>。

「私の場合、アンプは山水、チューナーはトリオ、カセットデッキはナカミチにしたかったけど結局アイワ。

 プレーヤーはテクニクス、オープンリールデッキはTEACとAKAIのものを購入。

 そして、音質を左右する音の出口として、私がこだわったのがスピーカー。選んだのはパイオニアでした。」

あれ、オンキヨーが出てきませんね。そう。私がオンキヨーファンになったのは、社会人になってからでした。

近年、リビングの主役はテレビです。音響機器はもはや、テレビの音を出す装置+αに成り下がっています。

そんな状況に納得できない私は、リビングは諦めて、書斎をオーディオルームにしました。

と書いてはみたものの、いま書斎でクラシックやジャズをじっくり聴くような機会は減りました。

CDに触れることがほぼなく、iPhoneかMacでストリーミング音源を、イヤホンかヘッドホンで聴いてる有様。

これじゃあオンキヨーの出番もなくなりますよね。

「4回目接種」のスケジュール公表

新型コロナワクチンの4回目接種のスケジュールを、熊本市が今日公表しました。

対象は、3回目接種から5カ月を経過した(1)60歳以上と、(2)基礎疾患のある18〜59歳です。

このうち60歳以上の対象者約21万人には、自動的に接種券が郵送されます。

18〜59歳の3回目接種済者には、「4回目接種を希望する方は申請してください」との案内が送られます。

基礎疾患のある方が自らの判断で申請すると、申請者にだけ接種券が送付されることになります。

この「申請方式」は、少々アバウトな面はありますが、リーズナブルでスマートな手法だと思います。

ワクチンの数が限られることから当院では、当院で3回目接種を行った方に限定して4回目接種を行う予定です。

ほぼ全員が基礎疾患を有する人なので、希望者は全員が接種を受けられます。

今日はその、ワクチン希望数調査の締切日でした。先日書いたように、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3870.html" target="_blank" title="モデルナ主体">モデルナ主体</a>で希望を出しました。

当院かかりつけの高齢者の方に最近「4回目接種を希望しますか、モデルナでも良いですか」と尋ねています。

それに対しては、「モデルナでも構わないので、是非お願いします」という反応が圧倒的多数です。

3回目や1,2回目すら未接種の若者が多い中で、新型コロナワクチンに限っては、高齢者は積極的です。

当院の希望通りのワクチンが配給されると良いのですが、過去の事例がひどいので、今回も油断はできません。

医療機関は無料検査所ではありません

くまもと県北病院が、保健所から委託された濃厚接触者のPCR検査について、医療費を誤って請求していた件。

検査料は徴収しなかったものの、初診料などの医療費を請求していたことが問題となっています。

つまりこの病院は本来、委託された「検査」のみを行い、それに伴う「診療」への請求はできなかったのです。

最近は減りましたが2月頃までは、濃厚接触者は原則として全員PCR検査を行うよう保健所は勧めていました。

当時は毎日のように、保健所からPCR検査をするよう言われた方が何人も、当院の発熱外来に来ていました。

ところがその中には少数ですが、会計の段になって「えっ、料金がかかるんですか?」と驚く方がいました。

おそらく保健所は、「PCR検査は無料で受けられますよ」と説明していたのでしょう。

たしかに当院で行うPCR検査は「行政検査」扱いなので無料ですが、初診料などは別途かかります。

しかし保健所の説明では、「完全無料」だと誤解してしまう可能性があったのです。

その反対に、一般の医療機関のように「診療」してしまったのが、今回のくまもと県北病院の誤りなのでした。

となるとポイントは、本件でのPCR検査の「委託料」がいくらだったのかという点ですね。

保険診療でPCR検査をした場合の診療報酬の総額と比べて、格段に低額だったのかもしれません。

病院には委託検査の制度解釈を誤った非があるとしても、低料金で買い叩かれていた背景はないのでしょうか。

それなりのリスクを負って検査を行うのですから、医療行為全体への報酬はキッチリ認められるべきです。