「マイナンバーカード保険証」の普及がなかなか進まず、政府もあの手この手を繰り出そうとしています。
ついには、「もう健康保険証は廃止するからね。知らんよ」と最後通牒をかまし始めました。
患者側の問題だけでなく、医療機関側の「オンライン資格確認」システムの導入が遅いことが実は問題です。
当院もまだ導入していないので、偉そうなことは言えません。
私は元々、先進システムにはすぐ飛びつくタイプなのですが、当院の電子カルテとの連携に問題がありました。
でもこれは最近解決したようで、そろそろ当院もシステム導入に乗り出そうかと、いま考え始めたところです。
現時点で、オンライン資格確認の運用を行っている医療機関は全体の19%、診療所に限れば13%です。
後藤厚労相は昨日、「令和5年3月末までに概ねすべての医療機関で導入することを目指す」と述べました。
そう簡単に言いますけど、導入にはいろんな問題があるのです。
まず、オンライン資格確認システムに必要な顔認証付きカードリーダーの設置には、数か月かかるようです。
おまけに初期費用が高くつき(補助金の上限を超える)ほか、ランニングコストがかなりかかります。
そこで医療機関へのインセンティブとして4月から、システムを導入した場合は診療報酬が加算されています。
しかしこの加算措置は、結果的に患者負担を増やすため批判が出ており、早くも見直しが検討されています。
新しい医療システムを始める時に、医療機関に設備投資の負担をさせるという発想がまず、ダメだったのです。