「魔が差す」と言うことがあります。
山口県阿武町の「4,630万円誤給付事件」で逮捕された24歳の若者の身に起きたのは、まさにコレでしょう。
本件は、最初から若者が仕組んだ計画的犯行ではありません。ある意味、そそのかされて起こした犯行です。
彼が犯罪を犯したことは間違いないとしても、他人に人生を狂わされた被害者でもあります。
若者の態度は、「お金はすでに動かした。もう戻せない」という以前の発言の頃よりは、変化しています。
いまでは、「少しずつでも返していきたい」と謝罪しています。
「目の前の大金を見て、魔が差しました」とまで言ってくれてもいいんですよ。その方が、納得できますから。
若者をそそのかした「加害者」である阿武町はしかし、若者に謝罪した様子は(私の知る限り)ありません。
いやたしかに、誤って振り込んだこと自体には、町は若者の自宅を訪れて謝罪し、返金を求めています。
しかし、犯行をそそのかしてしまったことについては、謝罪するどころか被害者面をしています。
若者は顔写真が晒されたのだから、ミスをした町役場の担当者の顔と名前も晒すべきだ、とは思いません。
ですが誤給付をしてしまったことは猛省し、何らかの形で、若者の更生を手助けしてほしいですね。