「5月31日は『世界禁煙デー』 禁煙外来で禁煙しましょう!」
そのようなタイトルの、某新聞社の広告企画の案内(広告依頼)が届いたのは、先月のことでした。
毎年この時期に行われる広告企画ですが、私が新聞広告を出したのはたぶん、禁煙外来を始めた頃だけです。
広告のおかげか受診者もそこそこ現れるようになり、以来、コンスタントに禁煙外来を続けてきました。
その「施設基準」を満たすために、呼気一酸化炭素濃度測定器を購入し、敷地内禁煙の掲示も出しました。
治療の主役は、ファイザー製の禁煙補助薬「チャンピックス」です。この内服を12週間ほど続ける治療です。
ところがその、禁煙外来必須アイテムである「チャンピックス」が、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3551.html" target="_blank" title="1年前に突然、出荷停止">1年前に突然、出荷停止</a>となりました。
特定ロットで発がん物質の一種「ニトロソアミン」が検出されたためで、いまなお全世界的に販売停止中です。
その後ファイザーも何かと忙しいのか、チャンピックスの製造・販売再開にはまだ、メドが立っていません。
現在、禁煙外来は完全に止まっています。受診希望者の受付をお断りし続けて、すでに1年たちました。
そんな折りに某新聞社は、「禁煙外来で禁煙しましょう!」という広告を打とうというのです。
担当者はチャンピックスの製造中止騒ぎを知らず、漫然と、年1回の企画を繰り返そうとしていたわけです。
私はすぐに担当者に電話して、日本のどこで禁煙外来やってるの。そんなアホなことするなと、忠告しました。
そしたら今日になって、件の広告は取りやめる旨の連絡が来ました。間に合ってよかったです。