「みなし陽性」は、判断基準がとても大事

熊本市の今日の新型コロナ新規感染者は217人。このうち臨床診断により届出された「疑似症患者数」は3人。

これは検査をせずに感染者と診断する、いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3783.html" target="_blank" title="みなし陽性">みなし陽性</a>」例です。だいたい毎日1〜2人程度ですね。

じつは私はまだ、みなし陽性判定は一度もしたことがありません。

もちろん、濃厚接触者でかつ、高熱などの症状がある方には、しばしば遭遇します。

でも、確認のため、やはりPCR検査をします。その結果が出るまでに、半日から長くて2日かかります。

もしも検査をせずにみなし陽性とすれば、その分早く、感染者(ただし疑似症患者)と認定できるはずです。

しかし考えてみると、その少しばかり早い「みなし判定」は、患者さんにとってメリットがあるのでしょうか。

濃厚接触者であればどっちみち、自宅待機が必要です。トータルの待機期間の短縮にはつながりません。

私がよく経験するのは、PCR検査の結果が出た頃にはもう、下熱してとても元気な「陽性者」がいることです。

このような方を「みなし陽性」で済ませていたら、「ホントに陽性だったんですかね」という疑念が生じます。

さらにもう一つ。みなし陽性の過剰診断ともいえる「みなし偽陽性」の問題も、考慮しなければなりません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3782.html" target="_blank" title="2月にも">2月にも</a>同じことを考えて自験例を集計したら、約半数が「みなし偽陽性」となり得るという結論でした。

その時は、「何らかの症状がある同居家族内濃厚接触者」をみなし陽性とする、やや甘い基準でした。

おそらく、発熱条件を盛り込むなど基準を厳しくすれば、偽陽性は減ると思われます。

いつか時間のあるときに集計して、「正しいみなし陽性を出すための条件」を探ってみましょう。

「竹島」問題が好転しそうな気がしません

韓国の調査船が、「竹島」周辺の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査を実施した問題。困った話です。

「事前同意のない調査の実施は受け入れられず、即時に中止すべき旨、強く抗議を行った」と松野官房長官。

一方で韓国政府は、調査の事実を認めた上で従来の主張を繰り返しました。つまり調査は中止しないわけです。

じゃあ、その事実を「受け入れられない」とする日本は、いったい今後どうするつもりなんですか。

結局は、受け入れるわけですよね、事実上。で、それが既成事実となり、竹島の実効支配が続くわけです。

私はそんなに極端な右寄りの人間じゃないけど、こういう「やられっぱなし」って、どうなんですかね。

韓国から見れば、そもそも竹島の領有権を主張しているわけだから、その周辺で何をしようが勝手です。

北方領土もしかり。やがて尖閣諸島もやられますね。まあ、しょうがない。日本人は争い事が嫌いなんです。

何をされても「遺憾である」と冷静に反応し、「厳重に抗議」し、その結果、ただ「注視していく」のです。

問題は、日本人のそのような性質が、近隣諸国にもよく知られているということです。だから軽んじられる。

戦争は絶対ダメですから、せめて相手をガツンと叩けるだけの経済力を、日本は挽回しなければなりませんね。

「カムチャツカ半島」

「カムチャツカ半島」の火山で起きた大規模噴火では、日本への津波の影響はなかったようです。

そのニュースを聞きながら私はしかし、「カムチャツカ」という発音(と表記)が気になってなりません。

ずっと「カムチャッカ(着火)」と思ってましたが、いつから「カムチャツカ(茶塚)」になったのでしょう。

戦前の日本語では、促音(小さい「ッ」)で書くべきところを、大きな「ツ」で書いていました。

たとえば、「行って」と書かずに「行つて」と書いて「イッテ」と読むような具合です。

戦後になってその表記が正された際に、本来は促音ではないのに促音になってしまった言葉があります。

それが「カムチャッカ」であり「ウオッカ」なのだと、色んなところに書いてあります。

そこで、ロシア語の原音に近い表記に修正したのが、「カムチャツカ」や「ウオツカ」なんですね。

そんなことも知りませんでしたが、しかし、日本語としては発音しにくいですね。促音の方が言い易い。

最近になって、「ウオッカ」の方が定着しているという理由で、表記・発音が「ウオッカ」に戻されました。

じゃあ「カムチャツカ」の方はどうなの。文化庁はぜひ、アンケートをとってほしいですね。

あ、でも地名については、現地の発音に近い表記に変える動きがありますよね。「キーウ」みたいに。

日本語として定着しているかどうかよりも、原音を優先するのでしょう。で「カムチャツカ」ですか。

でも、ロシア人の動画見たら「カムチャー(トゥ)カ」ですね。促音じゃないけど「カムチャツカ」でもない。

わが家にも「銃」を導入

児童19人を含む21人が銃撃されて死亡する事件が、米国テキサス州の小学校で起きました。

米国人の世論は、以前から同じですが、2つです。

「銃規制を強化し、子どもたちを守るべきだ」か、「アメリカ人には銃を持つ権利がある。銃規制は無意味」。

テキサス州で開かれた「全米ライフル協会」の年次総会での、トランプ前大統領の発言は後者でした。

「訓練を受けた教師に銃の携帯を許可するときが来た」

規則によって抑止するか、武力によって抑止するか。さまざまな局面で議論される、永遠のテーマです。

日本人は、法律と警察によって命を守られていると信じているので、個人が武装する必要性を感じません。

一方米国では、国民が銃器で自分を守る文化があり、それゆえ安易に使用してしまうリスクも出てきます。

簡単に手に入る武器があれば、つい使ってしまうヤカラが現れます。それが米国の現状なのでしょう。

さて、まったく別の銃器の話で恐縮ですが、本日「マッサージガン」なるものを買いました。

家人に背中や腰を「打撃」してもらいましたが、効果があるのか気持ちよいだけなのか、まだわかりません。

難点は、皮膚が痒くなることです。私は耐えられますが、ガンを持つ家人が、手を痒がってねを上げます。

税金のクレジットカード納付あれこれ

今月末に納付期限を迎える税金が、いろいろあります。今日はまとめて納付しました。

「法人税」と「地方法人税」と「消費税」は、「国税クレジットカードお支払サイト」から納付しました。

とても簡単です。

「法人県民税」と「法人市民税」は、納付書を使わなければ振り込めません。これは遅れてますね〜。

「固定資産税」は、熊本市の方は「熊本市納付サイト」から、1期から4期分まで全部、カード払いしました。

残念ながら菊陽町の分は、カード払いに対応してません。金融機関で振り込みました。菊陽町、遅れてます。

「自動車税」は、昨年までは熊本県のサイトから「Yahoo!公金支払い」を使ってカード納付していました。

それが今年度からは、スマホ決済アプリ「モバイルレジ」を使えと、いうことになっています。

さっそくiPhoneにインストールして、バーコードを読み取らせようとしたら、ピントが合いません。

県のサイトにも、最上段の「重要なお知らせ」のところに、

「主にiPhone 12 Pro MAX及びiPhone 13 Pro MAX上でバーコードが読み取りづらいというお問い合わせをいただいております」

と書いてある。私のはiPhone 13 Proであって「MAX」ではないのですが、たぶん該当するようです。

おそらく、このアプリがまだ、新しいカメラの仕様に適合していないのでしょう。

このような場合は、ブラウザ版「モバイルレジ」を使え、とあります。

ブラウザ版を使うのであれば、iPhoneではなく、カード番号等の入力が容易なMacを使うことにしました。

バーコードをiPhoneで撮影してエアドロ(AirDrop)でMacに飛ばす手間はかかりましたが、無事完了。

税金のクレジットカード納付は進んでいますが、サイトやアプリの統一がとれていませんね。今後の課題です。

運動不足の人、集まれ!

新型コロナワクチンの4回目接種が昨日から始まり、その様子が報じられています。

一番乗りで4回目が接種できるのはほぼ、12月までに3回目を済ませた「60歳以上の医療従事者」です。

私は来月中旬に接種を受ける予定です。接種が本格化するのは、概ね7月以降でしょう。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3874.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、4回目の接種対象はかなり限られています。3回目接種から5カ月以上経過した人のうち、

(1)60歳以上

(2)18〜59歳で、(A)基礎疾患を有するか、(B)新型コロナの重症化リスクが高いと医師が認める者

感染時の重症化予防がワクチン接種の主な目的なので、重症化しやすい者が対象になっているわけです。

ワクチンが足りないからなのか、今回の接種対象は少し厳しく規定されています。

厚労省のQ&Aによると(分かりやすくするために一部改変)、

問①:余剰ワクチンが発⽣した際でも、基礎疾患のない60歳未満の⼈に接種してはならないのか。

答①:接種を⾏わないでください。

問②:余剰ワクチンに限って、4回⽬接種対象外の者に接種した場合は、公費負担の対象となるか?

答②:公費負担の対象となりません。

問③:4回⽬接種の対象者外である者に,本⼈が接種を強く希望し、接種した場合,間違い接種になるか。

答③:間違い接種の扱いとなります。

取り付く島もない杓子定規な回答です。ずいぶん前の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-19.html" target="_blank" title="新型インフルエンザワクチンの時">新型インフルエンザワクチンの時</a>を思い出します。

ただ「医師が重症化リスクの⾼いものと認めた者」という対象規定があり、医師の裁量が認められています。

厚労省のQ&A(下記)をみると、なかなか「応用範囲」が広いようで、助かります。

問:「重症化リスクが高いと医師が認める者」として想定しているのは、どういった方か。

答:(前略)身体不活動(いわゆる運動不足)といった生活習慣がある方も重症化しやすいとされています。

「健康保険証原則廃止へ」と言うけれど

「マイナンバーカード保険証」の普及がなかなか進まず、政府もあの手この手を繰り出そうとしています。

ついには、「もう健康保険証は廃止するからね。知らんよ」と最後通牒をかまし始めました。

患者側の問題だけでなく、医療機関側の「オンライン資格確認」システムの導入が遅いことが実は問題です。

当院もまだ導入していないので、偉そうなことは言えません。

私は元々、先進システムにはすぐ飛びつくタイプなのですが、当院の電子カルテとの連携に問題がありました。

でもこれは最近解決したようで、そろそろ当院もシステム導入に乗り出そうかと、いま考え始めたところです。

現時点で、オンライン資格確認の運用を行っている医療機関は全体の19%、診療所に限れば13%です。

後藤厚労相は昨日、「令和5年3月末までに概ねすべての医療機関で導入することを目指す」と述べました。

そう簡単に言いますけど、導入にはいろんな問題があるのです。

まず、オンライン資格確認システムに必要な顔認証付きカードリーダーの設置には、数か月かかるようです。

おまけに初期費用が高くつき(補助金の上限を超える)ほか、ランニングコストがかなりかかります。

そこで医療機関へのインセンティブとして4月から、システムを導入した場合は診療報酬が加算されています。

しかしこの加算措置は、結果的に患者負担を増やすため批判が出ており、早くも見直しが検討されています。

新しい医療システムを始める時に、医療機関に設備投資の負担をさせるという発想がまず、ダメだったのです。

いよいよ明日から、4回目接種

「新型コロナワクチンの4回目の接種が25日から始まります」と報じられてますが、慌てる必要はありません。

すぐに4回目接種をしたい人に、「お待たせしました。始まりますよ」と伝えているだけの話ですから。

3回目接種から5カ月経った、60歳以上か基礎疾患のある18歳以上の方が対象です。若い人にはほぼ無縁の話。

その若い人の中には、「何度も接種したくないから、2回目で止(と)めてます」と言う人すらいます。

当院のかかりつけの対象者の中にも、4回目を希望する人とそうでない人とで、かなり「温度差」があります。

4回目を打ったら、次は5回目、6回目と、ずっと打たなきゃならなくなるんでしょう?、と問う方がいます。

ちょうど「高血圧の薬って、飲み始めたら一生飲むことになるんでしょう?」と尋ねたい気持ちと似ています。

その答は私にはわかりませんが、とりあえず今回はどうします?と訊くと、やっぱり打ちます、となります。

市から割り当てられたワクチンは、前にも書いたように、ファイザー42人分、モデルナ210人分です。

ほとんどの方にモデルナを打つことになりますが、一部の方はかたくなに、ファイザーを希望されます。

そこらへんの配分は、なんとかしましょう。不安なままで接種しても良くないですから。

一方で小児用のファイザーは、かなり大量のワクチンを確保できましたが、いかんせん接種希望者がいません。

こんなことでは小児用ワクチンの大量廃棄が起きそうですが、なぜか小児用は有効期限が長いのです。

そんなこんなで、発熱外来とワクチン接種を並行して進める日々が続きます。いい加減に終わって欲しい。

二度手間な発生届もやむなし

熊本県の新規感染者数は248人。連休中の検査数が不規則な時期を除くと、2カ月ぶりの低水準でした。

検査体制が通常通りに戻ったいま、感染者の発表数が最も少ないのが月曜で、最も多いのが火曜です。

前にも書いたように、土日には検査が減り、そのしわ寄せが月曜に来て、さらに報告が1日遅れになるのです。

当院の発熱外来では、発熱患者専用ダイヤル等から紹介を受けた方の受診が最も多いのは、日曜日です。

検査結果は月曜の午後以降に判明し、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3860.html" target="_blank" title="陽性者の発生届">陽性者の発生届</a>を出すのは月曜の夕方から夜になります。その流れは、

(1)検査センターからの結果報告(FAXと電話)

(2)受診者への電話連絡

(3)発生届等のFAX送信

(4)保健所への電話連絡

この一連の作業は、診療の合間に(診療を一時中断しながら)なる早で行わなければなりません。

迅速な届出のためには手間のかかるHER-SYS入力などできず、FAXしていることは前にも書いた通りです。

しかし私がFAXで出した発生届けは結局、保健所の方がHER-SYSに代行入力することになります。

早く届け出るために私がしていることが、保健所の仕事を増やすという、申し訳ないことになっているのです。

ついに保健所は、FAX送信した発生届は、あとでHER-SYSでも入力するようにと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3872.html" target="_blank" title="要請してきました">要請してきました</a>。

(5)HER-SYS入力

二度手間感は拭えませんが、これもお務めと考えて、今では休診日にまとめて入力するようにしています。

「サル痘」って、ネーミング的にも罹りたくない

欧米で「サル痘」患者の確認が相次いでいます。昨日時点で世界で80人程度ですが、おそらく増えています。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-850.html" target="_blank" title="天然痘">天然痘</a>」に似た症状だそうですが、そもそも天然痘をよく知らないので、ネットで調べることになります。

その類縁疾患の「水痘」とは、発疹の大きさや数や分布や、なによりも「見かけ」がずいぶん異なりますね。

水痘の発疹を見ても「豆」は連想しませんが、天然痘の発疹(の写真)はとても豆っぽく、艶があります。

調べてみると天然痘の発疹は、多数の発疹がほぼ一斉に、次のような経過をとるようです。

(1)丘疹:プクッとしたニキビのような盛り上がり

(2)疱疹:ニキビが水っぽく膨らんでくる

(3)膿疱:さらに大きく丸々と、強そうな、豆のようなデキモノになる

(4)痂皮:茶色く枯れる

水痘の場合は、(1)と(2)が混在し、あまり大きくならず(3)にもならず、順次(4)へ向かいます。

天然痘の発疹の分布は、顔にとても多く、四肢にも多くできて、躯幹(胴体)にはやや少ないのが特徴です。

一方で水痘は、躯幹がメインで顔や頭にも出来ますが、四肢にはそれほどできません。

サル痘の発疹は、水痘よりは天然痘にソックリで、もしも発症したら重症感が漂うイヤな印象でしょうね。

幸い「天然痘ワクチン」が有効らしいので、かつて「種痘」を受けた昭和50年生まれまでの方は、安心です。