「数学者は宇宙をつなげるか? abc予想証明をめぐる数奇な物語」
今夜のNHKスペシャルがまた、私の数学熱を少しだけ、呼び覚ましてくれました。
高校1年の時までは、数学者になることを夢見ていましたが、高3までに諦めて良かったと思っています。
努力して叶うものではないし、いくら運が良くてもダメです。つまり天才が必要なのです。
しかし今思えば、数字に対する偏執的な趣向は、小学時代からありました。
学校が休みの日は、外に出て遊ぶことなどほとんどなく、いつも自宅で「計算」をしていました。
たとえば、1、2,4,8,16と、2の累乗を筆算して、いつもより丁寧な字で、ノートに書き続けていました。
その数値の桁数がドンドン増えていくことに、一種の快感を覚えたのでした。
中学時代にはこれが、素数に置き換わります。数学好きなら誰でも通る道かもしれません。
フィールズ賞を受賞した、郷土出身の広中平祐氏が話題になったのもこの頃で、私の数学熱は最高潮でした。
ちなみに広中先生の講演を、20年ぐらい前に、その会場の最前列で聴いたことがあります。
内容はすばらしかったのですが、極端に話し下手で、ひっかかりもっかかりの特異点だらけでした。
そして最も印象的だったのは、演壇横に置いたカバンの角度を、講演中に何度も修正される先生の姿でした。
高1の担任は、外見がピグモンにそっくりな、若い数学の先生でした。
先生は私に「数学序説」という本を紹介してくれました。すぐに買いました。読みふけりました。
するとかえって、私の熱は冷めていきました。純粋な数学の世界に入り込めそうな気がしなくなったのです。
結局、医学部に入りましたが、数学の道に進んでいたらどうなってただろうと、今でもときどき思います。
なので今夜のような番組を見て、横好きな数学への興味が続いていることを再認識するのです。