新型コロナワクチンの間違い接種事例

新型コロナワクチンの接種が進められているなかで、「間違い接種」も起きているようです。

熊本市が今日、注意喚起の一環として「間違い接種事例集」を医療機関に送って来たので、ご紹介します。

(1)接種間隔の間違い

2回目の接種から6カ月を経過しないうちに3回目接種をした事例は、たぶんかなり多いと思われます。

対象者の利便性のため、まだ6カ月たっていないうちに3回目用の接種券が届くので、誤解されるのでしょう。

接種当日というよりも、予約段階で気付かないのでしょうか。そこがいちばん大事なポイントですけどね。

(2)接種器具の扱いが適切でなかった

接種時に針とシリンジが外れて薬液が漏れるアクシデントは、すべての注射作業に起こり得ることです。

某大学病院で、私自身がまぶたに注射された時、針が外れて液が散り、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-350.html" target="_blank" title="ひどい目に遭った思い出">ひどい目に遭った思い出</a>があります。

注射を行う医師(または看護師)には、注射の直前に、針をシリンジに押し込む癖が必要です。

(3)期限切れワクチンを接種した

ワクチンの製造から9カ月の「有効期限」のほかに、解凍からの日数で決まる「保管期限」があります。

保管期限はファイザーが解凍から31日間、モデルナは30日、小児用ファイザーは10週間と、微妙にバラバラ。

さらに、室温に戻したりシリンジに吸引した後の使用期限にも細かい規定があり、じつに面倒なワクチンです。

(4)2回目の接種の方に、3回目として接種した

モデルナの3回目は半量だけ接種するので、2回目のモデルナも同時に扱っていると、間違いの元です。

当院では、1回目も2回目も3回目も行っていますが、間違いを防ぐため、モデルナは3回目だけにしています。

誰かがウッカリしても、確認が不十分であっても、原理的に間違えないような仕組み作りが、何より重要です。