ウクライナのゼレンスキー大統領が、日本でオンライン演説をしました。Tシャツ姿ではありませんでした。
この人は各国で、その国の国民感情を意識した内容の演説を行ってきています。なかなか巧みです。
「真珠湾を思い出してください。(略)9月11日を思い出してください。(略)私たちの領土は毎日これを経験しているのです」
米連邦議会に対してそう語りました。「真珠湾」と「9.11」が同列に米国人ウケするのかと愕然としました。
「ロシアは核物質の処理場を戦場に変えました。戦争のあとこの処理にどれほどの時間がかかるか想像してみてください」
日本に対しは、フクシマの事故以来、実は日本人がとても苦しんでいるところに、きわどく踏み込んで来ます。
「ロシアがサリンなどの化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けています」
敢えて「サリン」を盛り込んできます。ロシアの極悪非道ぶりを日本人に訴えるには、効果的な言葉でしょう。
演説を批判しているわけではななく、ただ、上手いなあと思うのです。もちろん応援・支持しています。
大統領がすごいのか有能なスピーチライターがいるのか、「言論」で「武力」に立ち向かう姿が鮮明です。
ドラマの「大統領役」俳優から本物の大統領に転身するという、まるで冗談のような経歴ですからね。
いまなお彼は、大統領を演じているのかもしれません。もちろん、良い意味で、です。誤解の無きように。