HPVワクチンの「積極的勧奨接種」、まもなく再開します

HPVワクチンは来月から、これまで差し控えられてきた「積極的勧奨接種」が再開します。

厚労省は、そのように決定するに至った議論を3つ、提示しています。

(1)HPVワクチンの安全性についての特段の懸念は認められない

(2)HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援を続けていく

(3)HPVワクチンに関する情報提供が広がった結果、国民の理解が進み、接種者数が増えてきている

まず、とくに新たなエビデンスが出たわけでもないのに、いまさらのように(1)を言い出すのは不誠実です。

さらに(2)は(1)と矛盾します。単に、いかにも国民に寄り添ってます感を出すための誤魔化しです。

挙げ句の果ては(3)のように、国民がこれまでワクチンの安全性を理解していなかったかの様に言う始末。

国は、その判断の誤りと、それによる国民の不利益については何一つ触れずに、やり過ごそうとしています。

毎年1万人以上が罹患し、3千人近くが死亡する「感染症」を、国が予防しない道を選んだ事実は消えません。

感染症から国民を守ることよりも、予防接種という「施策」による健康被害を防ぐことを優先させたのです。

これが愚策であることは、ほかならぬ厚生官僚がいちばんわかっていたのですが、ずっと動けませんでした。

これまでの経緯はどうであれ、積極的勧奨接種を再開するのであれば、私はもう何も申しません(たぶん)。

接種機会を失ってしまった方への「キャッチアップ接種」も、十分にやっていただけるのでしょう。

さらにその方が将来子宮頸がんを発症してしまった場合はもちろん、十分な対応をとっていただけますよね。