接種券が来る前に接種する「裏技」は、オススメしません

「新型コロナワクチンは、接種券が届かなくても2回目の接種から6カ月を経過していれば、3回目接種は可能」

接種がなかなか進まないことに業を煮やした、たとえば河野前担当相の発言が取り上げられたりします。

当院でも事情によっては、接種券が届く前の方に接種を行ったことはあります。

しかし最近、このある種の「裏技」がメディアで広く報じられるようになり、面倒なことになっています。

「接種券まだだけど、早めに接種できませんかね」

そのような問い合わせ電話は多くはないですが、日頃の診療の合間にはしばしば尋ねられる質問です。

少しでも早く接種したいと願っている方には、私だって一刻も早く接種して差し上げたい。これは本当です。

ですが、接種券が1,2回目の接種順に発送されていることをふまえ、次のようにお答えすることにしています。

「接種間隔を考慮しますと、接種券が届いた順番に接種するのが適切で公平かと、当院では考えております」

当院のような医療機関が、3回目接種をどんどん進められないのは、第一にワクチンが足りないからです。

今月受け取った本数はすでに当院の配給上限量を超えており、来月の配給予定分から前借りしている状態です。

その来月の分は4月分から前借りできることも、今日、保健所の方に尋ねて了承済です。

そのようにワクチンが足りないのは、ひとつは、モデルナ不人気のせいです。モデルナは大余りなのですから。

「モデルナの方が強い免疫が付きますよ」ぐらいの宣伝では、慎重な日本人はなびかないのです。