新型コロナのPCR検査や抗原検査を行うための「検査キット」の不足が問題となっています。
医療機関以外の、家庭や事業者等での検査数が増えたことも、その原因のひとつでしょう。
しかしこれは医療機関の負担を減らすための「予備検査」的な位置づけとして、推奨されている面もあります。
「市販の抗原検査で陽性だった」とか「無料PCR検査で陽性だった」と来院する方は、たしかに増えています。
「市販の抗原検査では陰性だったけど」とか「無料PCR検査では陰性だったけど」と言って来る方さえいます。
家庭や事業所レベルで一種の「トリアージ」が行われているわけで、使い方によってはとても有益です。
しかしここまで感染が拡大することを業界も想定していなかったのか、検査キットが足りなくなりました。
地域によっては、発熱外来での検査を抑制、あるいは休止せざるを得ない一大事になっているようです。
当院では、抗原検査キットの在庫にはまだ余裕がありますが、来週以降どうなるかはわかりません。心配です。
さらに今日、検査センターから、PCR検査用の唾液検体採取容器が足りないという連絡を受けました。
医療用の特殊な試薬やキットではなく、単なる容器の不足なのに、PCR検査ができなくなりかねない事態です。
交渉の末、来週までの想定検査数をカバーできる程度の容器は入手できましたが、先行きはまったく不透明。
検査関連消耗品を増産するだけでよいのか、あるいは検査の流れを変えるべきなのか、抜本的対策が急務です。