接種機会を逃した9学年+2学年を、幅広く救済する方向

厚労省の「ワクチン分科会」で今日、HPVワクチンの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3731.html" target="_blank" title="キャッチアップ接種">キャッチアップ接種</a>」の詳細が示されました。

基本的な考え方は、「接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する」ことだとしています。

その結果、積極的勧奨接種の差し控え9年間に「高1」であった者が、キャッチアップ対象となりました。

差し控えによって、定期接種対象の最終学年における接種機会を逸したのが、この9学年だというわけです。

具体的には、1997年度(平成9年度)~2005年度(平成17年度)生まれの女性です。

キャッチアップ接種が集中しないようにするため、その期間は3年程度が妥当とされました。

この話を聞いて思ったのは、現在「中3」の子は来年1年間しか接種の機会がないのか、という不公平感です。

キャッチアップ接種には3年の機会を与えられるのに、ギリギリ間に合った子は1年のみとは、いかがなものか。

と思っていましたが、分科会の資料をよく見ると、「順次キャッチアップ接種」なんて案が出ていますね。

現在中3の子は、来年度の定期接種期間のみならず、その後2年間のキャッチアップ機会が与えられそうです。

いま中2の子も同様に、来年から2年間の定期接種期間に加えて、その後1年間はキャッチアップ接種が可能と。

さすがによく考えてますね。こういう細かい「辻褄合わせ」は、官僚の得意分野ですからね。

ところで、差し控え期間中に対象学年を過ぎ、しかし接種の先延ばしを嫌って自費で接種を受けた方がいます。

そのような方には、後に「償還払い」を受けられるかもしれませんよ、と当院では説明してきました。

分科会資料にはしかし、そのような自費接種者への救済措置が見当たりませんでした。どうなるんでしょうね。