追加接種の前倒し案は、なかなか絶妙

新型コロナワクチンの追加接種(3回目の接種)の前倒し方針が、具体的に決まりそうです。

2回目からの間隔を、医療従事者等は6カ月、一般の高齢者は7カ月に短縮する方向とのこと。

なるほど。思いのほか現実的な修正策を打ち出してきましたね。絶妙と言ってもいいでしょう。

この前倒しに伴って必要となるワクチンは、現在確保している分で対応が可能だといいます。

つまり裏を返せば、これ以上に前倒し対象を拡大するのは不可能。ワクチンが足りなくなるということです。

岸田首相が今日、ファイザーのCEOと電話会談し、ワクチン供給の前倒しを要請したと報じられました。

ワクチンが足りないから前倒しがなかなか進まないことは、もう隠さずに公言する方針に転換したようです。

これで、前倒しはしたいが無い袖は振れないと、堂々と言い訳することができるようになりましたね。

しかし厚労省はこれまで、ある程度の前倒しが可能なワクチン在庫があるのに原則8カ月を譲りませんでした。

いったん決めた方針を変えるのは、見通しを誤ったことを認めることになるからでしょうか。

お役人は、施策の一貫性を重視します。五月雨式にできるとこからやるような、臨機応変さに欠けています。

いったん決定した優先順位は、医療機関には絶対に厳守させ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-19.html" target="_blank" title="ワクチンが余ったなら捨てさせる">ワクチンが余ったなら捨てさせる</a>ほどですから。

さて、ファイザーは、他国への配分を減らしてでも日本向けのワクチン供給を増やしてくれるでしょうか。

世界でも奇跡的に感染者が少ない日本が貴重なワクチンを要求することに、はたして大義はあるのでしょうか。

日本は自国でのワクチン開発を怠ってきたのに、苦しいときだけは他国頼みというのも、いかがなものか。