コロナが不隠な動きを見せる中で、人々が大移動してますが

予測不可能な展開を見せるコロナ禍は、発生からほぼ2年を経過し、いまなお先行きは不透明です。

当初は2021年中には収束するだろうと思っていましたが、繰り返す流行の波は訪れるたびに高くなります。

欧米では今まさに、過去最多の感染者数を出す最大の波に飲み込まれています。

一方で日本は奇跡とも思えるほどの平穏な状況でしたが、しかしこのところ不隠な動きを見せています。

医療機関によってそれぞれ状況は異なりますが、いろんな意味でみなコロナ禍では苦労しています。

医療従事者自ら感染のリスクに晒されながら、その使命感をまっとうしている方々には、頭が下がります。

当院などはただ、発熱外来でトリアージを行っているだけですが、恐怖を感じていた頃もありました。

飲食業や旅行業などとはまた別の意味で、医療機関でも一般患者の外来受診が減りました。「受診抑制」です。

しかし厚労省からの補助金のおかげで、発熱外来をやっている当院などはまだ救われた方です。

大きな補助金案件は昨年から数件あり、申請資格のあるものには全て応募しました。

そのほとんどが、Windows版のExcelベースの申請書で、Macユーザーの私にはかなり苦痛で苦労しました。

締切はせかすのに交付決定が遅く、令和2年度の補助金のひとつは、まだ最終的な精算が終わっていません。

そんな中で例外的なのは、今年10月から12月の経費に対する補助金でした。

「医療機関等の事務の簡素化の観点から、領収書等の添付を省略し、電子申請を原則とする」とは嬉しい。

厚労省のサイトの申請フォームに、医療機関情報と経費の内容・金額を入力するだけですべて完了です。

領収証は自分で保存しといてね、という優しい態度には打たれます。困っている人のための補助金ですからね。

このように補助金申請は簡便かつ「性善説」を基本とすべきです。もちろん不正受給は厳しく罰してください。

年末Mac大掃除(初期化)、ただし1台のみ

昨日突然、受付の電子カルテの端末が1台、起動しなくなりました。だいぶ古いiMac(Late2013)です。

年末最終診療日の終業後に、あらためてレセプト作業のために再起動しようとしたら立ち上がりません。

起動画面の「じのじの」が、何分間もずっと回り続けています。

そこで昨日は、いつもやるように次のような手順で修復を試みたのですが、うまくいきませんでした。

(1)再起動:電源ボタンを長押しして強制的に電源OFFした後、通常通りに起動してみる(失敗)

(2)システム管理コントローラ(SMC)リセット:電源コードを15秒以上抜いてから起動(失敗)

(3)PRAMクリア:「command + option + P + R」の同時押しで起動(失敗)

(4)セーフモードで起動:「shift」押しながら起動(失敗)

休診日の今日は、お墓参りの後で出勤。昨日と同じ(1)から(4)を再び試してみましたが、やはりダメ。

こうなったら、Mac内のデータを取り出し、Macを初期化してOS等を再インストールすることになります。

起動しないMacのHDDを、他のMacの「外付けHDD」として認識する手段があります。

(5)ターゲットディスクモード:「T」を押しながら起動。他のMacとThunderboltケーブルで接続(成功)

うまく認識できたので、このMac内にだけ存在していたレセプト関係のファイル等を、無事取り出せました。

このあとやることは、通常通りの退屈な作業ですが、もう解決までは時間の問題です。

(6)リカバリーモード:「command + R」の同時押しで起動(OK)

(7)ディスク修復(これは失敗)、ディスク初期化(瞬時に終了)

(8)OS再インストールと、その他の諸設定、各種アプリのインストール、データリカバリー(時間食った)

こんな感じで図らずも、年末にMacを1台「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2261.html" target="_blank" title="大掃除">大掃除</a>」することになりました。

以前は、すべての所有Macを<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-158.html" target="_blank" title="定期的に初期化">定期的に初期化</a>してたんですけどね。最近は根気が無くて、あまりやってません。

新型コロナ治療薬「モルヌピラビル」承認

メルクが開発した新型コロナの内服薬「モルヌピラビル」の国内での使用が承認され、出荷が始まっています。

日本での商品名は「ラゲブリオ」。赤いカプセルです。1回4カプセルを1日2回、5日間内服します。

安定的な入手が可能になるまで一般流通は行われず、厚労省が所有し、要請に応じて配給されるとのこと。

医師が処方し、薬局から患者宅に薬が配送される仕組みだそうですが、その詳細がどうもよくわかりません。

そう思っていたら昨夜遅くに、熊本県健康危機管理課から、次のような趣旨のメールが届きました。

「診療・検査医療機関はモルヌピラビルを在庫としてストックできるようにリスト化させていただきました」

日本語的には少し読みにくいメールでしたが、「モルヌピラビル登録ホームページ」へのリンクがありました。

クリックするとMSDの「ラゲブリオ登録センター」に飛び、さまざまな「同意文書」への同意を迫られます。

「次へ」のボタンと「閉じる」のボタンの位置関係が紛らわしく、たびたび閉じてしまい、やり直しです。

次いで、施設情報と、代表医師の情報と、薬剤師(いなければ医師)の情報と、問い合わせ先を入力します。

それらは全部同じ内容なのに、「上記と同じ方でもご入力が必要」とあるので、4回入力を繰り返します。

パスワードと秘密の質問とその答も設定し、ようやく登録完了となりました。

さて、登録したけどどう使うのってことで、今朝、熊本県健康危機管理課に電話して尋ねてみました。

どうやらまだ詳細は決まってないようです。そうですか、こちらも別に急ぎませんけど。なら電話するな?

年明けには、「ラゲブリオ取扱い指針」みたいなのが出ることを期待しています。

PCR陽性なら薬局から発送、抗原陽性ならその場で手渡し、ていうのが私の望むイメージですけどね。

追加接種の時期は、すべて自治体に任せてはどうよ

新型コロナワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3729.html" target="_blank" title="「追加接種(3回目の接種)」">「追加接種(3回目の接種)」</a>の方針がまた、変わりそうです。

後藤厚労相は今日、一般の高齢者が1月中に接種しても「差し支えない」と述べました。

これまでは、追加接種が可能な時期は次のように<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3727.html" target="_blank" title="「前倒し」">「前倒し」</a>されていました。

(1)医療従事者や高齢者施設の入所者は、2回目の接種から6カ月後以降

(2)一般の高齢者は、2回目の接種から7カ月後以降で2月1日以降

しかし、2回目を6月に接種した高齢者には、7カ月後の1月中の追加接種を期待する声も少なくありません。

そのような方に私はこれまで、「早くても2月ですね、1月の接種はできないルールです」と説明してきました。

ところが、規制がどんどん緩和されるものだから、結果的に私の説明は間違いになってしまいました。

可能な限り前倒しをする施策の柔軟性は支持しますが、朝令暮改が続きすぎて、現場での混乱を招いています。

自治体による準備状態にも差があるでしょうから、もう規制を撤廃して、全て自治体に任せてはどうでしょう。

追加接種用のファイザーのワクチンの2〜3月の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3732.html" target="_blank" title="配給予定数">配給予定数</a>は、当院が申請した本数には届きませんでした。

しかし、足りない分は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3735.html" target="_blank" title="モデルナ">モデルナ</a>で補うことができました。現時点ではまだ、モデルナは余っているようです。

2月の接種分を1月に前倒しするために、自治体はワクチンの配給計画を抜本的に見直さなければなりません。

年末年始の間に各医療機関の希望を再調査して、集計して、配給上限を決め直すのって、かなり厳しいですね。

国が接種に前向きになのは嬉しいですが、決断がワンテンポ、遅いのです。

「アルコール消毒」だけでは感染性胃腸炎は防げません

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3709.htm" target="_blank" title="「感染性胃腸炎」">「感染性胃腸炎」</a>が多いですね。このことは1カ月前にも書きましたが、それからずっと、一貫して多いです。

熊本市の「感染症発生動向週報」では、感染性胃腸炎が断トツで、RSウイルス感染症も増加気味。

先月と同様に、ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、ほぼゼロ状態。いま多いのはノロウイルスのようです。

(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1331.html" target="_blank" title="野呂さん">野呂さん</a>には申し訳ないですが、お役所にならって、私も略称の「ノロ」を使わせていただきます)

ノロに限らずロタもアデノも、胃腸炎ウイルスの多くは「ノンエンベロープウイルス」です。

これは、ウイルスの本体である核酸を包む殻が、脂質の膜「エンベロープ」に包まれていないウイルスです。

コロナウイルスのような「エンベロープウイルス」はアルコールで失活するので、アルコール消毒が有効です。

一方で「ノンエンベロープウイルス」は、アルコールに強いのが特徴であり問題です。

いま、どのご家庭にもアルコール消毒薬が完備されているでしょうけど、感染性胃腸炎には役に立ちません。

手指消毒は速乾性のアルコール消毒薬が便利なので、つい手洗いを怠りますが、それが問題なのです。

昨日も今日も一昨日も、感染性胃腸炎で「全滅」したご家族が、何組か受診されました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-424.html" target="_blank" title="手軽なアルコール消毒を過信">手軽なアルコール消毒を過信</a>して、胃腸炎ウイルスが家庭内にまん延することになったのかもしれません。

このことについては、役所やメディアや、もちろん医療者が、市民に正しい知識を広めなければなりません。

とは言え、この時期に感染性胃腸炎が多いのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1530.html" target="_blank" title="例年並">例年並</a>です。熊本市の資料では<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1897.html" target="_blank" title="2016年">2016年</a>とほぼ同じです。

なので、「アルコール消毒過信説」は、もっともらしいけど違うかもしれません。

考えてみたら、ロタウイルスによる感染性胃腸炎がまったく発生していないことにも、説明がつきませんしね。

でも私は、胃腸炎診療の後は、アルコール消毒→石けん・流水で手洗い、の2段構えです。面倒です。

新1万円札の人のことが、多少わかりました

NHK大河ドラマ『青天を衝け』が終わりました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3519.html" target="_blank" title="そこそこの面白さ">そこそこの面白さ</a>から始まったと思ったら、途中から目が離せない展開となりました。よいドラマでした。

主人公・渋沢栄一の末裔である尾高忠明氏の指揮によるテーマ曲も、私はわりと気に入ってました。

そして尾高氏といえば、かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1734.html" target="_blank" title="「N響アワー」">「N響アワー」</a>で放送事故を起こすほどの名演奏を見せたことを思い出します。

大河ドラマの面白さは、史実とは矛盾しない範囲で、どれほど独自の物語を構築できるかで決まります。

と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1651.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、描く時代が現代に近ければ近いほど、脚色の自由度が下がります。

なので、一気に時代がさかのぼる、次の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、驚くような展開になる予感がします。

おまけに<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1559.html" target="_blank" title="三谷幸喜">三谷幸喜</a>ですからね。大真面目にふざけたことをやりそうで、楽しみです。

「鎌倉時代は知名度があまりないので、先がどうなるかわからないというおもしろさは確実にある」

三谷氏自身がそのように言うほどですから、視聴者を驚かせる気まんまんなのは間違いないでしょう。

コロナ禍や東京五輪などのために、この2年間の大河ドラマは、放送回数がずいぶん制限されてしまいました。

前回の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3414.html" target="_blank" title="『麒麟がくる』">『麒麟がくる』</a>は44回だったし、2月に放送が始まった今回の『青天を衝け』はたったの41回でした。

来年の「鎌倉殿」も、コロナ禍の先行きが不透明なため回数は未定とのこと。脚本家も困るでしょうね。

以前のように、毎週日曜日には必ず楽しませてくれる、全50回の本格的大河になることを期待しています。

やっぱファイザーか、それともモデルナか

追加接種(=3回目の接種)に使うワクチンは、ファイザーとモデルナの2種類。その供給と接種の見通しは、

・供給順:最初はファイザーだけで途中からモデルナも加わり、全体としてファイザー6割・モデルナ4割

・接種順:1,2回目と同じになるので、医療従事者→高齢者→基礎疾患を有する人→一般の方、の順

かかりつけの方の声を聞くと、意外と揺れてます

・モデルナは副作用が心配だから、やっぱりファイザーを打ちたい

・モデルナの方がオミクロン株によく効くと聞いたが、どうなのか

私の1,2回目はファイザーでしたが、1月にも順番が回ってくる追加接種はモデルナでもいいと思っています。

しかし、1月に追加接種に使えるのはファイザーだけ。モデルナを打ちたければ、敢えて待つ必要があります。

供給と接種順の規定からは、接種の順番が遅くなる若者は、モデルナしか選択できなくなるかもしれません。

モデルナを接種すると心筋炎・心膜炎の危険があるとされる若い男性が、ファイザーを選択できないのは問題。

ワクチンの有効期限を考慮しつつも、できるだけファイザーを温存する供給計画が立てられないものか。

当院では、ファイザーとモデルナを確保しつつ、可能な限りファイザーを温存するプランを検討中です。

そのためには、ご高齢の方にできるだけモデルナを打っていただく必要があり、作戦を考ているところです。

オミクロン株流行までの時間稼ぎする間に、前倒し接種を進めなきゃ

あ〜あ、とうとう出ちゃいましたか。熊本では40日ぶりに新型コロナ感染者が確認されました。ガッカリです。

大阪府在住の方のようで、まさかオミちゃんじゃなかろうかと、ちょっと気になります。

その大阪や京都に加えて、今日は東京でも、オミクロン株の市中感染例が出ました。しかもクリニックの医師。

この医師の濃厚接触者は5人。いまのところ全員陰性、と聞いて私が思ったのは、たったの5人?、てこと。

どうやら、診察の際にはマスクとフェースガードを着用しており、患者は濃厚接触者には該当しないのだと。

念のため都は、クリニックの職員と受診患者の合計約100人に検査を受けるよう呼びかけているようです。

しかし、その100人の検査は任意だし、隔離もされず、普通の社会生活を送っているのでしょう。

てことは、マスクとフェイスガードを着用すれば、診療行為で患者に感染させることはないとの判断ですか。

であるなら、万一私が感染しても、マスクとフェイスガード装着で診療はできるのでしょうか?、まさかね。

入国者に対する水際対策が極めて厳しい割に、市中感染者の濃厚接触者の少なさはどうしても気になります。

あるいは濃厚接触者と認定されても、その全てが宿泊施設等への隔離に同意しているわけではありません。

今後また感染者が大幅に増えることは間違いなく、いま行っている対策はそれを遅らせる効果しかありません。

その時間稼ぎの間に、できるだけ速やかに、ワクチンの追加接種や内服薬の準備を行わなければなりません。

ところが、熊本市から医療機関に正式に前倒し接種方針の連絡が来たのは、つい今日の夕方のことです。

私や当院職員は、1月ではなく11月には接種できたはずですが、今頃言われてももはや前倒しは不可能です。

接種機会を逃した9学年+2学年を、幅広く救済する方向

厚労省の「ワクチン分科会」で今日、HPVワクチンの「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3731.html" target="_blank" title="キャッチアップ接種">キャッチアップ接種</a>」の詳細が示されました。

基本的な考え方は、「接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する」ことだとしています。

その結果、積極的勧奨接種の差し控え9年間に「高1」であった者が、キャッチアップ対象となりました。

差し控えによって、定期接種対象の最終学年における接種機会を逸したのが、この9学年だというわけです。

具体的には、1997年度(平成9年度)~2005年度(平成17年度)生まれの女性です。

キャッチアップ接種が集中しないようにするため、その期間は3年程度が妥当とされました。

この話を聞いて思ったのは、現在「中3」の子は来年1年間しか接種の機会がないのか、という不公平感です。

キャッチアップ接種には3年の機会を与えられるのに、ギリギリ間に合った子は1年のみとは、いかがなものか。

と思っていましたが、分科会の資料をよく見ると、「順次キャッチアップ接種」なんて案が出ていますね。

現在中3の子は、来年度の定期接種期間のみならず、その後2年間のキャッチアップ機会が与えられそうです。

いま中2の子も同様に、来年から2年間の定期接種期間に加えて、その後1年間はキャッチアップ接種が可能と。

さすがによく考えてますね。こういう細かい「辻褄合わせ」は、官僚の得意分野ですからね。

ところで、差し控え期間中に対象学年を過ぎ、しかし接種の先延ばしを嫌って自費で接種を受けた方がいます。

そのような方には、後に「償還払い」を受けられるかもしれませんよ、と当院では説明してきました。

分科会資料にはしかし、そのような自費接種者への救済措置が見当たりませんでした。どうなるんでしょうね。

当院へのワクチン配分は、予想通りファイザー大幅減

ブレイクスルー感染の多い「オミクロン株」が増えつつある今、追加接種 (3回目の接種) の準備が進んでます。

医療機関に対して先日、熊本市の「ファイザー及びモデルナワクチン接種に関する意向調査」が行われました。

2月と3月のすべての日付ごとに、どちらのワクチンをそれぞれ何本接種できるかを調べるものです。

当院かかりつけの方の接種実績を元に、その全員へのファイザー接種を確保できる数値を私は回答しました。

すると昨日、「ワクチン配分量(接種可能上限量)」の通知が、熊本市感染症対策課からFAXで届きました。

ちなみに感染症対策課からはいつも、重要でもない通知は「PPAP」メールで、重要なものはFAXで届きます。

世の中がPPAP禁止に向かう中、熊本市は「zip暗号化ファイル」とパスワードを同一メールで送って来ます。

なので厳密にはPPAPですらなく、しいて言うなら「PAP」です。この場合、そもそも暗号化自体が不要です。

さて、熊本市から示されたワクチン「配分量」は、2月分は希望量の73%、3月分はわずかに43%でした。

この数字(=ワクチン配分按分係数)は、市内の医療機関の希望数の総数を、配分可能総数で割ったものです。

すべての医療機関に公平に、意向調査での回答本数にこの配分按分係数を掛けた本数だけを配分するようです。

このやり方だと、多めに申請したら十分に確保でき、必要本数だけ申請したら全然足りなくなってしまいます。

当院に提示された配分量では、かかりつけの方全員へ、ファイザーで追加接種するのは不可能な本数でした。

なので不足分はモデルナで補うことになります。どうやらモデルナは、欲しい分だけ供給してもらえそうです。

高齢者ですらこれですから、64歳以下の一般の方の接種に至っては、大半がモデルナになると予想されます。

当院では、日曜日にはモデルナだけを接種するなど、付加価値を付けてみようかと思っています。