命名のセンスが無いから取り違える

医薬品「カナリア配合錠」と「カナグル錠」の取り違えが起きたという、注意喚起のメールが届きました。

よくある案件とは異なる点は、両者がいずれも糖尿病の治療薬、しかも成分が半分同じだということです。

じゃあ、たとえ取り違えても、薬の作用が強まるか弱まるかの違いだけか、と考えるのは早計です。

副作用が原因で薬を変更した患者へ、取り違えによってまた同じ成分を含む薬を処方した事例だったからです。

「カナリア配合錠」は、「テネリア錠」と「カナグル錠」の成分を配合した「配合錠」です。

「テネリア」と「カナグル」から2文字ずつとって結合して「カナリア」というわけです。

このような命名法によって、配合錠として認知されやすくしたつもりでしょうけど、センスがないですね。

たしかに「カナリア」自体は覚えやすいですが、配合した元の薬の名称の存在感が希薄なのが問題なのです。

「テネリア」の個性は「テネ」にあるし、「カナグル」の特徴は「グル」ですよ。

なので、両者の存在感を残しつつ結合するなら「テネグル」しかないでしょう。

配合錠でいうなら、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2192.html" target="_blank" title="以前書いた">以前書いた</a>「ミカルディス」+「アムロジン」→「ミカムロ」、は良い命名例ですね。

センスの良い命名は、覚えやすいだけでなく配合内容がよく分かるし個性的なので、取り違えも防げます。

前から言ってますけど、医薬品に命名する前にひとこと私に相談してくれたら、きっと良い名前を考えるのに。