「大きな方向性として、積極的勧奨の再開を妨げる要素はない」
HPVワクチンについてのこれまでの検討を踏まえて、厚労省の審議会は今日、このように言い始めました。
「積極的勧奨の再開を妨げる要素」が消失したわけでもなく、元々そんなものは無かったのです。
しいて言うなら、たとえ副反応があっても必要なワクチンは打つべきだと、厚労省も考え直したのでしょう。
強い副反応がある新型コロナワクチンの接種を推進してきた経験から、少し強気になったのかもしれません。
今後はHPVワクチンの接種を推進しようということになり、以下のポイントが挙げられました。
(1)有効性に関する新たなエビデンスが確認され、安全性についての特段の懸念は認められない
(2)接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援策を今後も進めていく
(3)HPVワクチンに関する情報提供を充実していく
こうした中でついに厚労省は、「積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させる」ことになりました。
口が裂けても、これまでの差し控えは誤りだったとか、もっと早く再開すればよかった、とは言いません。
これは極めて妥当・適時な判断なのである、と屁理屈を通す窮屈な人種なのです、官僚とは。
ああもうわかりましたから、やるなら徹底的に、これまで接種機会を失った人たちへの救済もお願いしますよ。
反ワクチンの意見も無視はできませんが、情に棹さして流されっぱなしではダメです。予防接種は科学です。