HPVワクチンの接種機会を逃した方への救済接種対象はどうなる?

HPVワクチンの接種機会を逃した方への無料接種を厚労省が検討していることは、2日前にも書いた通り。

さっそく、その件でお尋ねになる親御さんもいます。メールでの問い合わせもいただきました。

未接種のまま対象年齢(高1まで)を過ぎた方や、3回の接種の途中で高2になってしまった方もいます。

自費で接種をした方もいれば、中断してしまった方もいます。任意接種するとかなり高額なワクチンです。

当院で、今年1月から現在までに接種したHPVワクチンの接種回数を集計してみると、合計90回でした。

1回目の接種だけ見ると、今年は39人でしたが、昨年の同時期には13人、2年前は2人、3年前は1人でした。

HPVワクチンは、2013年4月から定期接種となりましたが、実は2011年から無料接種が始まっています。

その無料化元年に、当院で接種を受けた対象者は、なんと164人。

ところが、定期接種化直後の2013年5月頃から副作用問題が高まり、6月には勧奨接種差し控えとなります

その翌年2014年に当院で接種を受けたのは、たったの1人。以後、同様の状況が2年前まで続いたわけです。

さて厚労省は、勧奨接種を差し控えた2013年時点で何歳だった方までを、無料接種の対象とするでしょうね。

最大限に救済するなら、2013年で高1だった方までが対象なので、8学年分に相当します。

しかし、標準的な接種年齢は中1だとケチな理屈をこねて、救済対象は5学年分程度になるかもしれません。

国の判断ミスで接種機会を逃したのだから、国の責任で幅広く救済すべきですが、さてどうなることやら。