インフルワクチン、ケチケチ大作戦

インフルエンザワクチンが不足している中で、あちこちの医療機関で行われつつある「工夫」があります。

それは、「ローデッドスペース」のシリンジを使って、ワクチンのムダを徹底的に無くして節約する方法です。

ローデッドを使わなければ規定人数の接種が不可能になる新型コロナワクチンを、医療従事者は経験しました。

じゃあその作戦でインフル接種人数を増やせる、と誰でも思いつくことを、実は私は思いつきませんでした。

もちろん日頃から薬液の節約には心がけてきましたが、ローデッドをインフル接種に使ったのは今日が初めて。

1本1ml入りのはずのバイアルから2人分 ( =1.0ml ) 吸引してもまだ、乳児1人分 ( 0.25ml ) ほど残りました。

どこから湧いたの。そこまでひねり出せますか。これぞまさにローデッドマジック。大幅に節約ができますね。

インフルワクチンのバイアルの薬液量が規格量よりもかなり多めであることは、以前から分かっていました。

これはおそらく、薬液吸引用と接種用の針を付け替える際や、エア抜き時の薬液ロスを考慮したものでしょう。

ところが新型コロナワクチンではその「遊び」がほとんどありません。

なので、ローデッドではなんとか6人分吸引できても、通常のシリンジでは5人分しか取れないのです。

ローデッドシリンジを使うような場合、ロスを徹底的に排除するために、基本的には針の付け替えはしません。

バイアルから薬液を吸引したときに使用した針を装着したまま、その針で接種を行います。

いちどバイアルのゴム栓を貫いた針なので、わずかながら針が鈍っています。

なので、皮膚を貫くときに抵抗があり、痛みも若干強いでしょうね。ケチケチ作戦の避けがたい問題です。