新型コロナワクチンの接種制度は、改善の余地大

新型コロナワクチンの当院での個別接種(1,2回目)は、残すところあと2週間となりました。

このワクチンが、いまの日本の感染者の減少に貢献したことは間違いないでしょう。

遅れていた日本の接種を挽回すべく一気に進めてきたので、何かと不備が目立ったのは致し方ないですね。

予約システムは各地で混乱し、ワクチン供給ではドタバタしたし、接種会場でもあれこれ問題が起きました。

さらに、個別接種を行う医療機関での、ワクチンの入手と接種に厳密な紐付けができていない点も問題です。

ワクチンは、医療機関が受け付けている予約数に応じて、必要な分だけ(上限あり)、市から供給されます。

届いたワクチンは保冷庫で適切に保管し、予定日に予定通りに希釈調整して接種をします。

接種後、その予診票を市に提出すると、市が国のシステムにその方の接種歴を登録します。

また市は、その予診票の枚数に応じて、医療機関に接種費用を振り込みます。

問題は、市が医療機関に配給したワクチンの本数と、実際に使用された本数とを照合できないことです。

ワクチン1本で必ず6人に接種できるとは限りません。急なキャンセルで、ワクチンが余ることもあるのです。

バイアルやシリンジの不具合等でワクチンをボツにしたことも、当院だけでもこれまでに3回ありました。

現行制度では、医療機関が受け取ったワクチンのうち何本使ったかを、報告する義務も手段もありません。

ワクチンを一部横流しする、なんてことは誰もやらないはずだ、という性善説なシステムなのです。