ノーベル物理学賞は、米プリンストン大の真鍋淑郎氏らが受賞しました。
こういった、海外に流出してしまった日本人研究者の偉大な業績を知るたびに、複雑な思いに駆られますね。
基礎研究に対する予算規模が、先進諸国(中国も含めて!)に比べて圧倒的に小さいという問題がまずひとつ。
日本の政治家(官僚も?)の認識不足・思慮不足による、国家的な戦略ミスでしょう。
なにしろ<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2190.html" target="_blank" title="安倍首相">安倍首相</a>(当時)はかつて、学術研究を深めるより実践的な教育をしろと公言してるぐらいですから。
「日本の近年のノーベル賞ラッシュは、過去の遺産を食いつぶしたものに過ぎない」
5年前に医学・生理学賞を受賞した<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2190.html" target="_blank" title="大隅良典氏">大隅良典氏</a>の言う「近年」は、残念ながらもう過ぎ去りつつあります。
仮に今から猛烈に基礎研究に力を入れたとしても、しばらくは追いつかないということです。
なぜ国籍を変更したのかと記者に問われて真鍋氏は、「米国ではやりたいことをできる」と答えました。
裏を返せば、「調和を重んじる」日本では「他人を邪魔するようなこと」ができないのだと。
「私は調和の中で暮らすことはできないものですから、それが私が日本に帰らない理由です」
この発言はショックでしたね。和を以て貴しとなす日本人としては、痛いところを突かれた気がします。
研究費問題も調和問題も、いずれも解決しなければ日本の科学研究の未来はありません。
日本を脱出した研究者を、いつまでたっても「日本人」としてカウントして安心しているようではダメですね。