誰か政治家(誰か忘れた)が先日、「隗より始めよだ」なんて言ってましたが、いつも引っかかる言葉です。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1653.html" target="_blank" title="だいぶ前">だいぶ前</a>にも書きましたが(なんと、熊本地震の前日!)、また書きます。
彼は「まず、やれるコトからやれ」という意味で使っていました。それは決して誤用ではありません。
でも元々の故事では、「まずは優秀でない者を優遇すれば、賢人が続々と集まってくる」という意味でした。
単に「手近な」ところに手を付けるのではなく、「とるに足らない」ところから始めるのが、キモのはず。
その意味では、「下位より始めよ」と書いたっていいぐらいですよね。
私は中学時代にこの言葉を習ったとき、「まず私を厚遇せよ」と王に進言した隗の厚かましさに呆れました。
そしてこの考え方は、日本人の奥ゆかしさとは相容れないだろうなと感じました。
だから日本では、「手近なところから一歩一歩やれ」みたいな、実直なことわざに変化したのでしょうね。
「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1617.html" target="_blank" title="情けは人のためならず">情けは人のためならず</a>」が、「その人のためにならない」の意味で誤用されることが多いのも、同様です。
日本人は、誠実・謙虚を尊ぶので、自分の利益を期待して他人に情けを掛けることなど、ヨシとしないのです。
何かを説得したい時に、無機質な「理詰め」だけではうまくいきません。「情緒」がとても大事です。
新型コロナワクチンを恐れる人には無理強いせず、自ら接種したくなるように丁寧に説明をしてきました。
「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3623.html" target="_blank" title="北風と太陽">北風と太陽</a>」にならった作戦です。「ジャパネットと夢グループ」と言い換えてもよいでしょう(違うか)。