仕事はすぐ済ませるのがいちばん楽、ってことは分かってます

「今日できることを明日に延ばすな」よりは「明日できることを今日やるな」の方が、本当は好きな私です。

急ぐ「紹介状」はその場ですぐに書きますが、急がない「御返事」はどうしても後回しにしてしまいます。

ところが、このコロナ禍で私は、少しスタイルが変わりました。

なにしろ書類が多いのです。何かの登録とか届出とか、申請や請求や報告など、必要書類が山ほどあります。

月末が提出期限のものもあれば、明後日の15時までにFAXせよ、みたいにひどく急ぐモノもある。

従来の私なら、これらの書類は急ぐ順に済ませていました。逆に言えば、急がない書類は後回しでした。

でも今は、申請期間が始まったらすぐ申請し、書類が届いたらすぐ記入する、瞬殺スタイルに切り替えました。

この方法だと締切に遅れる心配がないし、いかにもサクサク仕事がさばけているようで気分もいい。

申請書類は、最初に手にして読んだ勢いでそのまま仕上げてしまうのが、結局いちばん楽なんですよね。

それらの書類は提出前にスキャンとコピーをして、データと紙で2重に保存しておきます。

このように、昨年以来のコロナ関連のモロモロは、すべて最速で手続を終え、整然と整理してきました。

その代わり、コロナ関連以外にはだいぶしわ寄せが来てますね。やっぱり、急がないものは後回しなのです。

岸田文雄氏が自民党新総裁

自民党総裁選では、岸田文雄氏が新総裁に選ばれ、河野太郎氏は敗れました。

国会議員票と党員・党友票で捻れがあり、最初の投票では河野氏が1位かと思っていましたが、違いました。

岸田氏が最初から1位だったので、シコリの残る「決選投票での逆転」にならなくて良かったと思います。

党員・党友票のある自民党総裁選は奇しくも、日本の総理大臣を直接選挙で選ぶような側面があります。

それを意識して、党内の選挙なのに、候補者らは国民に聞こえるように政策アピールをしていました。

この点が今回の総裁選の良い面だったと思います。これまでには経験したことの無い斬新なイベントでした。

さて、岸田氏です。悪い人には見えません。温厚で常識的で、ユーモアも分かるような方のようです。

とは言え、自他共に認める「聞き上手」ですから、あちこちと衝突するような改革ができるとも思えません。

党役員人事や組閣では、「中堅・若手の思い切った登用」と「老壮青のバランス」を重視するとのこと。

結局、「老」を切り捨て切れないということですか。そこでしょうかね、議員票がトップな理由は。

まずは明日の人事がどうなるのか。お手並み拝見というところですが、良い意味でサプライズが欲しいです。

医療用抗原検査キット、薬局で販売へ

「研究用」ではなく、正式な「医療用」新型コロナウイルス抗原検査キットが、薬局で買えるようになります。

ニュース画面に出ている大塚製薬の「クイックナビ-COVID19 Ag」はまさに、当院が日頃使ってる製品です。

10回分で定価66,000円(税込)と高額ですが、販売量が増えることで、今後の値下がりを期待しています。

検査キットの販売拡大はしかし、感染の早期発見には有用でも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3643.html" target="_blank" title="陰性証明">陰性証明</a>としての利用が増えるなら問題です。

今朝の北村先生(日大の)は、抗原の自己採取方法が重要だと、次のように発言していました。

「(綿棒は)できるだけ鼻の奥の方にしっかりと、オエッとなるぐらい入れる必要がある」

あー、困りますねえ。北村先生は、発熱外来の現場、とくに抗原検査の実際をよくご存じないのでしょうか。

昨年10月、「鼻腔ぬぐい液」が検体として認められ、厚労省のガイドラインには次のように記載されました。

・鼻孔から2cm 程度スワブ(=綿棒のこと)を挿入し、挿入後スワブを5回程度回転させ、十分湿らせる

・被検者自身が採取する際は、鼻出血が起こりやすい部位である点にも配慮し、医療従事者の管理下で実施する

・検体採取に当たり、医療従事者に一定の曝露があるため、個人防護具の装着による感染 防御を要する

・被検者自身による自己採取による場合においては、サージカルマスク及び手袋を着用することで対応が可能

このガイドラインは、第2版では次のような記載に変わっており、最新版(第4版)でも同じ内容です。

・鼻腔に沿って2cm程度スワブを挿入し、挿入後スワブを5回程度開店させ、5秒程度静置し湿らせる。

当院では、マスクとフェイスガードと手袋を着けた私が被検者に綿棒を手渡して、次の説明を行っています。

「その綿棒を、鼻に2cmほど入れて、ゆっくり5回ほど回して、5秒ほど待ってから、抜いてください」と。

「患者にやらせて大丈夫なのか」というクレームも時々頂戴しますが、正式な方法なのだと説明しています。

北村先生の言うようなオエッとなるまで綿棒を入れ込む方法は、医療機関での自己採取法では用いていません。

厚労省も、「検出感度には引き続き検討が必要だが、実用性と医療者の感染予防の面から有用」としています。

というわけで今後も、当院の抗原検査では、鼻腔ぬぐい液の自己採取を原則としますので、ご理解のほどを。

高齢者の運転は、ただ制限するだけでよいのか

男に熱湯をかけられ、3歳の子どもが亡くなった事件が、先日報じられました。

この子の苦しみや無念さを思うと、私は、涙が止まりません。

残虐非道な殺人を犯した男は、最大限に厳しく罰せられなければなりません。

私など、人間ができてないものですから、この男にはハムラビ法典的な刑罰を求めてしまいます。

もちろん日本は法治国家なので、某独裁国家のような非人道的なことはできません。

被害者の人権よりも加害者の人権に配慮せざるを得ないのは、いつも感じる先進国のジレンマですね。

池袋の暴走車による母子死亡事故も、市民感情的には、厳罰でなければ納得できない雰囲気になっていました。

しかしあの事故は、熱湯男の犯行とはまったく異なり、故意に起こしたものではありません。

加齢による運転能力と判断能力と記憶力の低下が原因なのですが、加害者にはその自覚がなかったのでしょう。

そのような状況でありながら、日常的に車を運転していたことが、そもそもの問題です。

アクセルを踏んだ力の何百倍、何千倍もの力で、車はグイグイ動きます。ものすごい倍力装置です。

ヨロヨロ歩くような高齢者でも、ひとたび運転席に座れば、その車のフルパワーを引き出して走れます。

そこが怖いところですが、しかし身体能力が低下した方にとっては、むしろ車は手放せない移動ツールです。

運転能力に乏しい人ほど運転で恩恵を受けるという、これは自動車の抱えるジレンマかもしれません。

高齢者の運転を制限するよりも、誰もが安全に乗れる仕組みを備えた車の開発に、世の中は向かうべきです。

インフルワクチン、予約受付まもなく開始

9月も最終週となりましたが、ようやく明日、インフルエンザワクチンの予約受付を始めます。

こんなに遅くなったのは、開院以来初めてかもしれません。以前は、9月1日に開始した年もありました。

ネット予約サイトの受付は、明日午前3時〜6時の間(詳細未定)に、自動的に始まるように設定されています。

なのでこれは、当ブログの読者にだけ先行告知する、耳寄りな情報。「ネット予約は明日の早朝からですよ」

ところで、今シーズンのインフルエンザワクチンに関しては、懸念が何点かあります。

(1)新型コロナワクチンとの接種間隔の規定に関連して、予約トラブルや接種ミスが起きないか

(2)インフルエンザワクチンの供給量は昨シーズンよりもかなり少ないが、足りるのか

(3)ていうか、今年インフルエンザは流行するのか

(4)そもそも予約が埋まるのか、接種希望者激減ってことはないのか

(5)結果的に、準備したワクチンが大余りにならないか

厚労省などはいつも、「ワクチンは予約の数だけ発注するように」と警告してきます。

ですが、ワクチンの確保にメドが立たないうちから、予約を受け付けることなど到底できません。

つまり、薬品卸との口約束(=発注)→接種予約の受付→実際のワクチン納入、という流れが現実です。

予約が先か発注が先かで言うなら確実に、発注の方が先なのです。厚労省は無理難題を言うのをやめて欲しい。

「四十九日」の法要

「四十九日」の法要を、行いました。

命日から49日目は、厳密には来週木曜日ですが、参列者の都合などを考慮して5日早い法要としました。

仏教では、生前の殺生や盗みなど様々な罪などに対して、死去後七日ごとに裁判が行われるらしいですね。

その都度、いわば裁判官の心証を良くするために、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3605.html" target="_blank" title="初七日">初七日</a>から始まって七日ごと法要を行うことになります。

輪廻転生の判決が下されるのが、七回目の七日、つまり四十九日。とても大事な節目の法要です。

という話です。

四十九日の法要に引き続いて「納骨式」も執り行い、今日から父はお墓に入りました。

熊本空港にほど近いところに、その霊園はあります。西から着陸するときに、上空からよく見えます。

去年の10月、両親と墓参りしている時に、頭上の低いところを旅客機が轟音を立てて飛ぶことがありました。

「こりゃあ、うるさくて、ゆっくり寝られんねぇ」

将来自分が墓に入ったときの事を心配する、父の冗談です。ほんの1年前のことでした。

補聴器も棺桶に入れちゃいましたからね。少々うるさいかもしれません。

市販の抗原検査キットを使う方が増えています

新型コロナの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3547.html" target="_blank" title="抗原検査">抗原検査</a>に関しては何度か書きましたが、誤解の無いように、あらためて整理しておきます。

(1)抗原検査は、PCR検査に比べると感度が低い(このこと自体は、ある程度知られています)

(2)抗原検査には、「定量検査」と「定性検査」がある(両者は感度がまるで違います。これが問題)

(3)空港等で用いられている定量検査に比べると、診療所等で行っているのは定性検査なので感度は低い

(4)市販の抗原検査キットには、医療用レベルのものもあれば、粗悪品もある

イメージとしては、新型コロナウイルスの検出感度は、

PCR検査 >= 抗原定量検査 > 抗原定性検査(医療機関) >= 市販キット >> 粗悪品

当院で行った抗原検査で陰性でも、念のため同時に行ったPCR検査では陽性だった方が、何人もいます。

まして、市販キットで陰性だったとしても、その方が感染していないとはまったく言えません。

その代わり、それほどに感度の低い検査で陽性が出た場合には、ほぼ間違いなく、感染しています。

以前、抗原検査が陽性であることに納得できない方など数名に、同時にPCR検査をしたことがあります。

全員、PCRも陽性でした。つまり、抗原検査に「偽陽性」はないと考えてよいでしょう。

市販の抗原検査キットで陽性が出たので、再検査をしてほしい、と言って来院される方が時々います。

この場合、PCR検査をしてもよいのですが、早期診断・早期対処のために、抗原検査を行うのが普通です。

そのような方は必ず、医療用の抗原検査キットでも、陽性です。

実はいちばんよく出会うのが、市販のキットで陰性だったのでもう検査しなくても大丈夫、という方です。

先ほどから書いているように、抗原検査は、まして市販キットでは、陰性証明にはなりませんからね。

Amazon歴20年

Amazonの、何も入っていないカートをクリックすると、「あとで買う」に入っている商品が表示されます。

買うつもりでカートに入れたけど、確定する直前になって何らかの理由で購入を取りやめた商品のリストです。

そこまでじゃないでど、購入の候補になった商品はとりあえず、「ほしい物リスト」に入れることになります。

今日はふとそのリストを見て驚きました。私の興味・趣味・嗜好の変遷が、ズバリわかるからです。例えば、

「コクヨ 収納ボックス」(2019年5月に追加)

書斎を抜本的に片付けようと思い、ならば収納グッズを買おうと考えたのですが、そこで止まっています。

「ボウモア 23年 [並行輸入品]」(2017年7月に追加)

アイラモルト(ウイスキー)に凝っていた頃ですね。当時の願望の頂点、まさに「ほしいボトル」のひとつ。

「豪快バーベキューレシピ(本)」(2015年12月に追加)

他にもたくさんのBBQ関連品が、その頃のリストに残っています。もう長いことBBQやってませんね。

「ダウランド:リュート作品全集(CD)」(2014年8月に追加)

中世からバロックのメランコリー音楽に、妙に惹かれていた時期ですね。いまでも時々聴くジャンルです。

Amazonの「注文履歴」には、私の購入歴が全部、残っています。自動的には消去されないのですね。

「ヨーデル食べ放題 桂雀三郎withまんぷくブラザース(CD-SINGLE)」(2001年7月注文)

記念すべき私の「初Amazon」は、このふざけたCDでした。それから20年、Amazonへの依存は続きます。

「まず、隗より始めよ」

誰か政治家(誰か忘れた)が先日、「隗より始めよだ」なんて言ってましたが、いつも引っかかる言葉です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1653.html" target="_blank" title="だいぶ前">だいぶ前</a>にも書きましたが(なんと、熊本地震の前日!)、また書きます。

彼は「まず、やれるコトからやれ」という意味で使っていました。それは決して誤用ではありません。

でも元々の故事では、「まずは優秀でない者を優遇すれば、賢人が続々と集まってくる」という意味でした。

単に「手近な」ところに手を付けるのではなく、「とるに足らない」ところから始めるのが、キモのはず。

その意味では、「下位より始めよ」と書いたっていいぐらいですよね。

私は中学時代にこの言葉を習ったとき、「まず私を厚遇せよ」と王に進言した隗の厚かましさに呆れました。

そしてこの考え方は、日本人の奥ゆかしさとは相容れないだろうなと感じました。

だから日本では、「手近なところから一歩一歩やれ」みたいな、実直なことわざに変化したのでしょうね。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1617.html" target="_blank" title="情けは人のためならず">情けは人のためならず</a>」が、「その人のためにならない」の意味で誤用されることが多いのも、同様です。

日本人は、誠実・謙虚を尊ぶので、自分の利益を期待して他人に情けを掛けることなど、ヨシとしないのです。

何かを説得したい時に、無機質な「理詰め」だけではうまくいきません。「情緒」がとても大事です。

新型コロナワクチンを恐れる人には無理強いせず、自ら接種したくなるように丁寧に説明をしてきました。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3623.html" target="_blank" title="北風と太陽">北風と太陽</a>」にならった作戦です。「ジャパネットと夢グループ」と言い換えてもよいでしょう(違うか)。

コロナ禍も「一段落」か?

第5波の山を乗り超え、ワクチン接種率も50%を超え、新型コロナは「一段落」しつつあるように見えます。

昨日当院でPCR検査をした17名は、全員陰性でした。かなり珍しいことですが、そういうことなのでしょう。

コロナ禍はまだ「道半ば」、誰も油断などしてませんが、今後はもう大きな波が来ないことを願います。

という前置きから無理くり繋げますけど、今日は映画『ミッドウェイ』を鑑賞しました。すみません。

真珠湾攻撃から勢いに乗る日本軍の流れが一転、米軍優位に変わる転機となった海戦を描いたものです。

日本ではちょうど1年前に公開された映画ですが、映画館に行く勇気がなくて、ようやくテレビで観た次第。

内容はもちろん、俳優も良かったですが、CG映像が多すぎて逆に迫力を感じにくい戦闘シーンでした。

「ミッドウェー海戦」で暗号を解読されて日本は負けたと、幼い頃に何度も、父から聞かされたものです。

実は1976年にも同名・同題材の映画が封切られました。その時は叔父と一緒に観に行った思い出があります。

海兵上がりの叔父と当時高1の私とでは、同じ映画を観ながらも、思いがまったく異なっていたでしょう。

しかも私は内容よりも、「センサラウンド方式」という音響(低周波?)の振動の迫力に気を取られてたし。

というわけで、コロナ禍もミッドウェイだけどそろそろ転機かも、というこじつけでしたが容赦願います。