モデルナの新型コロナワクチンで異物混入が見つかり、一部ロットの使用が見合わせとなりました。
重要なワクチンですから、早めに原因を究明して、安心できる情報を示してほしいものです。
厚労省やメディアから伝わる説明はしかし、説得力に欠ける型どおりのフレーズばかりです。
「これまでのところ健康被害は報告されていない」
こういった事例で最初に登場する決まり文句です。
異物は製造工程で混入した金属片と考えられているので、筋肉注射したところで健康被害は起きないでしょう。
起きるとすれば、接種した腕に磁石がくっつくようになる程度のことです(個人の冗談です)。
医薬品の場合はむしろ、目に見える異物の混入よりも、目に見えない成分異常の方が健康に直結します。
とくにワクチンは、何らかの原因によって「失活」すると、予防効果が不十分となる可能性があります。
ワクチンの効果を期待して接種したのに感染症に罹ってしまえば、それこそ重大な「健康被害」です。
今回の異物混入騒ぎのために接種が遅れ、そのために新型コロナに感染したとすればこれも、健康被害です。
そのような先々のことまで考慮せず、「健康被害は報告されていない」で済ませる点には違和感があります。
「すでに接種を受けた人で体調に異変がある場合は医師に相談してほしい」
これもナンセンス。コロナワクチンを接種すればたいてい、発熱や倦怠感などの「異変」が起きるというのに。