発熱外来のノーブレス診察法

発熱外来で、一般的な感染防護法のほかに私がとくに気を付けているのは、「呼吸法」です。

新型コロナでは、ウイルスを含む飛沫を吸い込むことが最大の感染経路であることがわかっています。

マスクやシールドやディスタンスや換気などはすべて、吸い込む飛沫の量を減らすための方策です。

対面で問診をしたり、咽頭を診たり抗原検査やPCR検査などをする際には、飛沫を吸い込むリスクがあります。

きちんとマスクをしていても、わずかな隙間から入り込んでくるかもしれません。

なので可能な限り、飛沫が浮遊しているかもしれないエリアの空気を吸わないようにしなければなりません。

最近私は、いくらウイルスに晒されても、息を吸わなければ何も入り込んでこないことに気付きました。

つまり、いま自分の周囲を漂う空気が怪しいと思うときは、息を止めておけばいいのです。

ウイルスとの戦いはまさに、吸うか吸われるか、ん、違う、ともかく、吸わない、諏訪内晶子です。

というわけで発熱外来の診察中には、原則として私は息を吸いません。今日もそのようにしました。

患者を前に私は、息を吐くか喋るのみです。なので喋りの最後の方はたいてい、絞り出すような声になります。

そしてその場をできるだけ離れ、安全な所まで移動し、後ろを向いてプハーッと息を吸い込むのです。

今日のPCR検査は33人でした。保健所から濃厚接触者との認定を受けた有症状者も、多数含まれていました。

陽性者は10名以上になりそうな感触です。結果が判明する明日の夜はまた、だいぶ残業になりそうです。