当院では3回目の、新型コロナワクチンの「大規模接種」を、今日の午後から行いました。今日は54人。
日頃は1日18人程度の接種を行っていますが、ときどき今日のように、まとめて接種する日を設けています。
ワクチンは毎週月曜と木曜に、熊本市の供給ルートに従って、某薬品会社の拠点から配送されます。
配送当日に冷凍庫から出されたファイザーのワクチン「コミナティ」は、保冷バッグに入れられて届きます。
かなり本格的なバッグですが、当院に届く頃には、ワクチンはマイナス80度よりは温まっているでしょう。
配送業者から受け取ったら、金属ホルダー内のバイアル数を確認して、すぐに専用の薬品保冷庫に格納します。
当院の保冷庫は、旧三洋電機(現パナソニック)製のもので、内部温度は4度に設定しています。
こうして、保冷庫に移した瞬間から、ワクチンの解凍が始まることになります。
BBQ用の肉の場合には、冷蔵庫解凍はあまり推奨されませんが、ワクチンではこの方法が簡便で確実です。
ワクチンは、届けられた当日には使用しません。前日までに届き、冷蔵庫内で安定保存中のものを使います。
現在の規定では、使用期限は解凍後31日以内なので、前の週に届いたワクチンを古い順に使うのが通常です。
接種前調整時の破損等を考慮して予備ワクチンを保有しているので、保冷庫には常に十分な在庫があります。
ところが今日、保健所から連絡があり、予備ワクチンの放出を命ぜられました。
来週配送予定のワクチンは、来週以降に使用する予定本数よりも減らされました。足りない分は予備を使えと。
医療機関向けのファイザーのワクチンの供給が、今後かなり厳しくなりそうなのです。
それもこれも、グランメッセの「県民広域接種センター」で、大量のワクチンが使われているからです。
広域接種センターはモデルナで、医療機関はファイザーじゃないの、と思いがちですが、カラクリがあります。
国は、モデルナとファイザーの合計で、都道府県への供給量を管理しようとしています。
グランメッセの接種は「好調」だそうなので、医療機関にはますます厳しい状況になりそうです。