コロナ禍だからこそ、生活習慣を見直そう、自分

インドカレーの店「ガネーシャ」と「サンジ」が、近所にあります。少し離れた所には「スリャ」があります。

たまに無性に食べたくなったり家人が手抜きしたい時に、どこかの店のテイクアウトが夕食になります。

今日もそんな日でしたが、サンジのテイクアウトメニューが悲しいかな、ちんけな弁当になっていました。

従来は、店内のメニューが全品そのまま持ち帰れたんですけどね。経営上やむを得ないのかもしれません。

メニューは限定され、カレーの量も以前より減っていました。まさに、コロナ禍の大サンジです。

弁当に付属のプラスチックの「先割れスプーン」では、すくってもすくっても、割れ目からカレーが漏れます。

もうすくいようがないので、さじをなげたくなります。ウソです。

食べた気がしないので、食後にペヤングを食べました。そのあとで、グラノーラもいただきました。

近頃のシリアルは、美味しいですね。なので最近の朝食は、ヨーグルトとグラノーラ(+牛乳)です。

毎朝飲んでいた「一日分の野菜」ジュースは、昼に飲むことにしました。ただし、まだ実行できていません。

いま昼はコーヒーだけ飲んでいますが、「昼食はしっかり摂りましょう」と患者さんには勧めている私です。

運動もしてないし、偉そうなことなど言えない生活習慣ですが、それでも生活指導はするのです。仕事なので。

新型コロナワクチンの「ブースター接種」

新型コロナワクチンの2回接種を完了した人の、いわゆる「ブレイクスルー感染」が問題になっています。

個人差もありますが、接種後の免疫(中和抗体価)は、時間とともに下がって来るのです。

イスラエルでは、ファイザーのワクチンの3回目の接種が始まり、とても有効だという結果が出ています。

米国でも来月から3回目が始まります。日本の3回目はいつ頃になるのかを気にする人も、最近増えています。

河野大臣は昨日、医療従事者は10月、高齢者は来年1月には、3回目の接種を始めることになると述べました。

免疫が切れかかる頃の追加接種によって、格段に強い免疫が獲得できる「ブースター効果」が期待されます。

私はしかし、テレビでブースター効果という言葉を聞くたびに、「怪獣ブースカ」を思い出してしまいます。

小学校の低学年の頃に見ていた、特撮テレビドラマのキャラクターです。特徴は、力持ちです。

ブースター接種は、タイミングが早すぎると十分な効果を発揮できません。シオシオのパーです。

かといってブースター接種が遅くなりすぎると、待ってる間にブレイクスルー感染を起こす危険があります。

ちょうど良い追加接種のタイミングが重要で、米国では、2回目から8カ月後に3回目を行うようです。

日本もそれに倣うなら私は1月頃がその時ですが、発熱外来をしている身としては待ちきれませんね。

毎日のワクチン調整後にわずかに残る薬液を、ちょっとだけ自分に打ちたい誘惑にかられます(←ダメ)。

来週の当番医をどうするか

毎週日曜日には発熱外来受診者の多い当院ですが、来週9月5日(日)は休日当番医に割り当てられています。

当番医の日は、市内一円から、あるいは菊陽や益城や合志・大津・阿蘇方面からも、受診者が集まります。

問題は、患者間の動線分離・時間帯分離のやりくりです。来院する方を大別すると、

A:非感染性の急病:狭心症(の疑い)、高血圧緊急症、頻拍発作、喘息発作、痛風発作、蜂に刺された、など

B:一般的な感染症の疑いがある方:風邪、胃腸炎、など

C:新型コロナ感染の疑いがある方

このうちAの方は、院内で検査や処置等が必要になる場合があります。Bなら院内隔離室で診察します。

コロナの疑いがあるCの方は、当番医で混雑する日はなおさら、院内(屋内)での診察が難しくなります。

問題は、BとCの区別が厳密には難しいということです。

前回の当番医は2月7日でした。この日の受診者は55人。コロナ禍の受診抑制のためか、例年より少数です。

発熱外来として28人、うちPCR検査を実施したのは18人。今思えば意外ですが、全員がPCR陰性でした。

ところが今月は、日曜祝日にはいつもPCR検査が20〜30人以上。陽性率は25〜30%以上に達します。

今日も、新型コロナ相談センターや発熱患者専用ダイヤルから紹介されたと、多くの方が電話をしてきました。

それに加えて保健所が、濃厚接触者のPCR検査を、当院がストップするまで延々と依頼してきます。

まるで、他の当番医がPCR検査をしてないんじゃないかと思えるほどです。

さて、当院が当番医の来週、熊本市の発熱患者はどうなるんだろうと、それが心配です。

熊本の病床ひっ迫も、かなりヤバいです

家族内に新型コロナウイルス感染者が出ると、家庭内での隔離やら動線分離などのやりくりが大変です。

感染者以外の家族みんなが濃厚接触者と認定されたとしても、その全員が実際に感染しているとは限りません。

なので、濃厚接触者どうしでも、互いになるべく接触をしないように、注意しなければなりません。

厳密に言うなら、家族全員がそれぞれ居住空間や動線を分離しなければなりませんが、それは難しいでしょう。

最近は、家族内にひとり感染者が出ると結局、残りの全員が陽性になります。デルタ株のせいかもしれません。

濃厚接触者である家族を全員検査したら全員陽性という悲惨な事例に、当院でもしばしば遭遇します。

ひとつ良いこと(良くもないけど)があるとすれば、家庭内での隔離や動線分離が必要なくなります。

小中学生の感染に遭遇することはもう当たり前になりました。感染者の年齢層は明らかに低年齢化しています。

もちろん大人の、中高年の感染者もいますが、たいていの方はワクチン未接種です。

ワクチンが接種できない小学生や乳幼児は、親からの家庭内感染から逃れるすべがありません。

逆に子どもが幼稚園や学校で感染して家庭に持ち込むケースもあって、親も油断できません。

当院で診断した感染者の多くは自宅で経過観察となっていますが、なかには自宅で病状が急変する方もいます。

最近、救急車で病院に搬送され、しかし入院できずに自宅に戻り、その後さらに病状が悪化した方もいました。

熊本は東京などに比べれば感染者数は少ないですが、病床のキャパも小さいので病床のひっ迫度も急変します。

医療崩壊はもう始まっています。

若者だって、接種したい人は大勢いるのです

東京都が若者を対象に渋谷に設けた新型コロナワクチンの接種会場に、想定を超える人が訪れてパンクです。

予約不要で接種できると言えば聞こえはいいですが、つまり先着順です。混乱するのは当たり前でしょう。

かつて高齢者の集団接種の電話予約では各地で大混乱を招いたことを、都の職員は覚えてないのでしょうか。

どうして役所の人たちには、普通の想像力がないのでしょうね。その見通しの甘さは重症です。

若者専用の会場を設けたら、ワクチンを接種する若者を少しでも掘り起こせる、ぐらいに思ったのでしょう。

接種を渇望している若者が大勢いることを想像できず、初日に200人という冗談のような定数設定でした。

多くの若者に接種させるのが目的なら、巨大な会場で初日は2万人ぐらい接種できる準備をしときなさいよ。

ワクチンと会場に余裕があれば誰も慌てないし混乱もしませんが、不足気味と聞けば人は殺到するのです。

そういった人の心理を考えて、最初は大きすぎるぐらいのキャパを設定するぐらいの戦略で良いのです。

明日以降は抽選券を配布する方式にするそうですが、いったん現地に行かなければならないシステムがダメ。

若者向けなんだから、ネットでエントリーする抽選方式でいいじゃないですか。都庁の職員って素人の集まり?

新型コロナワクチンに異物混入

モデルナの新型コロナワクチンで異物混入が見つかり、一部ロットの使用が見合わせとなりました。

重要なワクチンですから、早めに原因を究明して、安心できる情報を示してほしいものです。

厚労省やメディアから伝わる説明はしかし、説得力に欠ける型どおりのフレーズばかりです。

「これまでのところ健康被害は報告されていない」

こういった事例で最初に登場する決まり文句です。

異物は製造工程で混入した金属片と考えられているので、筋肉注射したところで健康被害は起きないでしょう。

起きるとすれば、接種した腕に磁石がくっつくようになる程度のことです(個人の冗談です)。

医薬品の場合はむしろ、目に見える異物の混入よりも、目に見えない成分異常の方が健康に直結します。

とくにワクチンは、何らかの原因によって「失活」すると、予防効果が不十分となる可能性があります。

ワクチンの効果を期待して接種したのに感染症に罹ってしまえば、それこそ重大な「健康被害」です。

今回の異物混入騒ぎのために接種が遅れ、そのために新型コロナに感染したとすればこれも、健康被害です。

そのような先々のことまで考慮せず、「健康被害は報告されていない」で済ませる点には違和感があります。

「すでに接種を受けた人で体調に異変がある場合は医師に相談してほしい」

これもナンセンス。コロナワクチンを接種すればたいてい、発熱や倦怠感などの「異変」が起きるというのに。

やむを得ないとしても、自宅待機は危険です

平日だというのに今日は、「濃厚接触者」の方の検査受診がとても目立ちました。

家族の感染で保健所から濃厚接触者と認定されたのにPCR検査がすぐに受けられない「検査難民」の方々です。

保健所が行う検査まで3,4日待たされるようで、それが待ちきれずに当院に来られるのです。

最近は保健所から直接、PCR検査依頼の電話が入ってきます。当院のキャパの範囲で受け入れています。

濃厚接触者だけでなく実際に発症した人も、検査を受けて結果が出るまでに、かなり日数がかかっています。

たとえば当院で日曜日にPCR検査をする方の多くは、金曜日か土曜日ごろに発熱等で発症した方々です。

採取した検体(唾液)は所定の方法で梱包し、冷蔵保存します。日曜には検査センターの回収がないからです。

月曜の朝、検査センターに検体回収を依頼し、その日のうちに検査が行われ、夜遅くに結果報告が入ります。

その結果を、患者本人と保健所に電話連絡し、厚労省のHER-SYSに入力し、保健所にFAXを送ります。

保健所から感染者に連絡が入り、病状に応じた対処が始まるのは深夜以降、場合によっては翌日になります。

多くは自宅待機となり、パルスオキシメーターが貸し出され、保健所による経過観察が始まります。

今朝、ある感染者から当院に電話があり、Spが83%だと相談を受けました。保健所に電話がつながらないと。

家庭内に感染が拡大し、幼児を含め家族全員が感染した事例も珍しくありません。自宅待機は危険です。

「自己責任」は無責任

ある交通系のFacebookグループで、自分が新型コロナに感染したことについての投稿がありました。

不要不急の旅行をしたことで、結果的に周囲に心配と迷惑をかけてしまったことへの、反省と注意喚起です。

この投稿に対して、130件以上のコメントがありましたが、その意見はおおむね2通りに分かれます。

(1)旅行を楽しむこのグループでそのような投稿はするな、旅行は自己責任だ

(2)よくぞ言ってくれました、実は私も危惧しているのです

コメントのトーンは、(1)は感情的で(2)は紳士的な傾向がありました。

おそらく(1)の方にとっては「痛い所を衝かれた」のがショックで、議論はなかなかかみ合いません。

しかし旅行を楽しむグループであればこそ、安全な旅行のために何をすべきかを論じてもいいはずです。

この手の議論で「自己責任」という言葉が安易に使われているのも、以前から気になっています。

どのようなレジャーでもスポーツでも、自己責任なら何をしてもいい、という考え方は間違っています。

その方の健康や命を損なうようなことがあれば、家族を悲しませ、周囲にも迷惑をかけるからです。

まして新型コロナは、感染した自分が苦しむだけではなく、周囲の人にまで感染を広げることが大問題です。

不運にも感染した方を差別してはなりませんが、「自己責任だからいいじゃん」的な身勝手は許されません。

自分が感染させた周囲の人々の健康や命にまで、責任をとれるはずがないからです。

熊本でも、たぶんデルタ株?増えてますね

昨日行った33人のPCR検査のうち、陽性は10名(陽性率は30.3%)でした。ほぼ予想通りの結果です。

まあそれにしても今日は、PCR検査の結果が出るのが遅かったですね。ものすごく混み合っていたのでしょう。

検査センターから報告が入ったのは、午後9時半。患者さん全員への連絡を終えたのは、10時過ぎでした。

患者さんには、午後5〜8時頃に結果を連絡すると伝えていたものだから、大変お待たせしてしまいました。

結果はまだかと、多くの方から電話がかってきます。みなさん、イライラされていますが、そりゃ当然です。

PCR検査の結果が陽性か陰性か、これは健康上の問題だけでなく、社会的にも重大問題ですからね。

こういうときは、たとえ私のせいじゃないとしても、ここは低姿勢な態度で接するに限ります。

「す・み・ま・せ〜ん、大変、お待たせしていますが、まだ検査センターから報告が来ないんですよ〜」

「私も電話の前で、夕方からず〜っと、待ってるところなんですが、今日は検査がすごく多いみたいです」

「結果が出しだい、か・な・ら・ず、今晩中にお電話しますから、もうしばらくお待ち下さいね」

いやもう、ホント、もう少し検査のキャパが増えないものですかね。毎晩これじゃあ、たまりませんが。

しかしそれよりも、10代の方や10歳未満のお子さんの感染者が増えてますね。こっちの方が、たまりません。

発熱外来のノーブレス診察法

発熱外来で、一般的な感染防護法のほかに私がとくに気を付けているのは、「呼吸法」です。

新型コロナでは、ウイルスを含む飛沫を吸い込むことが最大の感染経路であることがわかっています。

マスクやシールドやディスタンスや換気などはすべて、吸い込む飛沫の量を減らすための方策です。

対面で問診をしたり、咽頭を診たり抗原検査やPCR検査などをする際には、飛沫を吸い込むリスクがあります。

きちんとマスクをしていても、わずかな隙間から入り込んでくるかもしれません。

なので可能な限り、飛沫が浮遊しているかもしれないエリアの空気を吸わないようにしなければなりません。

最近私は、いくらウイルスに晒されても、息を吸わなければ何も入り込んでこないことに気付きました。

つまり、いま自分の周囲を漂う空気が怪しいと思うときは、息を止めておけばいいのです。

ウイルスとの戦いはまさに、吸うか吸われるか、ん、違う、ともかく、吸わない、諏訪内晶子です。

というわけで発熱外来の診察中には、原則として私は息を吸いません。今日もそのようにしました。

患者を前に私は、息を吐くか喋るのみです。なので喋りの最後の方はたいてい、絞り出すような声になります。

そしてその場をできるだけ離れ、安全な所まで移動し、後ろを向いてプハーッと息を吸い込むのです。

今日のPCR検査は33人でした。保健所から濃厚接触者との認定を受けた有症状者も、多数含まれていました。

陽性者は10名以上になりそうな感触です。結果が判明する明日の夜はまた、だいぶ残業になりそうです。