手指消毒液の添加剤でサラサラからのヌメヌメ

新型コロナ感染急拡大の中、熊本城ホールの新型コロナワクチン大規模集団接種会場へ出動してまいりました。

今週は火曜と金曜の出動なので休診日丸潰しですが、今日の通算8回目でついに、出動は最後です。

熊本城ホールでの大規模集団接種自体が、今週で終了となり、来週からは小規模接種会場となるようです。

今日の来場者は約2,000人。私が予診を担当したのは、過去最多の170人でした。

単純計算では、全体の12分の1を問診したことになります。今日は出動医師数が少なかったのかもしれません。

今日も全員が2回目の接種で、やはり大半(106人)が基礎疾患のない60歳未満の方でした。

予診を一人終えるたびに、備え付けの手指消毒液「ステアジェル(カワモト)」を手指にしっかり塗布します。

このようなジェルタイプの液は、最初はベトベトしますが、しばらくするとスッと乾き、サラサラになります。

成分を見ると、エタノールの他、ヒアルロン酸Na、PG、カルボキシビニルポリマー、TEAが含まれています。

ヒアルロン酸は、よく知られた保湿剤。PG(プロピレングリコール)も、よく使われる保湿剤のようです。

カルボキシビニルポリマーも代表的な高分子ポリマーらしく、TEA(トリエタノールアミン)はpH調整剤。

なんと、ジェルタイプの消毒液って、保湿剤だらけじゃないですか。

エタノールが揮発しても保湿剤は残るので、ジェルを使うたびに、手指に保湿剤が残留していくはずです。

その多量の保湿剤が皮膚に厚く付着しているのを、サラサラ・スベスベに感じて有り難がっているわけです。

ところが、トイレに行って手を水洗いした瞬間、皮膚に堆積していた保湿剤が突然、存在を露わにします。

保湿剤が一気に水を含んで手がベトベト・ヌメヌメになるのです。洗っても洗ってもヌメリがとれません。

手指消毒液は、仕事柄、毎日100回も200回も使うので、手荒れを防ぐための保湿剤の配合は有益です。

しかしジェルタイプは、携帯用には便利だとしても、医療現場で固定的に使うには添加剤が多すぎますね。