和歌山県の医療機関で、11歳の小学生に誤って新型コロナワクチンを接種した事例が、報じられました。
11〜12歳が対象の「2種(ジフテリア・破傷風)混合ワクチン」を接種する予定の児童への、過誤接種です。
「児童は微熱があるほか接種した腕が腫れているということで、健康状態の確認を続けています」とのこと。
12歳なら接種できるワクチンを11歳に接種することが、医学的な大問題を引き起こすとは思えません。
それに元々新型コロナワクチンは、12歳以上でも成人でも、腫れたり痛んだり熱が出やすいワクチンです。
それよりも、当該医療機関の接種体制が問題です。ワクチンを取り違えた経緯がとても気になります。
新型コロナワクチンは、冷蔵庫から出したバイアルを室温に戻した後、希釈して調整する必要があります。
一方で2種混合ワクチンは、冷蔵庫から出したバイアルからそのままシリンジに吸い取って注射するだけです。
面倒な希釈作業が必要な新型コロナワクチンと、準備不要な2種混合ワクチンを、なぜ間違えたのか。
考えられることは、ワクチンの間違いではなく、被接種者の取り違えでしょう(あくまで推測ですが)。
たとえば、同じ時間帯に、新型コロナと別のワクチンの接種作業を並行して行っていた可能性があります。
当院でも、やろうと思えばできることですが、敢えて、やっていません。接種の流れが悪くなるからです。
というか、新型コロナワクチンを接種する時間帯は、このワクチンに集中したいのです。
件の医療機関のように新型コロナと他のワクチンの接種を並行して行うなど、私にはとてもできません。