新型コロナの「抗原検査」にも、いろいろあります

東京五輪出場のために来日したウガンダ代表選手団9人のうち1人で、新型コロナ感染が確認されました。

成田空港到着時の抗原検査で陽性だった1人に、PCRで再検査を行ったら陽性だった、という経緯です。

「抗原定量検査『陽性』→PCR検査で確認」というのが、五輪海外選手らの来日時や滞在中の検査の流れです。

時間的制約や選手の負担を考慮したものでしょう。同じ唾液検体を用いて検査できるのが利点です。

「抗原定性検査『陰性』→PCR検査で確認」というのが、病状にもよりますが当院発熱外来での検査方針です。

鼻腔ぬぐい液を用いるこの検査法は簡便で判定時間も短いので、感染者の早期発見のためにはとても有用です。

同じ「抗原検査」ですが、定量検査はPCR検査並に感度が高いとされ、一方定性検査の感度はイマイチです。

なので抗原定性検査は、陰性証明のためには使えません。あくまで、陽性判定のために使う簡易ツールです。

とは言え、とりあえず抗原検査だけやってみましょうかというケースは、不本意ながら当院でも多いですね。

少なくとも発熱外来レベルでは、どのような検査も本人の承諾なしには行えません。

抗原検査なら応じるけどPCRはイヤ、という方に対して、PCR検査を無理強いすることはできません。

その「感度が低い」とされる抗原定性検査なので、もしも陽性だったら、もうPCRはせずコロナ確定です。

なので今回の五輪選手のような「抗原陽性→PCR検査」という報道があると、現場はやりにくくなるのです。

自宅も職場も、システムは二重化へ

Macでトラブることなどしばらく無かったのですが、忘れた頃にやって来るものですね。

今晩、いつものように帰宅して入浴して夕食を摂りながら、さてとMacBook Proを開いた時のこと。

画面真っ黒。あちこちキーを押しても、ウンともスンともジャーンともボワーンともリャーンともいわない。

もちろん、Mac歴32年の私が慌てるはずがありません。この程度のトラブルなど屁みたいなものです。

こういうときはまず、ACアダプタにつないで気長に様子を見る。これが正解。

しばら〜くすると、バッテリー切れ(残量3%)の表示が出ました。どうやら、充電ミスだったようです。

というわけで、今日はなんとか事なきを得ました。では問題。次に私がすべきことは何。

「ミスをしないように気を付ける」ではなく、「万一のためにバックアップ用のMacを導入する」でしょう。

考えてみたら、旅行用のMacBookがありますねえ。これを常に使える状態に整備しておくことにしました。

自宅はともかくクリニックでも、いま電子カルテシステムの「二重化」を準備している最中です。

完全二重化のためにはパソコンが2倍の台数必要ですが、それらはすでにほぼ購入済。そういうところは早い。

ところが新しいMacはOSも最新版なので、電子カルテも新バージョンしかインストールできません。

となると厳密には「システム二重化」ではなく、万一の際には「システム総替え更新」ということになります。

まあそれは覚悟しつつ、新システムの構築をチマチマやってます。この面倒な作業が実は私は大好きなのです。

感染収束の歓喜の中で、五輪開幕を迎えたかった

政府の分科会の尾身会長らは、東京五輪に伴う感染拡大リスクについての提言をまとめました。その要点は、

・当然のことながら、無観客開催が望ましい

・観客を入れるのであれば、現行の大規模イベントの開催基準より厳しい基準に基づいて行うべき

・都道府県を越える人の流れを抑制するため、観客は開催地の人に限る

・感染拡大の予兆があれば、時機を逸しないで無観客とする

・パブリックビューイングなどの応援イベントを中止し、飲食店などでの観戦の自粛要請を検討する

五輪中止は諦めた上でのギリギリの提言なのでしょうけど、実際はたぶん無観客にすらならない雲行きですね。

最近のNHKの世論調査でも、国民は政府の説明には納得していないけど、五輪開催には傾いているようです。

もはや中止を望んでも叶うまいという諦めなのか、国内の混乱を回避するために平和な道を選んだようです。

米国では、新型コロナワクチンの接種を完了すればマスクを着用しなくて良いと、CDCが発表しました。

カリフォルニア州などではマスク着用義務が解除され、Appleは店舗での顧客のマスク着用義務を廃止します。

マスクが不要になり、米国民は歓喜の中を大騒ぎしています。ホントに大丈夫なのかは後でわかるでしょう。

日本がいま米国のようなような状況だったら、どれほど喜びに満ちた五輪開幕を迎えられたことでしょうね。

その、たった数か月のワクチン接種進捗の差が、天と地ほどの差を生んだわけです。

次の接種ステージへの移行は速やかに願います

期待された新型コロナワクチン大規模集団接種会場で空きが目立つとは、さすがに予想できませんでした。

だからといって全国の高齢者に対象を拡大したときはに耳を疑いました。全国から高齢者を集めてどうするの。

ようやく今日から、対象年齢を18〜64歳に拡大させることになりました。流れとしては正解でしょう。

接種券が必要なので自治体によるスピード差の影響を被ることになりますが、やむを得ません。

むしろ、接種券なしでの接種が許容されている職域接種で、重複接種などのトラブルが起きないかが心配です。

いつどこで、誰がどのワクチンを接種したか、それを管理するアプリぐらい、ちゃっちゃと作って欲しかった。

接種会場でQRコードをピッと読み取ったらスマホに接種履歴が残り、それが厚労省にも送られる、みたいな。

同じアプリに、PCR検査の履歴も残るようにしたっていいわけですよ。接種歴と検査歴が一目瞭然です。

日本中でワクチンの接種が行われる事になることなど1年前からわかっていたのに、いまの準備不足は何。

行政のIT化が遅すぎます。日本人に無理なら台湾に外注したっていいんですよ。3日で作ってくれますよ。

熊本市のワクチン予約システムはトラブルが予想されたので、私は早々に離脱しました。それは正解でした。

当院ではこれまで約1カ月、何の支障も無く、日々のワクチン接種を粛々と続けています。

来月には64歳以下へ接種対象が拡大されますが、熊本市に従えば、予約開始が7/10で接種開始は7/26です。

でもその規定を厳しく守ろうとしたら、接種を足踏みして時間を無駄にすることになる可能性があります。

もはや原則や公平性にこだわるのはナンセンス。市民への接種を早く完了することが最重要目的なのですから。

ファイザーとモデルナの併用を認めると言うけれど

日本で使っている新型コロナワクチンは、ファイザー製とモデルナ製です。

個別接種や集団接種の多くで使われているのがファイザーで、大規模集団接種や職域接種ではモデルナです。

このうちファイザーのワクチンの供給量が、来月から半減することになっています。

そのため、もしもワクチンが品薄になって入手困難となれば、当院では接種ができなくなるかもしれません。

「1会場1ワクチン」の原則があるので、ファイザーが無いならモデルナを使うということはできません。

1回目と2回目で異なるワクチンを接種できないし、2つのワクチンが混在するのは間違いの元だからです。

しかし、今回ついに集団接種会場では、ファイザーからモデルナへの変更が認められることになりました。

さらに河野担当相は、ワクチン切替の際は例外的に、1会場で両ワクチンの併用を認めるとも述べました。

1回目をファイザーで接種した人の2回目が終わるまで、と考えたら、その切替期間は3週間に及びます。

柔軟な対応だとは思いますが、危険をはらんだ措置だとも言えます。また新たなトラブルの元ができました。

なぜなら、ファイザーとモデルナとでは、その取り扱い方にもずいぶん違いがあるからです。

・保管温度:ファイザーは-75℃、モデルナは-20℃

・製剤調整:ファイザーは希釈が必要、モデルナは希釈不可(そのまま使用)

・注射用量:ファイザーは0.3ml、モデルナは0.5ml

・接種間隔:ファイザーは3週間、モデルナは4週間

これまでにファイザー単独でも、生食を注射したり希釈せずに注射したりするようなミスが多数起きています。

冷凍庫の電源が切れたり、温度管理を間違うような事例もたびたび報道されました。

同じ人が同じ日に2回の接種を受けるという驚くようなケースも、何度か聞きました。

そんな集団接種会場で、希釈の有無や1回接種量が異なる2種類のワクチンを同時に扱うとはチャレンジです。

1回目にファイザーを接種した人に、2回目はモデルナを打ってしまった、なんて事例がいつか出てきそう。

モデルナを希釈して接種したとか、0.3mlしか接種しなかったとか、そんな報道がもう、目に浮かびます。

会場内を区分して、人員もファイザーチームとモデルナチームに分けて・・・考えただけでも大変そうですね。

野菜を多く摂っていても、炭水化物の食べ過ぎには注意

「私の〜、指示する前に〜、焼かないでください〜」

前菜のブロッコリーと格闘していた私が先日、次の夕食メニューを焼こうとした家人を止めたセリフです。

さようなほどに、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2386.html" target="_blank" title="毎晩ブロッコリー">毎晩ブロッコリー</a>を1株食べるのには、かなり時間がかかります。

私にブロッコリーを出して家人は風呂に入り、上がり、髪を乾かし、食卓に戻ってきても、私はまだ食べてる。

これまでブロッコリーに費やした時間を全部足したら、富士山まで届くぐらいです。東京ドームで何杯分です。

夏場なので、ブロッコリーの次には枝豆が出ます。当然、一枝食べるわけですが、これも時間がかかります。

大皿に盛られた枝豆を食べながら、その房(さや)の殻を皿の周囲にぐるっと並べていくのが私の流儀です。

これを書きながらふと、全部で何個あるんだろうと思いついていま数えたら、86房でした。

これらのルーチン「前菜」2品を食べ終えたら、やっと今日の夕食のメニューに移ります。

友達の中村君がアップしていた誕生日のお寿司の画像がそそったので、私も今日はフーディーのお寿司です。

それから次には、ANAの国際線エコノミーの機内食の通販から、今日はデミカツ丼をいただきました。

考えてみると、1日1食のはずの私が今日は、昼食も摂ってしまっていたことに気付きました。これは痛恨。

ミスドの「むぎゅっとドーナツ」がどうしても気になって、むぎゅっと2個、食べてしまったんですね。

そんな風に炭水化物を多く摂った日は、確実に尿量が増えます。たぶん血糖値が上がってますね。いけません。

春の職場検診も、先日の人間ドックも、何も異常はなくHbA1Cも低値でしたが、油断してはなりません。

心を入れ替えて、明日からは真面目に1日1食を厳守しましょう。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3528.html" target="_blank" title="休甘日">休甘日</a>も仕切り直しです。

新たな注射針はスグレモノでしたが、シリンジがダメ

新型コロナワクチンは、4日前に届いた太いシリンジで、今日の接種を行いました。

たしかにシリンジは太いですが、そのかわり注射針が変更されていて、これがなかなかのスグレモノでした。

針の基部の構造物がシリンジの筒先内部にまで入り込むという、見たこともない画期的な構造なのです。

シリンジ先端を針の基部に差し込むのが従来型ですが、今回の針はその逆。針をシリンジに差し込む形です。

ギリギリまでローデッドスペースを目指す工夫の中でも、この逆転の発想はすばらしい。特許に値します。

ていうか、図示せずに言葉だけで書いても、なかなか伝わりませんかね。

そのかわり、この注射針を使う場合には、筒先に押し子が入り込む従来型のローデッドシリンジが使えません。

この点は私も誤認していました。詳細を確かめずに書いた<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3537.html" target="_blank" title="先日の記述">先日の記述</a>を訂正します。

前回まで使っていたシリンジと針とは外見上は似ていますが、実はまったく異なる組み合わせだったのです。

ただし良いことばかりではありません。せっかく注射針はすばらしいのに、シリンジがいただけません。

目盛りがアバウトなので誤差が心配だし、シリンジが固いのはシャレになりません。

とくに内筒を動かし初める時の、いうなれば「静止摩擦」が大きくて、接種するときにも戸惑うほどです。

この固くて雑なシリンジは、針の優秀さを台無しにするほど問題だと感じました。

毎日毎日、大事なワクチンを接種している中で、このようなストレスはなるべく減らして欲しいものです。

ANAが「職域接種」を開始

新型コロナワクチンの「職域接種」は、ANAが一番乗りしました。まずは国際線の乗務員から。

いやホント、この人たちには最優先で接種すべきですよね。職域接種制度が作られて良かったです。

医師1名・看護師ら3名などの体制で、1日当たり300名の接種を行う予定とのことですが、今日はまず50人。

当初は6月21日から始める予定だったものを、ANAは「準備が整った」ので、大幅に前倒ししたようです。

始められるから始める。やれることはすぐやる。こんな当たり前の機動性が、自治体接種にもほしいですね。

熊本市では来週6月18日から、12歳から64歳の市民への接種券の発送を、年齢順に開始します。

てことは、6月下旬から接種券が届き始めるわけですね。

ところが予約受付開始は、早いグループ(60歳以上・基礎疾患のある方など)でも7月10日からです。

また接種開始は、7月26日から。これはつまり、65歳以上の方の接種が済んでから、という考え方です。

集団接種はもちろんですが個別接種でも、このような接種時期の遵守が、おそらく求められるでしょう。

でも、そんな規定をバカ正直に守らなければならないのでしょうか。現場には臨機応変にやらせてほしい。

高齢者向けの7月中の個別接種枠に空きがあれば、64歳以下の方の接種をそこへ入れたっていいでしょう。

そのための予約受付も、どんどん進めていけばいいと思います。何でも早めにやることですよ。

大事なのは、接種を希望する市民全員が最も早く接種を完了できるためには何をすべきか、ってことでしょう?

公平性を保つために全員の接種が遅くなるような愚を繰り返すことだけは、もうやめましょう。

ワクチンの安全性についての、ダブルスタンダード

新型コロナワクチンについて、生活習慣病で通院中の64歳以下の方から受ける質問が、2パターンあります。

(1)私は、基礎疾患を有する者として、次の優先順位で接種を受けられますか?

(2)私は、生活習慣病で治療中ですが、ワクチンを接種しても大丈夫ですか?

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3498.html" target="_blank" title="高齢者でも同様">高齢者でも同様</a>でしたが、前者は接種を待ち望んでいる方であり、後者は接種をためらっている方です。

あるいは、前者はコロナを恐れる方で、後者は副反応を恐れる方、と言い換えることができるかもしれません。

後者のような人たちの不安を解消すべく、厚労省はワクチンの安全性についての啓蒙活動に躍起です。

厚労省のサイトには、「ワクチンの副反応の評価について 」という重要な記載があります。その要旨は、

・ワクチンの副反応をなくすことは困難。接種で得られる利益と比較して、接種の是非を判断する必要がある。

・副反応報告では、ワクチンと関係があるか、他の原因によるものかが分からない事例も数多く報告される。

・接種の後に生じた事象も、それだけでワクチンと因果関係があるかどうかが分からないことに注意が必要。

・予防接種は、体内に異物を投与し免疫反応を誘導するため、100%の安全性を求めることはできない。

・有効性が副反応のリスクを上回る場合、接種が許容されるが、丁寧な情報発信・説明の上で接種すること。

・有効性は多くの人が享受する一方で、重度の副反応は一部の人に生じ、健康被害救済制度の整備が重要。

驚きました。これほどの理解がありながら、厚労省はどうして<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3476.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>の勧奨接種を止めたのでしょう。

少々の副反応があっても新型コロナワクチンは推進する一方で、HPVワクチンではだんまりを続けています。

双方のワクチンへの対応の違いの、医学的根拠がわかりません。まったく不可思議なダブルスタンダードです。

Apple WatchでiPhoneのロック解除

たびたび手洗いすることが増えたので、この1年半ほどは、診療中に腕時計を装着していません。

脈拍数を正確にカウントするためには壁の掛け時計を見る必要がありますが、そんな機会は多くはありません。

めったに外出もしなくなりましたが、休診日の今日、久しぶりにあちこちうろつきました(詳細はひみつ)。

こんな時ぐらい腕時計をしようかと、1年以上「充電中」だったApple Watchを着けることにしました。

まずはOS(watchOS)を最新の7.5に更新。watchOS 7.4以降ではiPhoneのロック解除機能が付いてますね。

もちろんiPhoneのOSも更新しておかなければなりません。必要なのはiOS 14.5以上。私のは14.6なのでOK。

これで、マスクで顔が覆われていても、Apple Watchを腕に着けておけばiPhoneのロックが解除できます。

使ってみると、ロック解除どころか、Apple Watch装着中はiPhoneがロックできないぐらいの感覚ですね。

コロナ禍でマスク装着中のFace ID搭載iPhoneってホント不便でしたから、このロック解除は「神機能」です。

このためだけにでも、Apple Watchを着けたくなるぐらいです。明日から、診療中にも着けようかな。

ところで、犯罪者のiPhoneのロック解除をFBIが要請してもAppleが応じなかったって話、ありましたよね。

でも容疑者がApple Watchを着けてたら、iPhoneのロックは容易に解除されてしまうわけです。

なのでFBIに逮捕されそうな方は、なるべくApple Watchを使わないか、逮捕前にすぐ外すことが肝要。