「五輪開催がコロナ感染拡大につながらないか、天皇陛下が懸念していると拝察している」
西村宮内庁長官のこの発言が、波紋を広げています。その発言に対する政治家の反応が気に入りませんね。
加藤官房長官はそれを長官ご自身の見解だと述べ、菅首相も同様に長官本人の見解だと言い切りました。
天皇陛下が政治的発言ができないことを考慮し、宮内庁長官も政治家も、このような発言になるのでしょう。
しかしたとえそうであったとてしても、政治家らの木で鼻をくくったような発言は、聞いてて不愉快です。
「長官の発言を聞き、私もまた長官と同じように、天皇陛下のお気持ちを深く拝察いたしたところであります」
せめてこのぐらい言えば、「どうせ口先だけだろ」とは思いながらも、不愉快な気分にはならないのに。
まあそのことに限らず、首相も官房長官も、何を問われてもはぐらかすし、発言が不誠実で中身がありません。
菅首相はよく、「いずれにせよ」、という言葉を使います。これは私がいちばん嫌いなフレーズです。
重要な質問を受けても明確な回答は避け、議論を終わらせ、自分の言いたいことだけを言うための接続詞です。
最終的には、自分の責任で決断すればそれで結構。でも、人の言うことぐらいちゃんと聞く態度でなきゃ。