「ファイザー」といえば新型コロナワクチンですが、禁煙補助薬「チャンピックス」も作っています。
当院でも行っている「禁煙外来」では、3カ月間で4回ほどチャンピックスを処方して、禁煙に導きます。
ところがそのチャンピックスが今月、突然「出荷保留」となりました。供給が完全に止まりました。
他国に出荷された特定ロットにおいて、発がん物質の一種「ニトロソアミン」が検出されたのがその原因。
念のため、出荷済および製造中の全ロットにおいて検査をすることになり、出荷保留となったわけです。
困るのは禁煙外来通院中の方です。薬が切れると禁煙の継続が困難になる恐れがあり、禁煙外来が台無しです。
メーカーの都合で禁煙外来が中断し、それが原因で結果的に禁煙に失敗することにでもなれば大問題です。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-50.html" target="_blank" title="11年前">11年前</a>にも、チャンピックスの欠品騒ぎで迷惑を被ったことがありましたが、今回はそれよりもタチが悪い。
そもそも禁煙は、タバコに含まれるニコチンやニトロソアミンなどの有害物質の体への影響をなくすのが目的。
ところがその禁煙補助薬に、どうしてニトロソアミンが混入するんですかね。
当院ではもう、隣の薬局が持っている在庫の範囲でしかチャンピックスを処方できません。わずかな量です。
計算上、いま禁煙外来通院中または通院予約済の方の分しか薬がなく、もう新規予約は受け付けられません。
「コロナに罹ったら重症化しやすいですよ」という新手の「殺し文句」で、禁煙外来を勧めて来たというのに。