ワクチンの安全性についての、ダブルスタンダード

新型コロナワクチンについて、生活習慣病で通院中の64歳以下の方から受ける質問が、2パターンあります。

(1)私は、基礎疾患を有する者として、次の優先順位で接種を受けられますか?

(2)私は、生活習慣病で治療中ですが、ワクチンを接種しても大丈夫ですか?

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3498.html" target="_blank" title="高齢者でも同様">高齢者でも同様</a>でしたが、前者は接種を待ち望んでいる方であり、後者は接種をためらっている方です。

あるいは、前者はコロナを恐れる方で、後者は副反応を恐れる方、と言い換えることができるかもしれません。

後者のような人たちの不安を解消すべく、厚労省はワクチンの安全性についての啓蒙活動に躍起です。

厚労省のサイトには、「ワクチンの副反応の評価について 」という重要な記載があります。その要旨は、

・ワクチンの副反応をなくすことは困難。接種で得られる利益と比較して、接種の是非を判断する必要がある。

・副反応報告では、ワクチンと関係があるか、他の原因によるものかが分からない事例も数多く報告される。

・接種の後に生じた事象も、それだけでワクチンと因果関係があるかどうかが分からないことに注意が必要。

・予防接種は、体内に異物を投与し免疫反応を誘導するため、100%の安全性を求めることはできない。

・有効性が副反応のリスクを上回る場合、接種が許容されるが、丁寧な情報発信・説明の上で接種すること。

・有効性は多くの人が享受する一方で、重度の副反応は一部の人に生じ、健康被害救済制度の整備が重要。

驚きました。これほどの理解がありながら、厚労省はどうして<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3476.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>の勧奨接種を止めたのでしょう。

少々の副反応があっても新型コロナワクチンは推進する一方で、HPVワクチンではだんまりを続けています。

双方のワクチンへの対応の違いの、医学的根拠がわかりません。まったく不可思議なダブルスタンダードです。