東京五輪開幕まで、あと45日。盛り上がってますね。ただし、開催できるのかどうかの議論で。
日本中が五輪一色に染まっているはずだったこの時期に、誰も予測できなかった展開が進行中です。
もはや五輪の再延期や中止を決断できずに突き進むしかない政府を、批判しながらも諦め半分に見ている国民。
新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が4日前に、こんな状況での五輪は「普通はない」と発言しました。
解釈は分かれます。普通はやらないほどの状況なんだから覚悟せよ、という意味で言ったのかもしれません。
しかしまた言葉通りに、普通はやらんぞアホか、と言いたいのかもしれません。
尾身会長はさらに、五輪開催に関する提言を準備していると発言したものだから、政治家が反応しました。
田村厚労相は、「(尾身氏の提言は)自主的な研究の成果の発表だと受け止める」と、突き放す言い草。
都合の悪い提言が予想されるため、何を言われても重要視はしませんからねと、前もって釘を刺したわけです。
専門家が何か言う前から、聞く耳を持たない姿勢を公言するとは、政治家としてまことに残念な態度です。
批判が相次いだためか田村氏は今日、「研究の自主性はいちばん重要」だと、苦しい釈明を始めました。
「誤解を招いたとしたら、言葉の使い方を改めなければならない」という言い訳はしかし、響きません。
最終的には、政治決断をしていただければそれで結構。どんな結果であれ、国民が選んだ政治家ですから。
それなのに政治家は、ごまかしたり、はぐらかしたり、国民に対して誠実じゃないからダメなんです。
国民も、政治家も、ともに新型コロナ感染症の被害者のはず。どうして同じ側に立てないんでしょうね。