神戸市で、新型コロナワクチン960回分を誤って最長3時間ほど常温に置き、使用できなくなった件。
3時間は論外としても、5分や10分ほど放置した後に冷蔵するようなケースは、今後もあるかもしれません。
ワクチンの効果が減弱または消失しかねないようなルーズな管理に、現場の誰かが気づくかどうかです。
960回分がムダになったことよりも、温度管理の重要性と現場の認識の甘さが露呈した一件だと思います。
誰も気づかなければ、問題のワクチンはそのまま接種に使われます。見た目には何の異変もありませんから。
やっと接種出来た希望のワクチンが、じつは手違いで効果の無いものだったとなれば、なんと罪深いことか。
その意味では、ワクチンの希釈を間違えて、うっかり生理食塩水を注射してしまった奈良の事案も同じ事です。
使用後のバイアルに生食を注入した時点で、もはやこの液体がワクチンかどうかは見た目ではわかりません。
誰にも気付かれないまま、効果の無い液体が注射されたケースが他にないかどうか、確かめようもありません。
通常の予防接種でミスが起きにくいのは、準備から接種までの手順が確立し、作業が安定しているからです。
一方で新型コロナワクチンは、管理が難しく接種方法も新しいという、強い緊張を強いられる接種作業です。
それなのに、7月末までに接種を終えよ、などと無理筋な指示を受け、安全な接種が脅かされているのです。
昨日、各医療機関の9月初めまでの毎週の接種計画数を尋ねるFAXが、熊本市から届きました。
7月末までの接種数の総計で、熊本市の高齢者全員が2回接種できるか、調査したいのでしょう。
ただしその回答期限を待たず、熊本市は「高齢者の接種は7月末完了見込み」と発表してますけどね。