新型コロナワクチンの接種は、多くの自治体で、高齢者向けに予約受付が始まりつつあります。
NTTや携帯各社は、他の電話がつながりにくくなるのを避けるため、予約用番号への着信を制限するとのこと。
予約電話の集中と、それによる混乱なんて、容易に予測されたことです。
これだけ数が限られるワクチンの場合、そもそも先着順に受け付けることが間違いなんじゃないですか。
先着順は「公平」だと言いますが、ネットや電話はつながりにくく、予約できるかどうかは運・不運です。
苦労がなかなか報われず、混乱を招くばかりで、その結果には「不公平」感が漂います
それならば、最初っから抽選にした方が混乱を避けられるだけマシじゃないですか。
さらにその抽選の混乱をも防ぎたければ、各自治体がそれぞれの基準と責任で接種順を決めてしまえばいい。
熊本市も、高齢者施設の入所者を優先したところまでは良かったのに、その後の戦略がダメダメですね。
毎週毎週すべての高齢者に「公平な機会」を与えようという現在の予約受付方式は、申し訳ないけど愚策です。
電話会社の通信制限によって、明日以降の予約電話はますますつながりにくくなることでしょう。
コールセンターにつながらなければ、当然、医療機関に直接電話をかける方も増えることになります。
ですがいくら電話されても、各医療機関の接種枠なんて、かかりつけの方の予約ですぐに埋まってしまいます。
「一見さんお断り」的な事は言いたくないですが、かかりつけの方ですら、大半はお断りしているのが現状。
一般診療や発熱外来も行っている医療機関で、コロナワクチンを接種できるキャパなんて限られているのです。
となると解決法は集団接種です。熊本市でも計画されているので、私も時々接種会場に出動するつもりです。
ただ、そのために自院を臨時休診しなければならず、その分、個別接種が減るというジレンマがあります。
1日100万人接種する、なんて菅首相がぶち上げたところで、現場でできることはすでにキャパ一杯です。