「ソラシドエアドゥ」発足

「AIRDO(エア・ドゥ)」と「ソラシドエア」が、共同持株会社を設立することを正式に発表しました。

AIRDOが「北海道の翼」なら、ソラシドエアは「九州・沖縄の翼」。どっちも頑張って欲しい航空会社です。

九州人としてはAIRDOに乗る機会は少ないですが、キャラクターの「ベア・ドゥ」君がなんとも可愛い。5歳。

一方でソラシドエアは、コーポレートカラーの「ピスタチオグリーン」が、私は好きです。

空を飛ぶピスタチオグリーンを、職場付近からでも時々見かけます。主翼の先と尾翼とエンジンがこの色です。

ブランド名は、「空から笑顔の種(シード)をまく」から来ているそうですが、ピスタチオなら蒔いてほしい。

熊本から東京(羽田)に飛ぶ定期便は、ANA5便、ソラシドエア5便、JAL8便です。

ただし今は、ANAもJALも大半が欠航しています。例えば明日は、ANAは2便、JALも3便しか飛びません。

ところがソラシドエアは、5便すべてが飛んでいます。これは素晴らしい。

すべてがANAのコードシェア便なので、ANAが合計7便飛んでいるようにも見えます。

羽田空港第2ターミナルでは、福岡便を除く九州便の搭乗口は、悲しいかな最果ての地に追いやられてますね。

しかもANAが南ピア、ソラシドエアが北ピアと、搭乗口が第2ターミナルの両極端。

何年か前、ソラシドエアで帰熊する際、うっかりANAのつもりで南ピアに行ってしまったことがあります。

間違いに気づき、ゼーゼー言いながら半泣き&汗だくで、1キロ以上を小走りする羽目になりました。

ギリで間に合いはしましたが、たぶんその時のソラシドエア機内には、汗臭が充満したと思います。

「基礎疾患を有する方」カテゴリーに無理がある

65歳以上の方への新型コロナワクチンの接種が進む中、最近は64歳以下の方からの質問が増えてきました。

次の優先接種順位である「基礎疾患を有する方」に、自分は該当するのか、そうならいつ接種できるのか、と。

当院かかりつけの、高血圧や糖尿病の方は皆さん、その「基礎疾患を有する方」カテゴリーに該当します。

しかし、単に脂質異常症や高尿酸血症、脂肪肝や軽度の肥満等だと、厳密には優先接種対象ではありません。

とは言え、それらの生活習慣病の方にはしばしば心肺機能や肝腎機能に異常があり、その意味では対象です。

「肥満」の定義である「BMI30以上」だって、接種前に身長・体重をチェックするわけじゃありません。

それにBMIは28程度でも脂肪肝や耐糖能異常があるとか、そんな合わせ技だってあるじゃないですか。

その人の基礎疾患の重症度は、特定の臓器異常単独で決めるべきではありません。総合点が大事です。

新型コロナに感染した場合に重症化しやすい人たちの接種を優先するという趣旨を、忘れてはなりません。

さいわい、接種会場での基礎疾患等の証明書の提示は不要です。予診票の記載内容がすべてです。

そしてその予診票の記載内容が真実かどうかを、問診医が判断するのは困難です。信じるしかありません。

かかりつけ医なら正しい判断ができるわけですが、あなたは対象外だから接種できないとも言いにくい。

そもそも「基礎疾患を有する人」というカテゴリー設定に、無理があるのです。現場の混乱が目に見えてます。

優先接種対象の人数がわからないので、接種計画も立てにくい。どうせ予診票は全員に送るしかないのだし。

そんななか、田村厚労相は今日、基礎疾患がある人と並行して一般の人への接種も始められると述べました。

ワクチン接種を加速させたいという大義名分を掲げる裏で、優先順位設定の問題点をこっそり改める形です。

おそらく今後、基礎疾患云々という条件が、事実上撤廃されるんじゃないかと、私は期待しています。

ワクチン接種の可否は、問診医が決めます

新型コロナワクチン接種の予診票が、少しだけ簡単になります(今後印刷される分からです)。

「現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬)などを受けていますか」という設問のその次の、

「その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか」の問いが廃止されます。

「この設問があることで、事前に医師への問い合わせが必須であるとの誤解を生じている例がある」と厚労省。

「医師によいと言われたか」という設問なのに、「問い合わせが必須だとは言ってない」とは屁理屈ですね。

「誤解の例がある」と問題を矮小化するわりに、キッパリ規定を変えるようです。

当院かかりつけの方の多くが当院で接種するので、この手の問い合わせは多くはありませんが、時々あります。

今後、「基礎疾患を有する方」への接種が始まったら大変。だから今のうちに予診票を修正したわけですか。

ともかく今回、「事前の医師への問い合わせは必須ではない」という厚労省の見解が示されたわけです。

従来の予診票の「医師のOKはあるか」に対して「いいえ」と書いてあっても、問診医の判断で接種可能です。

新型コロナワクチンですらこうなのですから、従来のワクチンも同じ考えで良いですよね。覚えておきます。

温度管理が悪くても、ワクチンの外見は変わらないのが問題

横浜市の集団接種会場で、冷蔵庫の電源が抜けかけていたために、新型コロナワクチンを常温保管していた件。

前にもありましたが、とにかくワクチンは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3437.html" target="_blank" title="温度管理">温度管理</a>がキモです。見た目は変わらないけど、変質するのです。

異常に気付くまでに119人に接種してしまったのは問題ですが、気付いてからは正しく対処できて良かった。

でも、冷蔵庫のコードが自然に抜けるって、どういう状況なんでしょうね。夜間の清掃作業で触れたとか?

翌朝、電源コードの抜けかけに気付いた誰かが、単にコードの差し直して済ませていたら、どうなったことか。

温度管理の不備にはだれも気付かず、何事も無かったように接種が行われたことでしょう。そっちの方が怖い。

その冷蔵庫は、庫内温度に異常があるとアラームが鳴る仕様ですが、電源が切れていたので鳴りませんでした。

当院の保冷庫も同じ仕様ですが、このアラームは、扉の開放による庫内温上昇への警告であり、停電には無力。

その停電ですよ、私がいちばん恐れるのは。長時間の停電で庫内温度が上がったら、ワクチンは全滅ですから。

数分間の停電なら扉を開けなければ良いですが、時間が長くなると問題。夜間や休診日の停電は恐怖です。

夜間に長時間停電し、しかし翌朝には復旧していた場合、夜間の停電に気付けなかったら大問題です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2021.html" target="_blank" title="熊本地震">熊本地震</a>の本震の時、自宅が一時停電したので、翌朝あわてて出勤。クリニックの電気はついていました。

もしかすると、夜間に短時間停電していた可能性はありますが、その程度なら庫内温度は上がっていないはず。

電子カルテのPCは無停電電源装置に接続していますが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-63.html" target="_blank" title="保冷庫">保冷庫</a>とコピー複合機は電力が大きくて無理。

落雷による停電も、たいてい時間は短いですがヒヤヒヤしますね。地震・雷は、いまも恐怖のトップ2です。

新型コロナワクチン接種への支援策と、集団接種への出動計画

新型コロナワクチンの個別接種を促進するための財政支援策を、厚労省が打ち出してきました。その要点は、

・時間外や休日の接種単価を上げる

・週100回以上接種すれば単価アップ、週150回以上接種すればさらに単価アップ

・1日50回以上接種すれば定額給付あり

なんか医療機関(医師)の足元を見られたようで、素直に喜べない、ちょっと感じの悪い施策です。

それにどっちみち、週100回とか1日50回なんて無理。一般の診療や発熱外来が回らなくなります。

どうしてもやるなら、休診日を返上して、1日全部ワクチン接種に充てるしかありません。

市民の早期接種に貢献したいなら、いっそ休診日に集団接種会場に出動すればいい。私はそう考えました。

といういきさつは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3521.html" target="_blank" title="先日書いた">先日書いた</a>通り。熊本城ホールで6月21日から始まる、6週間の大規模接種への参加です。

ならば善は急げ。市の担当者に電話して、「火・金なら協力できるかも」と伝えたのが2日前のこと。

さっそく今日の昼、ノリの良い担当者から連絡がありました。

「先生の出動日が決まりました。10時から18時の勤務です。日程を読み上げます」 どうぞ

「6月22日(火)」 お、さっそくそこからですか

「6月29日(火)」 おっと、2週連続で来ましたか

「7月2日(金)」 え、なに、週に2回ですか

「7月6日(火)」 うわ〜、続きますね

「7月9日(金)」 マジですか、それ

「7月13日(火)」 いや、ホントに

「7月16日(金)」 冗談キツイっすよ

「7月20日(火)」 だからホントに

「7月23日(金)」 そこ祝日ですよね

「7月27日(火)」 許して〜

「7月30日(金)、以上です」 異常ですわ、マジで

そんなわけで、6週間で12日の休診日のうち11日ほど出動せよとのご下命を、とりあえず承りました。

でも、たぶん全部は無理です。出動医師の確保で困っていることはわかりますが、私の身が持ちません。

熊本市のワクチン予約受付が、ようやく再開へ

熊本市の新型コロナワクチン接種の予約受付が、5月29日に再開されることになりました。

不具合が起きたため5月19日から中断されていました。この大事な時期に10日間も中断とは、ひどい話です。

大西市長は本日、記者会見で「見通しが甘かった」と謝罪しました。

簡単におっしゃいますけど、つまり、ワクチンを渇望する市民を、完全に見くびっていたということですよ。

でもおかしな事に、再開するネット予約では、2回目の日時と会場を、すぐに被接種者には教えないようです。

システム上はすぐに設定しても、それを本人に通知するのは10日後だとか。その10日のタイムラグって何?

新型コロナワクチンの2回目が1回目の21日後だということは、市民はみな知ってます。予定も空けてます。

よけいな気遣いは要りません。1回目と2回目は同時に機械的に決める。単純にそれでいいじゃないですか。

最初から2回目を確定しておかないと、心配になって自分で2回目の予約を入れる人だって現れかねませんよ。

ヘタに自由度を持たせるから、計画がグチャグチャになるんです。これじゃ前回の混乱の二の舞ですよ。

どうして市役所の人たちって、そういう創造力に欠けてるんでしょうね。

高齢者ですらこれですから、次の「基礎疾患を有する」現役世代の方の接種は、どうなるんだろうと思います。

(5/27追記)

前回の、混乱して中止した予約受付の際に、中途半端に登録されてしまっている予約が山ほどあるようですね。

それらの予約枠の隙間を利用しての、今回の予約受付再開なので、機械的な受付は難しいようです。

熊本でもいよいよ、集団接種が始まる

全国各地で、新型コロナワクチンの集団接種が行われています。熊本市でも、明日から段階的に始まります。

当院では今、かかりつけの高齢者の方への個別接種を行っていますが、それにはやや不本意な面もあります。

かかりつけではない方への接種が後回しになるどころか、その方々への接種枠すら確保できないからです。

日常診療を並行して行いつつ、また発熱外来との時間帯分離にも気を付けると、接種の時間が足りません。

当院での接種でさばける接種人数は限られるのです。じゃあ、休診日を返上して接種をするか?

いやそれならば、熊本市の集団接種に出動して、かかりつけでは無い方への接種に貢献しようと考えました。

ただ問題は、6カ所の集団接種会場の稼働日が、水・木・土・日・祝と、すべて当院の診療日なんですね。

当院の休診日は火曜と金曜。しょうがないので、どこかに臨時休診日を設けて出動するしかありません。

私が集団接種に貢献するためには、自院での個別接種を減らさなければならないというジレンマがあるのです。

と思っていたら朗報です。6月21日から、熊本城ホールで連日の大規模接種が始まるというじゃないですか。

期間は6/21から8/1までの6週間。前半の3週間で接種した人が、必ず3週間後に2回目を受けられる計算です。

毎日10時〜18時に2,400人ほど接種するという、大都会並の計画。6週間で約5万人に2回接種できます。

出動医師は毎日16人を募集するようなので、1人で150人ほどの問診を担当するんですね。やりましょう。

というわけで、私の休診日の仕事が決まりました。でも、高齢者が終わったら、次はどうするんでしょうね。

ワクチンのかわりに生理食塩水を注射してしまった問題

新型コロナワクチンの接種では、誤って生理食塩水を注射した事例が、たびたび報じられています。

使用済のバイアル(薬瓶)を、誤って未使用だと思い込み、そこへ生理食塩水を注入して使用したようです。

これを、不注意だ確認ミスだと責め、もっと慎重に作業せよ、という精神論で片付けてはなりません。

使用済のバイアルが、なぜかまた利用できる状態でそこに置かれていた、そのことが問題なのです。

ワクチン液をシリンジに吸引して準備するための、たとえば当院の手順はこうです。

1.ワクチンのバイアルを保冷庫から出して室温に戻した後、生理食塩水1.8mlを加えて希釈する(薄める)

2.6本の専用シリンジに0.3mlずつワクチン液を吸引し、6人分(計1.8ml)のワクチンを準備する

さて問題。6本目のシリンジにワクチンを吸い取った後、その使用済バイアルは、どこに置けばよいでしょう。

これを、うかつにテーブルに置いたりするから、未使用のバイアルと間違えるのです。

使い終わったらすぐ捨てるか、「使用済バイアル入れ」などと明記された缶にでも入れなければなりません。

このワクチンの注意点は、1.8mlの生理食塩水を加えて希釈した後、1.8mlほど使用するということです。

未使用バイアル内のワクチン原液の量と、使用済バイアルに残っている残液の量が、計算上は同量なのです。

よく注意すれば、両者では透明度が違うので区別は付くのですが、そんな注意が必要な状況自体が問題です。

未使用か使用済かを気にする必要すらないように、使用済バイアルは即座に捨てる。コレが鉄則。

ドラマは脚本と配役で決まりますね

NHK大河ドラマ『青天を衝け』が、結構面白い。

見てない人のためにネタバレしませんが、今夜の「包帯シーン」なんて、まるで三谷幸喜じゃないですか。

それで思い出すのが、1995年の『八代将軍吉宗』の包帯シーン。あれはジェームス三木でした。大爆笑です。

そういう、細かい「おふざけ」が私にはツボです。

ハリウッド映画を観ていても、ハードな場面展開の端々に、笑わせるシーンが必ず入っています。

シリアス100%では疲れます。ときどき力が抜けるからこそ、次のシーンが思いっきり緊迫するんです。

なんにでも、緩急、メリハリが必要です。適度な休憩があるから、その次に力を発揮できる。

ところが昨年来の新型コロナ政策は、無計画にダラダラ続く、そのばしのぎの連続。先行きも見通せない。

史実に基づく大河ドラマは、結末が分かっているだけに、最後はどうなるんだろうという面白さがありません。

その分、いかに視聴者を引きつけるかという脚本と配役の妙が、ドラマの面白さのの鍵を握ってますよね。

田村正和が好演したドラマ『古畑任三郎』も、犯人が分かっている状態で進行する駆け引きが醍醐味でした。

状況設定も主人公のクセも『刑事コロンボ』によく似ています。たぶんある種オマージュなのでしょう。

両者とも、計算し尽くされた脚本と主演俳優のアクが、その面白さを決定する見本のようなドラマでした。

いま「アク人(アクト)」という言葉を思いつきましたが、蛇足でした。すみません。

でも、ドラマは「本(脚本)」と「人(俳優)」で決まるって事です。コレホント(本人)。また蛇足。

念には念を入れて、臨時休診

新型コロナワクチンは、インフルエンザワクチンよりも高頻度でやや重い副反応が、どうしても気になります。

一刻も早く接種したい方が予約に殺到する一方で、コロナのワクチンは打ちたくないという方もいます。

日本人における副反応の集計から、頻度の高い副反応の要点をまとめると、こうでしょうか。

(1)局所の痛み・腫れ、頭痛、発熱、倦怠感などが起きる

(2)もっとも症状が出やすいのは接種の翌日

(3)2回目の接種後の方が、1回目よりも副反応が強い

(4)女性や若い人の方が副反応が起きやすい

アナフィラキシーは、日本では数万回の接種に1回起きています。因果関係は不明ですが、死亡例もあります。

ワクチンの接種を控えたい人たちは、痛みや熱ではなく、このような重い副反応が気になるのでしょう。

頻度は少なくても、たとえ因果関係が不明でも、報道によるインパクトは大きく人々に恐怖心を植え付けます。

接種はあくまで任意なので、希望者だけが接種して集団免疫が成立すれば、とりあえずそれでよいのでしょう。

発熱外来を続けている私は職務上必須と思い、ワクチンの接種を受けました。昨日がその2回目でした。

1回目の時は、当日夜から接種部が痛み出して夜中にうずき、翌日は軽くなり、2日後ほとんど消失しました。

さて2回目はどうでしょう。強い痛みや、高熱が出たり強い倦怠感があると診療にも支障を来します。

最悪の体調になる可能性をも考慮して、念のため今日は、あらかじめ休診することに決めたのでした。

しかし蓋を開けてみると、痛みは1回目よりも軽いし熱もない。たぶん、若くないってことでしょう。