4月9日は子宮の日(でした)

昨日(4月9日)は「子宮の日」だったというのに、HPVワクチンの話を書きそびれたので今日書いてます。

このワクチンの定期接種対象者は、小6〜高1の女子です。3回の接種に最短でも4カ月(と1日)かかります。

従って、3回とも定期接種(無料接種)したい方は、高1の11月末までに接種を始めなければなりません。

実際には、悩んだ末に高1の冬になって接種を始めて、結局3回目は任意接種になる方が、毎年多いですね。

定期接種ワクチンは、対象年齢(学年)になったらすぐに接種する方と、ギリギリで接種する方がいます。

たとえば、年長児が接種する麻しん風しん混合(MR)ワクチンは、年度初めと年度終わりに接種が集中します。

HPVワクチンではそれが顕著で、小6や中1で接種する方と、高1で始める方との両極端になってますね。

とは言え全体的に接種率自体がとても低く、なかには定期接種であることをご存じない方もいらっしゃいます。

これではマズイと、定期接種ワクチンの存在を知らせるリーフレットの個別配布が、昨年から始まっています。

「ワクチンの接種を個別にはお勧めしないけど、ワクチンの存在は個別にお知らせしたからね」

そんな不思議な通知なのですが、厚労省は現時点で、これ以上踏み込もうとはしていません。

新年度に入り、当院を受診した対象学年のお子さんには全員に、HPVワクチンの接種をオススメしています。

特に高1の方。コロナがどうなるか分かりませんから、できれば早めに(至急)打ちましょう。子宮だけに。

ワクチンの院内在庫は十分あります。子宮(ウテルス)だけに、いつでも「打てるッス」。

第4波の診療前に、できればワクチンを1回は接種しておきたい

熊本市に今日、高齢者向けの新型コロナワクチンが届きました。来週月曜日から接種が始まるようです。

混乱なく、着実に接種が行われてほしいと、心から願っています。もちろん当院も、やがて接種を担当します。

折しも今日、われわれ医療従事者向けのワクチン接種の予約方法を通知するFAXが、医師会から届きました。

接種予約システム「K-SYS」の説明動画が「配信中(随時視聴可能)」という内容でした。

ところがその説明動画のURLが記載されていません。Google先生に訊いても知らない様子。

しょうがないので、FAXにある「サポートセンター」に電話すると、動画のことは医師会に尋ねてくれと。

医師会に電話してみると、URLのQRコードを記載した通知の郵送を、ただいま準備中、とのこと。

動画のURLを連絡していないうちから、FAXに「配信中(随時視聴可能)」と書いちゃダメでしょう。

医療従事者の接種が完了していないのに、高齢者への接種を始めるのはいかがなものか、という人がいます。

接種を取り仕切っている組織(県と市)の違いもありますから、まあ同時進行でもいいじゃないですか。

ワクチンを接種する作業自体は、新型コロナに感染するリスクが格段に高い業務ではありませんからね。

ただし心配なのはコロナの「第4波」。発熱外来がまた大忙しになったら、ワクチン接種への影響は必至です。

なので今のうちに自分の接種を済ませておき、「勇気百倍」で診療に臨みたいところなんですけどね。

ウ〜マンボ〜

マンボミュージシャンのパラダイス山元氏が、週刊誌の取材を受けたと、今朝の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3420.html" target="_blank" title="Clubhouse">Clubhouse</a>で言ってました。

どうやら、「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3468.html" target="_blank" title="まん延防止等重点措置(通称「まん防」)">まん延防止等重点措置(通称「まん防」)</a>」から発想した、こじつけ取材のようです。

この措置の名称からは誰もが、「マンボウ(魚)」を連想してしまいますよね、普通。

さらに、「どくとるマンボウ北杜夫」を思い出したり、「ウ〜マンボ〜」と叫びたくなったりするわけです。

しかしあからさまに面白がると不謹慎な雰囲気なので、メディアではあまりイジラないような印象ですね。

こういうのも一種の「言葉狩り」なんでしょうか。元々は「まん延防止等重点措置」って命名が悪いんですよ。

すでにコロナがまん延している都道府県に、まん延「防止」等重点措置を適用するのも、いかにも後付けです。

本当に防ぎたいのは、緊急事態宣言の発出でしょう。前回の宣言の解除を批判されたくはありませんからね。

なので名称は「緊急事態宣言発出防止等重点措置」にしてはどうですか。通称「緊防(きんぼう)」。

今日の新規感染者数は、関西、首都圏、沖縄が大爆発する中で、全国で熊本だけがゼロ。まったく驚きます。

こうなったらもう、今すぐにでも熊本を鎖国したくなる気分。

せっかく熊本にコストコができたというのに、医療従事者としては安易に行くことがはばかられます。悔しい。

ニュース映像を見ていると、関西圏や首都圏の街中の人出の多いこと多いこと。街の市民たちの声は、

「こんなに人が多いとは思いませんでした」あのね、あたなたちが街に出てくるからでしょうが。

「みんな、緩んでますね」こら、あんたが言うな。

大阪府が「医療非常事態宣言」

大阪府が「医療非常事態宣言」を発出しました。重症患者用病床のひっ迫度合いの高まり受けたものです。

大阪:緊急事態宣言解除(2/28)→666人(4/3)→「まん防」適用(4/5)→878人(4/7)→医療非常事態宣言

東京:緊急事態宣言解除(3/21)→555人(4/7)→「まん防」適用要請準備

吉村・大阪府知事が、緊急事態宣言を「前のめり解除」したせいで、感染が拡大したと批判されています。

横目に見ていた小池・東京都知事は、大阪のようになるまいと、早めに動き出そうとしているのでしょうか。

しかし、変異株が広がり、新手の強力な方策もない現状では、感染者数の急増は止められないでしょう。

不思議なことに熊本の感染者数はまだ少ないですが、人の移動が多い大型連休後にどうなるか、わかりません。

最初の「緊急事態宣言」が出されたのが、ちょうど1年前。その日の感染者数は、東京87人、大阪53人。

東京と大阪が逆転していますが、いまの感染者数は1年前のちょうど10倍です。

でも緊急事態宣言は出てない。しょうがないので大阪では独自に「医療非常事態」を宣言したというわけです。

ところで「非常事態」と「緊急事態」って、どう違うんでしょうね。以前から私を悩ませ続けている疑問です。

「非常」とまでは言えなくても「緊急」性が求められることはありそうなので、前者の方がより重大なのか?

今夜のNHK「ニュースウオッチ9」では、誤って「医療緊急事態宣言」というテロップを出していました。

プロでも間違えるんですから、両者に明確な違いは無いんでしょうね。(前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3233.html" target="_blank" title="「禍」と「渦」">「禍」と「渦」</a>も間違えたけど)

昨年度の補助金がみな実績報告段階に入り、正直面倒くさい

コロナ禍の外来に奮闘する一般の医療機関に対して、昨年度は4つの支援策が準備されました。

(1)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3286.html" target="_blank" title="新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業(慰労金)">新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業(慰労金)</a>

すべての医療従事者に対する「慰労金」。コロナ診療の濃密さによって給付額が異なります。当院は1人5万円。

申請は簡単で、給付後の実績報告書の作成も容易でした。職員への振込を証明すればよいわけですから。

(2)新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(支援金)

感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する昨年度1年間の費用を、都道府県が「支援」してくれるもの。

申請はかなり簡単。その1カ月半後に入金あり。実績報告書の締切は今月末です。そろそろ準備しなくちゃ。

(3)<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3459.html" target="_blank" title="令和2年度新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金">令和2年度新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金</a>

発熱外来「枠」の確保に対する、所得補償的な補助金なので、診療が暇なほど給付額が大きいのが特徴。

ギリギリ3月末に振り込まれてました。なので敬意を表して、今月10日の締切を前に、本日実績報告書提出済。

(4)令和2年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金

昨年12月15日から今年3月末までの経費を補助するぞと、急に言ってきた補助金。大慌てで2月末に申請。

実績報告書の締切は今月10日ですが、いまだに入金なし。厚労省に聞いたら「遅れてますw」と低姿勢。

予算を投下して、次々に支援事業を打ち出してきたのはよいですが、申請受付と給付の処理が滞っています。

厚労省も大変なのは分かりますから、ゆっくりどうぞ。でも、実績報告書もゆっくり書かせてくださいね。

コロナワクチンは高齢者への接種段階に入るそうですが・・・

新型コロナワクチンは、医療従事者への接種に続いて、来週12日からは高齢者への優先接種が始まります。

ていうか、医療従事者のほとんどがまだ未接種なのですが、それはまあそれとしましょう。

熊本市には、今週と来週で合計3箱(1,462人分の2回分)の、ワクチンが届くことになっています。

それを踏まえて今月下旬から、高齢者と高齢者施設従事者宛に、接種券の発送が行われる予定だそうです。

わずか1,500人弱分のワクチンを、どの高齢者にどのような順番で接種するのか、これは悩ましい問題です。

少ない供給量では、誰も不満に感じない接種順などありません。ここは自治体の、工夫と割り切りが必要です。

にしても、医療従事者の方もチャッチャと進めてくださいね。おっとこちらの担当は熊本県でした。

ちょうど今日、ベルギーのファイザー工場からのワクチンが、成田に届きました。通算11回目の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3429.html" target="_blank" title="空輸">空輸</a>です。

使用機材は、先週まではB787–9でしたが、今回はB777–300ERに大型化しています。

これにより、届いたワクチンは先週の1,206箱から今回は1,700箱に大幅増です。

蛇足ながらこのB777(JA797A)はいま、サンフランシスコに向かって飛行中(NH8便)。働いてますね。

厚労省は「コロナワクチンナビ」を開設し、今日から接種会場を検索する機能を追加したようです。

どれどれ、熊本市内の「一般受入可の会場」を検索してみると・・・ありゃ、当院が出てない!

あわてて確認。なぜか「コロナワクチンナビ非公開」に設定してました。すぐに設定変更。再び確認。おけ。

なお、現在予約受付中の会場など、熊本にはひとつもありません。

ワクチンはいつ届くのか、どのタイミングで予約受付を開始したらよいのか、私にはまったくわかりません。

二重マスクだからと油断しないこと

「二重マスク」の人が増えていますね。

2カ月前頃からでしょうか、日本だけでなく、アメリカのニュース映像を見ても、多くの方が二重です。

以前、マスクはファッションじゃない、などと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3418.html" target="_blank" title="河野大臣の二重マスク">河野大臣の二重マスク</a>を批判的に書きましたが、訂正します。

基本性能に優れる不織布マスクと、オシャレな布マスク。二重マスクはいいとこ取りができますからね。

となるともちろん、内側が不織布で、外側が布になるように着けなければなりません。

もしもその反対に装着すると、隙間はあくし、見た目も不格好で、二重マスクのメリットがゼロです。

二重にすれば、二枚のマスクを貫いて正面に抜ける呼気の抵抗が増します。

その分、マスクの上下左右の隙間から逃げ出る呼気が増えやすくなります。だからフィットは重要です。

逆に、内側の不織布マスクが完璧に装着してあれば、感染防御の観点からは、一重でも十分とも言えます。

そう言いながら実は、最近私は診療中に、不織布のサージカルマスクを二重に着けています。

外側のマスクを、内側のマスクよりも数ミリ頭側にずらして着け、鼻の脇の隙間を完璧に塞ぐ魂胆です。

そのような二重マスクに加えて、発熱者等の診察では必ずゴーグルかフェイスシールドも着けています。

コロナの疑いが少しでもあれば、これにガウンと手袋と、場合によってはキャップも加わります。

そんなに物々しく防護を重ねていますが、私がいちんばん注意しているのは、最初の内側のマスクの装着です。

感染防護具として重要なのは、内側の不織布マスクが隙間なく装着されているかどうか、それに尽きます。

二重に着けていることで油断して、顔へのフィットをおろそかにすることは絶対避けなければなりません。

地理も歴史も、なぜか大人になってから好きになります

高校の「地理A」と「地理B」が統合されて「地理総合」が新設され、地理が必履修科目に返り咲きます。

A+Bだけど「地理AB」じゃない。じゃあ単なる「地理」でいいのに「地理総合」とはコレいかに。

と思ったのですが、「地理総合」で学んだ後に、さらに深い学習を行う「地理探求」も設置されるようですね。

同様に歴史は、必履修科目「歴史総合」に加えて、「日本史探究」と「世界史探究」が設置されます。

さすがに地理は、「日本地理探求」と「世界地理探求」に分けられなかったようですね。それは良かった。

私は地理も日本史も世界史も履修しましたが、地理がいちばん手こずった思い出があります。

時間の流れという縦軸が存在する「歴史」とは異なり、軸もなく果てしなく広がる「地理」は苦手でした。

実生活では、初めての土地に旅行するときに、国内でも海外でも、旅先の地理や歴史を少し予習しますよね。

まずは場所。隣接地域との位置関係。そこに至る交通手段。そして地形や自然などのブラタモリ的アプローチ。

それらの、地理的予習に次いで歴史、さらに産業や文化・娯楽までおさらいしてから、旅行に出発します。

で、家に帰ったらこんどは写真と動画の整理。こまめな方ならデジタルアルバムまで作ったりするでしょう。

考えてみると旅行って、地理と歴史の予習と実践と復習なんですね。だから記憶には強く定着する。

一方で学校の授業は、実戦を伴わないからイメージしにくいし定着しにくい。それでも無理くり暗記する。

歴史文学やドラマや紀行番組が、勉強の助けになるんでしょうけど、私は高校時代にはあまり見ませんでした。

受験が終わって大人になってから、俄然、地理や歴史が好きになったのは、まったく皮肉な話です。

「まん延防止等重点措置」適用決定

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3356.html" target="_blank" title="熊本市医師会PCRセンター">熊本市医師会PCRセンター</a>に、2カ月ぶりに出動してきました。昨年8月以来、5回目のご奉公です。

PCRセンターの外来受入検査枠は、感染拡大に伴って当初の1日20人から徐々に増え、今では50人まで可能。

ですがおそらく、1月をピークに減っています。2月に私が出動したときは30人台、今日はわずかに7人でした。

とは言え、全国の感染確認数は明らかに増えており、第4波に向かっています。熊本でも怪しい雲行きです。

来週5日からの1か月間、大阪府、兵庫県、宮城県に対して「まん延防止等重点措置」の適用が決まりました。

この3府県で済むはずもなく、やがて東京都を含む各地で適用されることになるんでしょうね。

首相「緊急事態宣言に至ることを防ぐための、そしてまた感染拡大を防ぐための措置であります」

記者「今回の措置で十分な効果が得られなかった場合、再び緊急事態宣言を出すことは検討されるのですか」

首相「ですから、緊急事態宣言に行かないような、また感染拡大防止につながるような、対応策であります」

「まん防」決定に際して記者会見(質疑応答)が行われましたが、首相に真摯な返答を期待するだけムダです。

緊急事態宣言に至ることを防ぐための措置なのだから、緊急事態宣言に至ることは議論も想定もしません。

いまから取りかかろうかという施策が失敗する可能性など、間違っても口にしない、「言霊」の国なのです。

悪い展開は想定せず、物事は常に良い方向に進む前提です。結果的にうまくいかなかったら、想定外なのです。

「後手後手」だと叩かれてきた昨年来のコロナ対策は、残念ながら未だに「先手先手」とは言いがたいですね。

県内初の「コストコ」オープン

エイプリルフールネタを書いてやろうと思ったのですが、ダメですね。アイデアが出ません。

人をコロッと騙すような気の利いたウソが書けません。ふざけた架空話なら得意なんですけどね。

熊本では初の「コストコ」が、今日オープンしました。「コストコ熊本御船倉庫店」です。

朝早くから開店を待つ行列ができていたので、店側も予定を早めて朝6時にオープンしたと報じられました。

この報道が、エイプリルフールなのかどうなのか。現場を直接見ていない私に、真偽のほどはわかりません。

開店当初の4日間は、名字のアルファベットによる入場制限があるそうですね。今日はA〜M、明日はN〜Z。

ならば「近見」さんなら、今日はヘボン式(CHIKAMI)、明日は訓令式(TIKAMI)で、両方いけますね。

という訳にはいきません。会員カードの裏には、名前がローマ字で記載されていますから。

いずれにせよ私は、そんな人混みの店舗内に入ろうとは思いません。ほとぼりが冷めるのを待ちます。

コストコの所在地の御船という場所からは、つい新型コロナの変異株を連想してしまいます。

そんなことは直接関係のない先入観に過ぎませんが、ともかく、開店セールの賑わい(=3密)は避けたい。

でもいつか時期が来たら、昼休みにBBQ用の食材とかを買い出しに行ったりできますね。

なにしろ、クリニック近所の熊本ICからコストコ横の御船ICまで、標準所要時間はわずか8分ですから。

確認のため、先日自分で走行してみたら6分で着きましたが、これは追い風参考記録なので問題ありません。