新型コロナワクチンの接種を加速するため、東京と大阪に大規模な接種会場が開設されることになりました。
自衛隊が設置と運営にあたり、1日当たり1万人の接種を行うべく、5月下旬から3カ月間、運営するとのこと。
唐突な施策ではありますが、パフォーマンスであれ何であれ、接種ペースを上げるためなら私は賛同します。
ただし、現実的な問題は、山ほどありそうです。
真っ先に心配になるのは予約方法です。対象を絞り込まなければ、電話もネットも大混乱しそうな気がします。
会場やその周辺地域の混雑も心配。毎日毎日1万人の高齢者が、ワラワラと都心のビルを目指す。不気味です。
当院では、かかりつけの方から順に、ワクチンの接種予約を受け付ける予定で計画中です。
かかりつけの方は、病歴や薬や生活歴を把握できているので、問診が容易で接種はたぶんスムーズでしょう。
ところが集団接種では、そうはいきません。病歴が複雑で、問診にも手こずり、きっと時間がかかるでしょう。
田村厚労相は今日、早ければ7月中にも、一般の人への接種を始める地域が出てくると述べました。
どうして与党のお偉いさんたちはこのように、最短最速最良の可能性ばかりを、やたらに強調するのでしょう。
そんなうわべの前向き発言は、現実を直視しようとしない不誠実な態度にしか見えません。
「来年までかかるのでは?」と訊いても、彼らは「そうならないために頑張っている」としか応えないのです。