手探りのワクチン接種計画

新型コロナワクチンは、熊本市では、一般住民に対して個別接種と集団接種が並行して進められる予定です。

前者は当院のような医療機関で行い、後者は体育館のような会場で行うものです。いずれも完全予約制です。

1回目と2回目の接種間隔は3週間なので、接種場所と日時を、2回目の分まで同時に予約することになります。

接種を担当する医療機関側としては、1人当たり2つの接種枠を、3週間間隔で確保していく必要があります。

さらに、ワクチンを余らせないために、同じ時間帯に6人単位で予約を受け付けなければなりません。

最近問題になっているのは、体調不良等の理由で、予約のキャンセルが出た場合の対処法です。

ワクチンをムダにしないために、予約外の誰かに流用して接種するのが望ましいということになっています。

しかし、物事はそう簡単にはいきません。

キャンセルが出たら、医療機関は誰か他の接種希望者を探して連絡し、接種に来てもらう必要があります。

急に接種の呼び出しがかかった人は、3週間後の予定まで考慮して、接種を受けに行かなければなりません。

キャンセルした人は、2回目の接種も自動的にキャンセルとなり、一から予約を入れなおす必要があります。

当院のような小規模な医療機関ではキャンセル時の対応が難しく、ワクチンを余らせる可能性が高いでしょう。

本来であれば、キャパの大きな接種会場での集団接種の方が、ワクチンの融通もつけやすいはずなのです。

しかしともかく、個別接種と同時接種を同時進行させなければ、なかなか接種が進まないのも事実。

なのでわれわれ医師は、自院で個別接種を行いつつ、空いた時間で集団接種会場に出向くことになっています。

各部署が連携しつつ、手探りで進めている未体験の接種計画です。重大なトラブルが起きないことを祈ります。