「今のペースではコロナワクチン接種完了は7年後!?」
日経メディカルの記事のタイトルは、笑うに笑えないというか、でも笑うしかないというか。
今の接種ペースのままであれば、という仮定での話なので、これからペースアップすれば挽回できるはずです。
ワクチンの自国開発の遅れや、輸入に手間取ってきたことなどは、もはや非難してもしょうがないですね。
9月末までにワクチンの確保が完了するのが本当なら、どうやって接種ペースを上げるかが今後の焦点です。
熊本市では5月19日から、65歳以上の方への優先接種が始まります。
各医療機関はいま、何月何日に何人に接種できるか、その計画表を作成中です。保健所への提出期限は明日。
一般外来に加えて当院では発熱外来も続けているので、コロナワクチンの接種にあてる時間は限られます。
最初の1クール(3週間)の接種が終わったら、次の2クール目は、その方たちへの2回目の接種で一杯です。
当院かかりつけの方から接種をしようと計画中ですが、それだけでも4クール(12週間)ほどかかる計算です。
かかりつけではない高齢者への接種を行う枠が、当院ではあと3カ月間は作りたくても作れません。
こんなことになったのも、ワクチンを接種する段になって、コロナの第4波が重なってきたからです。
ワクチン接種の時期までにコロナを抑え込んでおかなかった、国の施策の失敗を責めても、後の祭り。
コロナ診療で多忙な、地域によっては疲弊している医療現場に、ワクチン接種の余裕はあまりないのです。
熊本ですらこの状況ですから、大阪や東京でワクチン接種が進むんだろうかと心配になります。