熊本地震から5年

熊本地震から5年。被害を受けた重要な建造物が、それぞれ息を吹き返しつつあります。

熊本城天守閣の再建工事は、ついに先月完了しました。これこそまさに復興のシンボル。

阿蘇大橋も先月開通しました。場所を変えての架け替えですが、立派な美しい橋が完成しました。

熊本市民病院は堂々たる新病院が建ちました。その内部はまるで、後のコロナ禍に備えたかのような造りです。

当院の建物の被害はわずかでしたが、診療ではずいぶん苦労しました。(それもコロナ禍よりはマシですが)

自宅もクリニックも、地震による壁紙の亀裂の一部は、今もそのまま残しています。一種の遺構なのです。

断水や停電や機器の破損が起きたとき、できるだけ迅速に復旧するための備えの必要性を痛感しました。

しかし、喉元過ぎれば何とやらで、当院の停電対策はいまだに完璧ではありません。いま反省すべき点です。

私事で言えば、この5年の間に子どもたち3人がみな結婚し、孫が4人ほど生まれました。

どういう心境の変化か説明が難しいのですが、飛行機によく乗り、海外旅行に何度も行くようになりました。

ほかの人でも同様だと思いますが、熊本地震は私の価値観を大きく変えてしまう一大事でした。

人生、何が起きるのかわからない。やりたい事はやりたい時に。後悔の無い生き方を考えたものでした。

と思っていたらコロナです。今からやろうと思っていた事がことごとく潰され、意気消沈です。

地震とは違い、時間とともに必ず着実に復旧復興する、という保証がないのが辛いですね。