新型コロナワクチンの接種後に起きたアナフィラキシーが、日本では約18万回接種中に36例起きています。
欧米に比べると一桁多い、異常に高い発生率です。
「アナフィラキシーの診断基準が違うんじゃないの」と私はすぐに思いましたが、もちろん憶測にすぎません。
でもたしかに国際的な基準に照らすと、本来のアラフィラキシーは実際はもっと少ないという報告があります。
医療従事者への接種では、欧米でもアナフィラキシーの発生率は高かった、という情報も出ています。
では日本で医療従事者以外への接種ではどうなのか、その答えが出るまでにはまだ何か月もかかりそうです。
日本も欧米も共通して、アナフィラキシーのほとんどが女性に起きている事実は、とても重要なポイントです。
性差があるなら、人種差があっても不思議じゃないし、それこそ例の「ファクターX」があるかもしれません。
欧米よりもなぜか感染者が少ない日本人の持つ「免疫体質」が、過剰な反応を来した可能性は、あり得ます。
たとえ日本人にアナフィラキシーが起きやすいとしても、ただちに接種を中断すべき理由にはなりません。
日本人にとってはそのようなワクチンなのだと、十分に理解して万全の準備で臨めばよいのです。
実際に、すべてのアナフィラキシー例がきちんと対処され、事なきを得ています。
欧米各国は、アナフィラキシーが起きてもそれはそれとして、粛々とワクチンの接種を遂行しています。
日本ではとくに慎重に接種する必要はありそうですが、副反応の議論ばかりが過熱しないことを祈ります。
HPVワクチンのように接種を中断して感染予防をストップさせる愚だけは、避けたいものです。