ひと瓶から8回分以上吸い出せたら、手品師

ファイザーの新型コロナワクチンを、1バイアル(瓶)から7回分接種できた、という朗報が今日の話題です。

ついこの前まで5回か6回かと言ってたのに、7回が可能だとすれば、これまでの議論は何だったのって感じ。

ワクチンの自国開発では残念ながら日本は「後進国」ですが、器具と工夫なら「技術立国」の面目躍如ですね。

ファイザーも想定外の「用法」ですが、薬の効果には無関係なので問題ありません。日本の作戦勝ちでしょう。

7回接種を可能にしたのは、インスリン注射用の特殊なシリンジ。たしかにデッドスペースが無いし針も極細。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3422.html" target="_blank" title="ワクチンの容量">ワクチンの容量</a>0.45mlに希釈液1.8mlを加えると2.25mlなので、0.3mlの注射量だとたしかに7回可能です。

溶液を希釈した場合、合計量は単純計算通りにはいきませんが、少なくとも2.1ml以上はあったわけです。

河野大臣などは、「大いにやっていただきたい」と大喜びしていますが、そう軽く言わないでください。

なにしろ針が短いので、いま報じられている製品では、誰に使っても針が筋肉まで届くとは限りません。

うっかり浅く接種して筋肉まで届いていないと、せっかくのワクチンが効果不十分となるリスクがあります。

このワクチンは、起死回生の期待の星です。接種法が悪くて効果不十分となることは、許されません。

その点を考慮してテルモは、針を長くした製品を量産するとのこと。でも市場に出回るまでに時間がかかる。

今後1年で2千万本生産するそうですが、それとて1千万人分にすぎません。なかなか戦力にはなりませんね。

また、従来のインスリン用注射器が不足するようなことになると、糖尿病の患者さんが困ります。

やはりここは、妙な色気を出さず、規定通りに確実に接種するのが肝要。無理をしないでいきましょうよ。

とは言え、7回打てると聞かされてしまうと、5回しか接種できないシリンジを使うのは気が引けますね。