井の中の蛙、共通語を知らず

手指消毒用エタノールの押売り(国による優先供給スキーム3月分)メールが届きました。懲りませんね。

いつもの「サラヤ ヒビスコールSH ポンプ付1L 1本4,378円(1〜4点ご購入時、税込、配送料込)」です。

どうしてこのような、市場価格よりも格段に高い製品を、優先だと公言(広言・巧言)して売りつけるのか。

最初に設定した価格から変更することが、お役人にはできない事情でもあるんでしょうか。

だいたい、スキームなんてエラそうな言葉遣いがもう、いただけません。計画とか政策とか言えばいいのに。

「スキーム(scheme)」に近い言葉に「スキーマ(schema)」があります。図解とか計画の意味です。

そのドイツ語「シェーマ(Schema)」なら、私は以前からよく使ってきました。

一般的なのかどうかは知りませんが、「シェーマで示します」なんて表現を、医者や研究者は頻繁に使います。

それと似た音がするドイツ語に「シェーレ(Schere)」があります。手術用のハサミのことです。

大学や医局による違いもありますが、私が育った医学部では、この表現が標準でした。

いや、「シェーレ」と正しく言う医者は少数派で、おおかたは「セーレ」と言ってました。

前者が方言っぽく聞こえるので、勝手に「洗練」させた歴史があるのかもしれません。

ところで20年以上前、私と先輩医師が2人で九州を出て、四国の医科大学(当時)に一時赴任したときのこと。

手術中に「セーレ!」と言っても、まったく通じない。この時、セーレが共通語じゃないことを悟りました。

狭い社会にずっと留まっていてはいけない、外に出なければわからないことがあると、思い知った話です。