新型コロナワクチンを保管していた冷凍庫が故障して、172バイアルがムダになったとは残念なニュース。
(追記:その後の調査では、冷凍庫の故障ではなく、電源に問題があったようですが)
この手の特殊な冷凍庫や冷蔵庫は、庫内温度の記録が残るようになっています。
それによると、金曜の深夜から温度が上がり始めていたようで、月曜には27度。これはどうしようもない。
このワクチンの保管条件は、マイナス25〜15度でも2週間まで保管できるように緩和されたばかりでした。
土曜の朝、誰かが温度計を見ていれば、もしかするとまだマイナス15度以下で、間に合ったかもしれません。
月曜まで気付かなかったのはなぜなのか。先行接種を実施するレベルの医療機関にしては、お粗末です。
いったん「解凍」すると、2〜8度の保冷庫(冷蔵庫)で5日以内の保管が可能ということになっています。
一般の医療機関では、配送されたワクチンを冷蔵庫に保管して、その4日後までに使い切ることになります。
熊本市では、各医療機関での保管期間が最長でも4日以内となるよう、週に2回の配送が計画されています。
最終的に問題となるのは、接種する医療機関の冷蔵庫の品質は確かか、取り扱いは大丈夫か、ということです。
当院ではコロナ専用の冷蔵庫を準備する余裕はないので、他のワクチン用の保冷庫を共用することになります。
最大でも4〜10バイアル程度の保管ですが、扉の開け閉めは最小限にして、庫内温度に注意したいところです。
保冷庫の中に、さらにクーラーボックスを入れるなどの工夫も有効かもしれませんね。
残念ながら、当院の保冷庫では庫内温度の記録が残りません。いま現在の温度が分かるだけです。
なので夜間や休診日に停電が起きてなかったか、その確認が重要だと思っています。
知らぬ間に一時的に温度が上がってワクチンがダメになっているのに、それに気付かず接種するのが最悪です。